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散歩中の拾い喰い:犬が本当に落ちているものを食べたいのだろうか

犬にリードをつけて散歩しているときに、地面に落ちているものを「拾い喰い(ひろいくい)」するような行動をすることがあります。

犬の「拾い喰い」を止めさせるためには、という情報がネットにたくさんあります。
犬の行動を考えるときには「犬の行動を止めさせる方法」の前に考えることがあります。

「犬の行動の表現する犬の状態について」です。
まず、犬の拾い喰いをよく観察してみてください。

地面に落ちているもの、ゴミのようなもの、枯葉、タバコのかす、小石、ビニールの一部など、
どんなものでも「みつけたもの」を見つけると口の中にいれようとします。

口の中でずっと噛んでいることもあれば、口にいれたり出したりすることもあるし、
噛んでいるうちに咀嚼されてしまったものを唾液と共に飲み込むこともあります。
といっても食べることを目的に口の中にいれているわけではありません。

犬のその行動が人の視点で見たときに「拾って食べている」ように感じられるため、
「拾い喰い」といわれるようになったのでしょう。

拾い喰いとは、地面に落ちている食べものを探す行為ではありません。
お腹が空いているから食べものを探しているわけではないのです。

では、何のための行動なのでしょうか。

口に入れたり出したりしている行動を見て、遊び行動だと思われるかもしれませんね。

行動は全て表現方法ですが、目的のわかりにくいものもあります。
それがストレス性行動という表現方法です。
ストレス状態であることを表現する方法です。

実は犬の拾い喰いは、ストレス性行動のひとつです。

拾い喰いパターンのストレス性行動が強いものになると、地面にはいつくばるようにして土や砂を口の中に入れ続けます。
実際に本当に食べていますが、無心に食べ続けていて声をかけても止まらず、
止めさせようとするとさらに執着を示すようになります。

ストレス性行動には様々なものがありますが、その中に執着行動というのがあります。
犬と同じように、人も執着行動というストレス性行動を表現します。
犬と人は社会性が高い動物だということ共通点があり、行動の共通点も多く見られます。

拾い喰いを、落ちているものに対して執着しているストレス性行動だと受け取れるのは、環境を変えたり、散歩の環境に適応性を見せ始めるとこの行動がなくなっていくからです。

外環境への適応力が育っていなければ、環境を変えても別のストレス性行動を示すだけですが、それこそが拾い喰いが食べ物を探す行動ではなく、ストレス性行動だと理由付けられることになります。

たとえば、もうすこしリードを長くして、リードで拘束しなくても歩行できるような遊歩道を選んで歩いたとします。

環境の変化により、行動が安定してくる場合もあります。

遊歩道という環境でも、外環境への適応力が育っていない場合には、今度はいろんなものに飛んだり跳ねたり、走り回ったりするような行動をすることもあります。

散歩中のストレス行動は、外環境への適応力だけではありません。

散歩という群れ行動が上手くいっているかどうかは、飼い主さんと犬がグループとして協力関係にあるかどうかということも影響します。


まとめるとこうなります。

散歩中の拾い喰いの多くは食べ物を探すことが目的の行動ではない。

そのため、食べ物を食べてはダメと叱るとますますストレスになる。

犬が適応しやすい場所を散歩コースとして選ぶこと。

犬が外環境に適応していけるように、ゆっくりと時間を使うこと。

犬が外環境に適応していけるように、拘束せずに移動できる場所を見つけること。(普段の散歩とは別に準備しなければいけないケースも多くあります。)

飼い主さんと犬が、信頼関係を築けるように、室内での接し方やルールの導入を見直すこと。

散歩中の飼い主の声かけは、犬へ飼い主の存在をアピールする方法になりますが、過剰になると欠点もあります。
散歩中に犬に対してずっと合図を送り続けることは、社会化の機会を奪い依存性を高めてしまうためです。
ストレスが強く、人の号令や合図に頼らなければならない状態や環境もあります。
犬の暮らす環境は厳しいものとなっているということでしょう。

犬を変えたいと思うなら、自分を変えるしかないのですが、環境改善には制限もあります。
それでも、まだまだ変えられることはあるはずです。
ひとつずつ、毎日発見。

人の変化が犬の変化につながります。

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