街中を移動しているとワンワンと犬の吠え合うような声が聞こえてその方向を見ました。
想像したとおり散歩中の犬がワンワン、ギャンギャンと吠えている姿がありました。
その向こう側には、小型犬よりも少し大きめの犬が飼い主さんに抱きかかえられた状態のまま、ワンワン、ギャンギャンと吠えています。
リードをつけた犬を持つ飼い主は止まったまま、犬を抱きかかえた飼い主は脚早に通りすぎようとしています。
抱きかかえた犬に大きな声で話しかける飼い主の声が聞こえてきます。
「大丈夫だよ。お友達だよ、お友達。」
そんな声が聞こえてきました。
さほど珍しくない、街中ではよく見かける光景にはなりましたが、いろいろと思うところがあります。
一番お伝えしたかったことは、他の犬におびえる犬を抱っこして歩いてもその問題は決して解決はしないということです。
解決しないばかりでなく、抱っこされていた犬はこれからもますます他の犬におびえるようになるでしょう。
飼い主としては、他の犬に吠えたりおびえたりする犬を特別問題を抱えている犬という風には感じていないからこのような行動になるのでしょうが、これは大きな問題です。
動物が他の種類の動物を怖がったり怯えたりするのであれば、それはあまり問題ではありません。
誰でも苦手な動物がいますから、うさぎが大好きという人もいれば、嫌いという人もいる。
猫が大好きな人はたくさんいますが、絶対に触れないという人もいます。
そして犬が大好きな人もいれば、犬におびえる人間もいるのです。
そうだとしても、その人は社会的には全く問題を抱えていません。
人が問題を抱えるとしたら、特定ではない他の人を怖がったり怯えたりするようになったときです。
他の犬に吠える犬、他の犬におびえる犬というのはこれと同じことで「同種」に対して恐怖を抱くという、大変難しい状態に置かれているということをまず理解する必要があります。
「他の犬におびえたり吠えたりする行動が、犬としてとても危険な状態である。」
ということを理解することができたら、次に犬が抱えているその問題を解決するために飼い主としてやるべきことがあるかを考える必要があります。
絶対に間違えてはいけないのは「この犬は、自分のことを犬だと思っていない」などという一方的な判断を下さないことです。
これは判断というよりは飼い主としての逃げなのでしょう。
「わたしの犬は自分のことを人間だと思っている。だから犬のことを怖がっているのだ。」という言葉をたまにですが聞くことがあります。
これは本当に問題なことであって、犬が犬であるということを理解できるように育ててあげるべきです。
他の犬に吠える、他の犬におびえる行動をする場合には、ほとんどの場合、飼い主の犬に対する接し方や育て方がその行動を引き出している理由になっています。
犬を抱っこして「大丈夫だよ。」となだめても全く問題の解決にならないのに、それを続けているのはなぜなのでしょうか。
犬よりも飼い主の方が「わたしの犬は人間の子どもなのだ。」と思い込みたい気持ちをもっているからかもしれません。
犬が犬として生まれて来たからには、犬として幸せになる権利をみな持っています。
すべての犬が幸せになれなかったとしても、自分のもとにいる犬には幸せになってほしいと、このブログを読まれている方なら思うでしょう。
そう思うなら、他の犬への怯えや、怯えからくる攻撃性を解決するために、今までの自分の犬に対する価値観や態度を一度おもっきいり捨ててやり直してみて下さい。
飼い主として間違いに気づくことにはとても勇気が必要です。
自分が犬に対してやってきたことが間違っていたと知る瞬間は胸が痛くなるものです。
しかし、痛みを感じたら癒しは一気に進みます。
犬についてもっと知ってほしい、
いや犬についてもっと共に学びましょう。