今日は福岡市早良区にある脇山の家の「手づくりフェア」に行ってきました。
熊本被災ペット支援ネットワークで集めた、手作り品チャリティバザーの販売と、チャリティ犬の相談会を同時開催という形で参加しました。
チャリティ相談会「うちの犬ってどんなコ?」は、犬のしつけやトレーニングの相談とは違って、家庭でいっしょに暮らしている犬のことをいっしょに話し、犬への理解を深めよう!という目的の相談会です。
犬のしつけ・トレーニングで陥りやすいミスは、犬のことを理解する前に、犬を「イイコ」にするためのトレーニングを開始することです。犬にオスワリやフセを教える前に、飼い主さんが知る必要のあることがたくさんあります。飼い主さんの知る必要のあることというのは、犬が人のコトバを話すことはできないけど、伝えたい大切なことです。
といっても、犬の相談会となると、ほとんどが「犬の困っていることをどうやったら解決できるか。」という質問から始まってしまいます。犬を飼っている人は犬が大好きなのですが、犬に問題がないときには犬のことにあまり関心がありません。
このことは、私自身が学生時代に暮らしていた犬のことについて、ほとんど知ろうとしなかった経験があるので、身をもってわかるのです。その犬は、全く問題となる行動がなかったからです。よく人のいうことをきき、イタズラもしない、吠えもない、噛み付きもない、家具をかじるということもありませんでした。だから犬のことが大好きだったのに、犬の本を何冊も買って読んでいたのに、目の前の犬について本当に知ろうとはしなかったのです。今思えば、あのときもっと関心をもってあのコのことを知ってあげれば、もう少しいろいろとできたことがあったのにと悔しい気持ちもいっぱいです。
犬に関心を示される機会は「犬の行動を問題と感じたとき」だという方が、ほとんどだと思います。
その問題をどのようにしたら解決できるのか、という気持ちでドッグスクールを尋ねたり、本を読んだりされるでしょう。ですが、ここが大切な分かれ目です。どうやったら解決できるのかということに焦点をあわせて学び始めると、単なる対処法で終わってしまい、犬のことを理解するせっかくのチャンスを失ってしまいます。
「犬の行動を問題と感じたとき」に、犬が必要としているのは、その行動の意味を理解してほしいということです。犬の行動はコミュニケーションの手段だからです。犬は社会的な動物です。そのため、自分の状態を、常に群れの仲間に対して表現するさまざまなコミュニケーションの形を備えています。その中でも行動という表現は、私たち人間が受け取る場合にも最もわかりやすいコミュニケーションのツールです。犬のように嗅ぐ力を持たず、感性の低い人間に対して、犬たちはわかりいやすい行動でメッセージを伝えてきています。それを、受け取っていけばいいのです。
どうやって?もちろん、最初はひとりでは読み解けません。犬のコトバは、人間にとっては外国語と同じです。だから通訳を使ってください。それが私たちのような犬の専門家の仕事です。動物の心の声を聞くアニマルコミュニケーターという通訳者もいます。そのコトバは奥深いものではありますが、それより以前に受け取る必要のある現実的なコミュニケーションがあります。犬が一番伝えたいことは、犬の行動から発しているメッセージです。そして、そのメッセージは、勉強すれば誰でも受け取れるようになります。
相談会では、そんな「犬が伝えたい大切なこと」を受け取りながら、犬がどういう状態でいるのかということを焦点にお話しました。その状態を解決してあげるためには、少し時間が必要です。「ああ、そんな状態だったんだ。知らなかったよ、ごめんね。」と思える方は、もう何歩も先を進んでいます。「そんなことどうだっていいよ。自分が困らなければいいんだ。」と思う方は、犬との関係作りにまだ時間がかかりそうです。感じるのことも、思うことも、選択することも、自分の自由です。
準備のできた方から遠慮なく、犬の世界へ飛び込んでください。
そこには、難しいことはなにもありません。あるのは犬の平和です。
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熊本被災ペット支援ネットワーク
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