「犬の楽しみといえば「散歩」と「ゴハン」。
犬に限らず「食べる」ことは楽しいことです。生きるために大切なことでもあり、その欲求が満たされる瞬間がうれしいのは、当たり前でもあり健康的なことでもあるでしょう。
ところが犬にゴハンを与えるときに、困った行動がおきることがあります。
ゴハンを与えるときや、与える前に、犬が興奮することがあるからです。
ゴハン時の犬の興奮は「うちのコはゴハンが大好きなの。」と思われがちですが、興奮の度合いによってはゴハンをもらうときの行動の中にもストレス行動がみられます。
たとえば、ゴハンの前の以下のような犬の行動は要注意です。
・ワンワンと連続して吠える
・ピョンピョンと飛び跳ねる
・部屋の中をいったりきたりして歩き回ったり走り回る
・家具や壁をかじろうとしたり手でかくような行動をする
・壁や床を手でかくようなくり返し行動をする(猫のつめとぎのような格好)
・飼い主やぬいぐるみやベッドなどのマウンティング行動をする
・声を出す(キーとかギャーといった奇声やキュンキュンといった鼻ならし)
・ぬいぐるみをくわえてウロウロとする
・クルクル回る
犬は動きやすく興奮しやすい動物と勘違いされがちです。
犬は人よりも俊敏に活動することができるため反応が高く感じられたり、四つ足で動くためにたくさんステップを踏んでいるように見えるのかもしれません。
イヌとヒト。あくまで動物と人間であるため行動を比較することには限界がありますが、興奮行動には似たようなパターンがあります。
ウロウロ動く、とびはねる、かじる、走る、声を出す。これらの行動は人が興奮したときにも見ることができます。
犬だからゴハンのときに興奮するわけではありません。ゴハンのときに確かにテンションは上がるけど、興奮しない犬もたくさんいます。
・ゴハンをもらえる場所にいって待つ
・ゴハンを持っているひとが近づくと尾をゆっくりと振る
・ゴハンを予測してオスワリをしている
・伏せて待つ
など、ですね。
「食べる」という喜びの時間なのに、興奮状態になってしまう犬がいるのはなぜでしょうか。
いくつかの理由や原因が考えられます。
なんらかの事情で十分に食べることができなかった経験をもつとか、たくさんの犬に対してドッグボウルひとつを与えられていることで競争で食べることになった経験をもつ、などもその例に入ります。後者の例は子犬期に繁殖者の管理方法によっては起こり得る状況です。
食の内容に影響を受けることがあります。加工されたドッグフードの中でも糖質や油分の高く、ミネラルやタンパク質の低いフード、犬版ジャンクフードは脳内活動の依存値を高めてしまいます。フードの臭いだけで興奮するような行動をみせるときには、この傾向があるかもしれません。
生活の中で十分に欲求が満たされていない場合にも「ゴハン時興奮」が起こります。欲求の偏りによって食べる欲求が異常に強くなってしますからです。留守番が多い、社会的な経験が少なく行動が制限されやすい、などは欲求不満を高めます。
そして、比較的多いのが「飼い主との関係性」です。犬にとって食べることは飼い主に依存した行為です。その依存が大変強い状態になると、その行為に対して興奮値が高まります。
こうした依存による興奮行動の場合には、犬の世話をする人が一定期間変わることで犬の行動に変化が見られることもあります。
ゴハンのまえの興奮は、興奮行動をとめる対応が対処法です。
あとは根本原因をつきとめて、その事に対して対応することが、犬と暮らしと犬と人のより良い関係を助けます。
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