福岡県で起きたトリミング中に犬が死亡するという痛ましいニュースに胸を痛めた方もいらっしゃることと思います。
亡くなられた犬ちゃんのご冥福をお祈りいたします。
事件を起こしたトリミングショップと同じ動物取扱業者としての私が今お伝えできることだけを簡単に述べさせていただきます。
当事件については直接見聞きしたわけでもなく今から詳細について具体的にわかってくるものと思います。
トリミングであれペットホテルであれ、犬を飼い主の元から離してお預かりするには最善の注意と管理を徹底することはこの仕事の責任であることは間違いありません。
しかし、飼い主のいない状態で犬に対してどのようなことが起きているのかを飼い主は直接知ることはできません。
写真や動画や報告書といった形でお伝えすることはできても、飼い主がその場についているわけではありません。
犬に対するトリミングなどの手入れ、動物病院での診療やケア、ドッグスクールでの訓練はトレーニング、ペットホテルや犬の保育園などで過ごす時間など、それぞれの立場とポリシーを持って対応しています。
それぞれの立場というのは、病院、トリマー、ドッグトレーナー、ペットシッターなどが自分ができることとやるべきことの自覚を持っているということ。
それぞれのポリシーとは犬に対する価値観やモラルなども含みます。
それがお店や病院やスクールによって多少の違いがあるということは、飼い主側に選択の権利があるということです。
例えば動物病院であれば近いからお世話になっているという理由のほかに、先生が話しやすいとか診察内容が信頼できるなどもあると思うのです。
トリミングショップやドッグスクールも同じように、飼い主さんの選択する理由というのがあったのだと思います。
この人にだったら犬を預けてもいい。
このトリマーにだったら私の犬をケアしていただきたい。
このドッグトレーナーにだったら犬のことを教わりたい。
そんな選択ができるほど今ペットサービスの数はとても増えています。
なかなか表面では見えない犬に対する価値観を、まずは飼い主さん自身で知っていただくことが最も大切なことではないでしょうか?
サービスといっても提供しているのは「人」です。
価格やチラシのデザインや店の風貌も大切ですが、どのような人がどのような価値観で犬とかかわっているのか、時間をかけて知ることが自分の犬のためにできることだと思うのです。
現在様々なペットサービスを利用中の方は、「選びなおし」もありだと思います。
私自身も近いから選ばれるドッグスクールだとしてもうれしいことではありますが、「ブログを読んで興味を持ちました。」と言っていただけると数万倍うれしいものです。
この事件をただ傍観せずに、飼い主としてできることをやっていきましょう。