この季節、標高500メートルのグッドボーイハート七山から福岡の博多に戻ってくると、その違いにいつも驚きます。
気温が違うのは当然のことながら、辛いのがは、風がないことです。山から吹き降ろす風を感じることができれば、この暑さも乗り切れそうな気がするのですが、湿度が高く風を通す空間ではなくなってしまった都市環境では、室内に閉じこもりがちになりますね。
犬が人よりも暑さに弱いことを、飼い主のみなさんは承知されていると思います。
小型犬は大型犬に比べると暑さには強い方ですが、人のように夏を乗り切るということはできません。気温だけでなく湿度の問題や、暑さに対応する体のつくりが異なるからです。
人は夏になると海や山といったアウトドアを楽しむために出かけることも多くなります。犬と一緒に出かけるときには、人とは違う配慮をしてあげてください。たとえば、犬の夏の海遊びは、早朝以外はおすすめしません。海での熱中症の事故も多いです。興奮する遊びは短時間で終了させるなどの配慮は必要ですね。
山に出かけたときも、短時間のアウトドアキャンプではせっかくの自然環境の中で犬は自然にふれることができません。都市での限られた空間の生活をアウトドアに持ち込んだだけの形となります。涼しい場所で過ごせるメリットはありますが、せっかくの自然にふれる機会をもう少しグレードアップして、避暑地でのんびりというふうに過ごせないかなと思うのです。
暑さで閉じ込められる環境にグッタリしたり、イライラする様子の犬を見ていると、犬にも避暑地は必要なのではないかと真剣に考えてしまいます。避暑地というと豪華で高額な印象を受けられるかもしれませんが、夏休みに帰生する田舎のおばあちゃん家というイメージではどうでしょうか。豪華な別荘地は隣接して立ち並んでいるため、そこでも犬同志が衝突してうまく過ごせないという問題も起きてしまいます。
田舎のおばあちゃん家は隣の家とも離れていて、空間もたくさんあって、なぜかそういう自然環境には時間もたくさんあります。映画の「トトロ」のような風景ですね。こうした日本の里山は、人が住まなくなってきていることから空き家も増えています。こんなところでも住んでみようかなという方がいれば、住む人を応援しながら犬の避暑地として使わせてもらうというのも一案ではないでしょうか。
これはただの空想かもしれませんが、里山も復活して犬たちにも避暑地が獲得できる、そして人と犬が自然環境のなかで新しい関係作りをはじめるきっかけとなる、単なる空想だとしても素敵ではありませんか。
そういえば今の自分の仕事も空想から始まりました。
子供のころ犬と遊ぶことが大好きではじまった「いつか犬の訓練士になりたい」という空想です。
今は犬の訓練士を経て、犬を理解するためのいろんなことを伝える新たな仕事へと発展しました。
空想の中にはなかったけど、現実はもっとワクワクする展開です。
犬の避暑地と里山で過ごす人と犬。
きっと実現しますように。
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熊本被災ペット支援ネットワーク
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