福岡でも少しだけ冷たい風を感じるようになってきました。
山の冬をもう9回くらい越してきたので、博多の北風がそよ風くらいにしか感じられなくなっているようです。
北風が吹くときに犬の様子を見ながらいつも関心をすることがあります。
風が真っ向から吹いてくると、犬は胸を開き顔をまっすぐに上げて風に立ち向かうように進みます。
人は肩をすくめたり、腕を組んだり、頭を下げたりしながら歩く姿を多くみかけます。
そういうわたしも、つい顔を下げて肩をすくめがちになってしまいます。
犬がなぜこのように強い姿勢を取るのかとても不思議でした。
個体差が多く生じる行動なら、多くの犬が北風に立ち向かうようにして歩いたりはしないでしょう。
教えられてもいないことを、多くの犬が同じようにするには、動物として意味のある行動だと感じました。
自然の中で暮らしてみて知ったことは、動物は自然の力に負けてしまっては終わりだということではないだろうかということです。自然の強い力に対して、立ち向かうか潔く隠れるか、その選択は大変早いもののように思えるのです。
強い日差しからは穴をほったり日陰を捜して隠れ、北風に対しては立ち向かって歩き続ける。
しかし、雪の吹雪の日となると移動することはせずに、やはり静に隠れている。
自然に対する態度はわりとはっきりとしたものであるのではないでしょうか。
だから、犬が北風をまっこうから受けても胸を向けて歩いている姿を見ると、自分もそうありたいと背筋を伸ばしてしまうものです。都心のビル風も肌あたりは強いですが、いくつもの山を越えてきた山の中の北風は本当に力強くその冷たさは肌身に沁みます。
今年はどこまでがんばれるか、今のところ北風には負けそうにありません。
吹雪が来るまであと1ヶ月。胸を張って歩いている犬の姿をしばらくはたくさん見たいものです。
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