昨日のブログ「犬の行動範囲の真実」につづけていきます。
犬が日常的に過ごしている家庭訪問トレーニングクラスでは、状況に応じた犬の行動について飼い主さんから話を伺うことは、犬の状態や抱えている問題の質を知る上で大切です。
また、実際に犬と接して「人との生活の場」の中で犬の行動を見るとき、その中に不自然な行動をたくさん見ることができます。それは限られた環境に飼われている動物が多く見せる行動なので、もはやそれを「不自然な行動」と感じられる人が少なくなっています。
限られた環境に飼われている動物として動物園の動物をあげます。もちろん、動物園で生きることと、人に飼われて生きることは全くことなる環境です。環境が限られるということが動物に影響した結果、行動が変化してくるということを示す例としてはかけ離れています。
それでも、犬が人に飼われる環境の不自然さが進んだ結果、動物園の動物の行動と同じような行動を、犬が実際にしているという事実もあります。たとえば、サークルの中に長時間入れられている犬が、サークルの前で左右にいったりきたりする行動もそのひとつです。同じ行動をくり返すストレスを表現する行動です。
同じ行動をくり返す行動として、長時間の「毛づくろい行動」もあります。動物保護施設のネコ舎で、ずっと毛づくろいをしているネコたちを見たことがあります。これも同じ行動をくり返すストレス行動です。犬は毛づくろい行動をしないように思われていますが、自分の手や足をなめたり、毛をかんだりするという、毛づくろいのように見える行動を行っていることはよくあります。ただ、これが不自然な行動であることに気づく人が少なくなっています。
犬の状態を知るためには、その行動の意味を知る必要があります。
犬が習性として行う行動を人の都合で止めさせたり、逆に犬が不自然に行っている行動に気づかず対応していないということを知ることからはじまります。
そのことが、飼い主が犬に必要な環境を整える準備が始まった、ということなのです。
犬の行動について知りたい方は「チャリティ犬語セミナー2016.10.23」に参加してください。
犬の行動は犬が表現するもの、犬のコトバそのものなのです。
受け取る人がいるから表現がある。
受け取る人はわたしたちひとりひとりです。
ぜひいっしょに犬のコトバを受け取ってください!