犬を飼われるとき、特に保護施設や知人から成犬を譲りうけるときに、
比較的選ばれやすいのは「人になつきやすい犬」です。
犬は動物ですから、人に対して攻撃的な行動がなくて危険性の低い、
人と仲良くなれる可能性のある犬を選びたいというのは、飼う方の一般的な心理でしょう。
人が犬を飼うというのは、犬と交流して過ごすということなので当然の選択ともいえます。
「なつく」という意味は、慣れ親しむこと、近づき親しむこと、従い親しむこと、です。
犬を飼うなら子犬を迎えたいというのも、子犬がかわいらしく愛着を抱きやすいという理由と同じくらい、
子犬は「人になつきやすい」という理由があります。
子犬とは乳歯が生えている生後5ヶ月齢くらいを言います。
犬が環境に順応する学習が進む社会化期は、生後4ヶ月齢ほどまで続きます。
まさに、子犬が人になつく可能性を十分に持つ状態なのです。
ペットショップに長くおかれたり、人と隔離されるような環境におかれて過ごすと、
「人になつきにくい」状態となります。
そのなつきにくい状態がわかりやすく表現されるのは、犬が1歳前後になってからです。
警戒吠えをするようになったり、咬みつきによる攻撃行動が出現する年齢になるからです。
それでも犬は警戒心が高くテリトリーがはっきりとできていない状態では、すぐに攻撃するわけではありません。
硬直といってフリーズした状態になったり、ブルブルと震えたりして動けない状態になる犬も多くいます。
人にウォンウォンと吠え立てて飛びついてくる犬や咬みつきをする犬を飼うことはできないと思う人も、
震えている犬を見れば、かわいそうにという気持ちが先立って犬を迎えることもあるかもしれません。
こうした犬が「人になつかない」というわけではありません。
「人になつきにくい」状態だということを理解した上で、犬を迎えてほしいのです。
なつきにくい犬は、少なくとも飼い主を含む社会的に接触のある数名の人にはなつくようになり、
社会生活を営む上で遭遇する可能性あるものに対しても順応する力をつける必要があります。
それは、犬が生きていく上で安心して生きることを満足できるようにするための基盤になるからです。
なつきにくい犬を迎えたけど、なかなかなつかず、攻撃的な犬になっていくことで不安を感じている方がいたら
犬に対する接し方が、その犬にあっていない可能性があります。
続きはまた明日。
むかご
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熊本被災ペット支援ネットワーク
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