犬と接しているときに、飼い主さんが犬に対して赤ちゃん言葉を使うことがあります。
オスワリをオチュワリ
オリコウサンをオリコウチャン
お散歩ですよが、お散歩でちゅよ
どうしたのが、どーちたの
といった感じでしょうか。
みなさんは赤ちゃん言葉を使うことがありますか?
無意識なので自分では気づかないこともあるかもしれませんね。
犬のブログなどでは、この赤ちゃん言葉が多用されています。
テレビなどのメディアでも、吹き出しに赤ちゃん言葉で表現する加工があったり、
一部の芸能人が犬や猫に対して赤ちゃん言葉で語りかけている風景もよく見られます。
犬にとっては、赤ちゃん言葉を使われているという感覚はありません。
統一して使っていただければオスワリがオチュワリになっても全く問題はありません。
ただ、人として違和感を覚えるのです。
他人から「どうしたの?」と言われるところを「どーちたの?」と言われたら、自分は違和感を覚えます。
私が赤ちゃんに見間違うはずはないから、多分この方は発音が悪いのだろうと思うでしょう。
犬への赤ちゃん言葉の使用に問題があるとすれば、飼い主さんの犬に対する姿勢です。
犬に対して赤ちゃん言葉を使ってしまうのは、犬のことを赤ちゃんだと思っているからです。
そんなつもりはなくても、無意識にそう思っているから言葉に出てしまうのでしょう。
犬が人と暮らし始めるのは生後7週齢くらいです。人の子供の年齢であてるとそろそろ幼稚園に入ろうとしている年齢です。
犬は自力で歩ける年齢であり、赤ちゃんではありません。
動物の自律を促しているのは、周囲の家族や群れとなる動物の自分への接し方です。
飼い主が犬のことを赤ちゃんだと思って接すれば、犬はいつまでも未熟なままです。
未熟な動物がかわいいからいいのだ、という考え方もあるでしょうが、
動物はみな成熟する権利を持っていて、成長によって精神的な安定を獲得するのです。
生涯にわたり子犬のままで、不安定な状態を維持することがどんなことなのか。
成長した人の内面性が未熟なままだったらどのような状態なのかを想像すれば、理解できるかもしれません。
動物への理解は、動物を尊重する気持ちから生まれます。
小さな赤ん坊や幼少の子供に対しても、相手を尊重する態度は大切だと思います。
小さな存在であっても、犬という動物を尊重する接し方を身に付けたいと思えば、赤ちゃん言葉は自然となくなっていくでしょう。
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