グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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ペットドア使ってますか?<庭で排泄すること>

犬の生活環境の大切さについては、いつも話のテーマに上がります。環境を整えることについては、ブログ記事「引越し後の環境整備」でもご紹介しました。この記事でペットドアについてもふれています。

ペットドアは「ペットが自由に出入りできるようにするためのドア」で、室内を区切るドアにつけたり、室内から庭へ続く戸口や網戸に設置する使い方があります。
グッドボーイハートでは、環境整備の一環として、囲いのある庭付きの戸建て住宅で犬と暮らしているご家庭に、条件付きでお勧めしていることがあります。室内から庭に、犬が自由に行き来できるようにすることです。このツールとしてこの「ペットドア」を取り入れることがあります。


ペットドアを使う前に、犬の現在の生活状況をよく把握してみましょう。

囲いのある庭付きの戸建て住宅。普段は室内で暮らしている犬、室内で寝たり、ゴハンをたべたり、飼い主と過ごしたりしているとします。みなさんの犬がこれに当てはまるなら、犬の庭への出入りはどう管理されていますか?

1 庭には出さないようにしている。
2 犬が庭に出たがるときに、戸口を開けてあげる。
3 飼い主の決めた時間だけ、庭に出してあげる。
4 生活習慣として庭に出す時間が決まっている。
5 室内の戸口を、日中は開けたままにしている。
6 室内の戸口にペットドアをつけている。
7 外出のときは戸口は閉めてあり、飼い主がいるときは5か6にしている。

5と6の環境に暮らす犬は、基本的に室内から庭への出入りは、犬の自由です。犬の生活のテリトリー(生活圏)は、室内とその周辺の庭ということですね。

7は一部飼い主の管理が入る形となり、自由ではありません。飼い主不在の時間によって犬の行動自由時間がことなるため、犬の行動へ与える影響もマチマチです。

1と3の場合には、犬の庭への出入りは管理型です。飼い主がいなければ犬は外にでることはできませんし、犬の意志で庭に出ることもできません。

2は犬が庭に出る意志のあるときに出ることができるが、飼い主が気づかなければ出られないということです。

4は庭に出す時間の長さにもよって、庭で過ごす時間はまちまちです。ゴハンのあとだけ出して、すぐに中に入るのか、日中はずっと庭に出していて、飼い主が帰宅したら入れるなど、そのパターンは無数のため少し状況把握が難しいです。


庭というスペース、その空間への犬の行動の自由。不自由な場合にはその鍵を握っているのは「飼い主」という人間です。庭を犬が出入りできるスペースとして承認できるのか、犬の出入りを管理することになるのか。この違いによって、庭が犬にとっての生活圏を支えるテリトリーになるかどうかに、ひとつの影響を与えます。

庭への出入りに関して犬に行動の自由が与えられていると、自然に庭は室内という犬の生活圏をささえるテリトリーになります。庭も犬の生活圏のとなり、ここが外敵との境界線になります。柵のある庭では、柵の前で吠える犬をみかけたことがあるかもしれません。吠えることが全て番犬吠えではありませんが、しっかりと足を大地につけて、テリトリーに侵入して来ようとする人の方に身体を向けて、吠えている場合、吠えていない場合でもどちらも番犬といえる姿勢です。
この境界線は大切なのですが、ここで何かあっても、犬には室内という奥のテリトリーがあります。篭城で城の門を明け渡していない状況では、まだ余裕があるということです。

上記のように、安定した行動で生活圏をとりまくテリトリーを防衛しようとする犬は、庭の柵に近い境界線で排泄をします。排泄行動は犬のテリトリーを管理する重要な行動です。排泄行動の場所によって、犬がどのようにテリトリーを管理しているのかを知る手がかりにもなります。

庭への出入りに人の管理力が影響している場合、境界線は室内と庭をしきる戸口のところになります。室内空間は生活の中心となるテリトリーです。訪問者があったとき、あなたなら誰を室内にいれて、誰を戸口の前で対応しますか?その境界線を越えられる方は、あなたにとって信頼できる人でなければならないはずです。室内に人を入れてしまえば、逃げる場所はない、逃げるときは自分が室内から出て行くしかありません。これはテリトリーを明け渡すという行為となり、危機的な状況です。訪問者を知らせるインターホンに、犬は興奮しやすくなります。

境界線をつくる犬の行動を観察してください。犬はどのような場所で排泄しているでしょうか?前述の庭の柵に近い境界線での排泄行動をしている犬であれば、庭スペースへの自由行動をさせることで、行動は安定してきます。なぜなら生活圏とそれを取り巻くテリトリーが明確となるからです。

これはあくまで、犬が自由に行動できるようになっている上で形成される自然なテリトリーです。ですが、犬が飼い主に依存している、たとえば、飼い主の膝の上によくのる、飼い主の後ろをついて歩く、飼い主の外出で不安行動などの、飼い主への依存的な行動がみられる場合には、こうした形での生活圏(テリトリー)の形成はできません。その犬の行動は自由ではなく、飼い主の居場所によって変わってしまうからです。

飼い主への依存的な行動がみられる犬の場合には、ペットドアをつけたとしても、なかなかひとりで庭に出ようとはしません。飼い主さんが庭に出ると一緒に出られるが、飼い主さんが室内にいると出られないという場合があります。当然、排泄は室内のペットシーツになります。ペットドアがついていても、庭で排泄ができない犬はかなりいるようです。

依存的な行動の例として、食べ物に執着する行動がある場合にも、犬の自由行動は得られにくくなります。ペットドアがあっても庭への出入りが不自然であり、生活圏とテリトリーを構成する行動は得られないのです。
犬が部屋の中でウロウロとしていると「うちの犬は自由で楽しそう」と思われるかもしれません。本当に犬が自由を獲得しているかどうかは、そう簡単には判断できないのです。

犬って難しいなと思われるかもしれません。犬の生活環境は、飼い主の生活環境の変化や、生活パターンの変化、人為的繁殖、犬に対する価値観の変化によって、複雑になってしまったのです。決して犬という動物が複雑なわけではありません。犬はもっとシンプルな生き物で、混乱しているのは犬の方ではないかと思うのです。

「犬の環境が行動に影響を与える」ことは事実です。でも、環境を整えるペットドアをつけただけでは、犬の行動が変化しないことがあります。「成長」と「発達」この二つのキーワードは、環境を整えることと同じ、もしくはそれ以上に重要なことです。

※犬を理解するツールとして今回はペットドアを紹介しましたが、ペットドアの導入に関しては「条件付き」と説明しました。犬の行動管理の上で、注意すべきことも多々あります。
グッドボーイハートのクラスを受講でない方で、このブログを読んでペットドアを付けられる場合には自己責任で行ってください。


あきらめて帰宅のオポトリミング
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