グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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もしもマムシに咬まれたら

七山を数日離れて戻ると、草刈したはずなのになぜ?という状態になっていました。この梅雨の時期、刈っても刈っても延びてくる雑草。その生命力には驚くばかりですが、気持ちが負けそうになることもあります。「あとは野となれ山となれ」というコトバの感覚が、山暮らしにより身にしみて分かるようになりました。

梅雨の晴れ間に都合よくトレッキングクラスが開催できました。わんこ山の下刈りをお願いしたばかりだったのでコース変更でわんこ山散策となりました。下刈りというのは、まだ成長しきっていない雑木を育てるために、雑木の間に生えてくる成長の早く高い雑草を刈り込んでいく作業です。私も手をいれますが、梅雨時期になると一気に伸びてしまい、素人では思うようにいきません。それで、下刈りをお手伝いしていて、おかげさまで雑木はスクスクと成長し、山は健康に育っているようです。

下刈りをお願いしている方はご近所にラブラドルリトリバーと暮らしています。子犬のころから七山のきれいな空気と水と空間のある環境で暮らせるなんて素敵ですね。そのラブちゃんとご家族が立ち寄られてお野菜をいただきました。少し前にマムシに咬まれたと聞いていたのですが、腫れもほぼひいてとても元気な様子でした。

山歩きや畑近くの散策でマムシと遭遇する確立は非常に高いです。草むらで何かの動く気配があり、顔をつっこんだり、脚を踏み出したりしてマムシに咬まれる可能性も十分にあります。「マムシに咬まれたらどうしたらいいですか?」と聞かれることもよくあります。

マムシに咬まれるときは突発的なので、瞬間なにがあったのかわからないこともあります。マムシに咬まれたとわかる理由の一つ目はすごく腫れてくるということ、二つ目は、咬み跡が穴が開いたように小さいけどはっきりとした傷があることでわかります。

腫れは、時間の経過と共に少しずつ進むので、数十分にかけてゆっくりと、かなり大きく腫れてくるでしょう。咬まれた傷から出血し少しずつですが継続します。毒が体内に少し入ってくるのを防ぐため免疫反応が高まり、息遣いが荒くなってくることもあります。最初はゴハンも水も取りたがらず、じっとふさぎ込むようになるか、犬によっては土の上にいたがることもあります。体は毒素をできるだけ外に排出しようとするため、嘔吐するような症状が出る事もあります。戦っているんですね。

いずれも自己治癒力のなせる業です。治癒反応は、犬も他の動物のようにとても高いなと思います。人と暮らして長く、動物力を落としているように思えるのですが、犬という動物の底力はたいしたものだと関心します。腫れは人間よりも少なく、食欲の快復も早く、2日目には何かを口にするようになり、行動も快復に応じ普通に動くにようになります。

犬は治癒反応を出しながら快復へがんばるのですが、飼い主はどうしたらいいのか、というのがみなさんの知りたいところでしょう。犬がケガをしたときにどのように対応するのかには、飼い主さんの価値観や経験が強く反映されます。よく「病院に連れて行ったほうがいいのか」尋ねられるのですが、それを私が決めることはできません。私だったら、と答えるしかなく、飼い主さんのしたいようにしていいのですよ、ということです。

マムシに咬まれたら、私だったら病院へは連れていかずに様子をみます。それは私が自分の犬が自律して行えることに対しては、それができる環境を整えたいと常々思っているからです。特に自然環境の中で、犬として生きていたら遭遇する確立の高い昆虫やヘビなどに咬まれることについては、犬の体もそれに対する機能を備えていると信じていますし、毎日の生活の中で犬である過ごす時間を大切にしていれば、犬の動物力は見えてきます。

でも、普段から犬という動物のことを知らなかったらとか、また、下痢をしたりゴハンを食べなかったらすぐに動物病院へ連れて対応される飼い主さんには、病院へ連れていかずに様子を見るということは難しいことです。またストレスのかかる生活をしている犬は、何事においても無気力なる傾向があります。体が戦う用意があるのかどうかと不安を感じることもあることも事実です。

そして、犬にとって一番難しいことは、自分のグループの基盤である飼い主が落ち着かず、不安で、悲しげな顔をして緊張していることです。だから、病院へ連れていきたいと思うのならそうしてください。犬のためにというよりは、自分を落ち着かせるためにという理由であっても、結果、犬も落ち着きます。犬がケガをしたり症状が出たのが、病院と連絡のつかない夜間や土日に出るのであれば、夜間対応する病院を事前に把握しておくといいでしょう。

それよりも、常日頃から犬が犬らしく過ごせる時間や環境、関係性を大切にしているかどうかを考えてみてください。犬らしさがわからないのでしたら、犬ってどんな動物なんだろうという素朴な質問をもって学ぶことをおすすめします。まずは思い込みを捨てること、これが最初の一歩です。

まるちゃん3




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