数年前まで講師を務めさせていただいたペット系の専門学校に伺いました。
グッドボーイハートの活動再開をかねてのごあいさつです。
専門学校の講師は13年ほどさせていただきました。
最初は基本的な犬の飼育に関する概論などを講義する形式でした。
その後に、ゼミ形式で家庭犬のしつけトレーニングをテーマに行いました。
ゼミ形式の方が、短い授業の間に学生の個性に触れながらいっしょに考え
いっしょに学ぶという形に近いため、私にはこちらの方があっていました。
学校に生徒さんの犬をお預かりする形でしたので、大変なことでしたが
ゼミ生たちはみなまじめに丁寧に犬達に接していました。
学びの態度もきちんと持っていた学生たちであったことも犬に伝わっていたようです。
そして、そのゼミ生たちと保護犬を預かるクラブを作っていただきました。
時はまだ保護犬の預かり先が少なく、ボランティアさんと話しているときに
学校のスペースに預かり学生たちがお世話をする形はどうだろうかと提案したのです。
今思えば、学生にとっても、学校にとっても、大きな責任を担うことです。
私の担当していたゼミ生たちが、あまりにも真剣で感性も高く責任感も強かったため
なぜか「彼らとならいっしょにやっていける」と感じて火がつきました。
前例のないことだったのに、学校の方で許可がいただけたのは奇跡でした。
保護犬の預かりの環境としてベストとはいえないという葛藤もありましたが、
そのクラブ活動を通して、学生たちなりに一般の預かりではできないことも
成し遂げていたように感じています。
もちろん、私はこのクラブを通してたくさんすぎるほどの学びを得ました。
講師をやっているときはただ夢中で、伝わらないことへの行き詰まりや
先へ進みたいことへの焦りなど、若い人たちを相手にしているといろいろと悩みも多かったです。
ですがその悩みすらも、自分を成長させてくれるチャンスであったことを感謝しています。
卒業生の中には、同じ意志のもとに日々活躍している人々がいます。
ドッグトレーナーにはならず、違う職業や主婦として家庭を支えている方もいるでしょう。
それでも、それぞれのステージで人として学び続けていることには変わりありません。
共に学ぶ機会を得られたということは、特別の出会いであったような気がします。
たくさんの勇気をありがとうございました。