動物に関わる事業を行う団体は、第一種動物取扱業として登録が義務図けられています。
動物取扱業とは、様々な形で動物に関わることを業とする活動団体のことで、各企業や自営業者などが登録しています。各事業所ごとにその責任者であるものを動物取扱責任者といいます。なじみのない名称でしょうが、たとえばペットショップや動物病院、ドッグスクール、トリミングショップなどにもお店ごとに1名の動物取扱責任者がいるのです。
動物取扱業には登録をする必要のある団体もあります。非営利目的で活動をする動物に関する団体、たとえばボランティア団体などで、複数の犬や猫などの動物を一時預かりしている施設を所有する団体などは登録が必要です。
動物取扱業にはさまざまな責任が課されていますが、その中には環境省の定める「動物の愛護及び管理関する法律」を遵守しながら活動を行うとともに、飼い主に対しても同じくその理解と実践を求める指導を行うことも含まれています。
犬や猫などの動物と暮らしている方でも、この法律についてはあまり馴染みがないかもしれません。
動物に対する姿勢や接し方は、共に生きるものとして生活の中で自然と身に付いたものであり、動物に対する思いやりは誰もが持つことのできる気持ちだと思うのが自然なのかもしれません。
現実問題としては犬や猫などのペット化された動物は急増する中で、ブームとして簡単に飼われたり捨てられたりするなどの問題が表面化したことやペットに対する人の価値観の変化によって、以前は動物の管理に関する法律であったものを、動物の愛護という姿勢を加えることでその法律の内容が時代の流れと共に変化してきたということです。動物行政はこの法律がベースなので、動物と暮らす人には知っていただきたい法律です。詳しい内容は環境省のホームページで見ることができます。
その基本原則には以下のような文面があります。
「人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。 」
大変難しく深いテーマだと思います。
「人と動物の共生」という形がどのようなものであるのかは、地域や個人の価値観によって多様化しています。「人と動物の共生」については、今は考える段階でしかないと思います。そしてそれをだれもが考える権利を持っていることも事実です。
二つ目の「その習性を考慮して適正に取り扱う」については、実践することが可能です。この実践には「その動物の習性」を正しく理解する必要があります。習性とは、同じ種にみられる行動の特性のことです。
この習性は犬の飼育環境の変化に応じて変わりつつあります。そのため種のもつ行動特性が崩れてきたのではないかと感じることすらあります。種は長い歴史の中で、環境に応じてその行動の特性を変化させてきました。たとえば、文明化された社会に住む人と原野に住む先住民族では、その行動と能力には大きな違いがあります。わたしたちの身近な環境を例にあげると、都市環境に住む犬と、自然の里山で生きる犬とでは違いが出てくるのは当然のことです。
環境を変えると犬の行動にも変化がみられます。人が変化させた環境から影響を受けた犬の行動を、すべて犬の自然な習性とすることについては疑問を持ちます。
「犬の習性とは」「犬の習性を引き出す環境とは」について理解しそれを伝えることも、動物取扱業の大切な仕事のひとつであり、今後も真摯に取り組みたいと思います。
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