今週は久しぶりに長い期間のお預かりクラスでした。
慣れている犬ちゃん、始めての犬ちゃん、そして途中でクラスメンバー交代といろいろと目まぐるしいお預かりクラスでした。
お預かりクラスの目的はいつもお話しているとおり、安全に犬たちをお預かりすることです。
さらに場合によっては、今の犬の状態をより詳しく把握して次のステップを決めること、環境をリセットすることでどのような変化が犬に起こるのかを見極めていくこと、という上級クラスのお預かりもあります。
今回は前者と後者がダブルになってお預かりクラスでした。
インスタグラムをご覧になった生徒さんから「喧嘩しないのですか?」と聞かれましたが、もちろん喧嘩をするような犬と犬を同じスペースに出すことはできません。
同時にどの程度の行動制限を与えるのかも、犬の状態に応じて日ごと、いや時間ごとにステップアップしていきます。
昨晩まで起きたことから、今日起きるかもしれないことを予測して、今日のスケジュールを決めるが実際には今日起きるかもしれないことが起きなかったり、予測しないことが起きたりします。
都度犬に対する管理の方法や接し方、やるべきことややることを変化させていくので、自分ながらこれは職人芸だなと思っています。
同じことを人にできるように教えてくれと言われても、決して伝えることができません。
そんな今回のお預かりクラスで学んだたくさんのことの中のひとつは「よく見極めること」でした。
職人気質の私も見ているようで見ていない部分があったり、聞いているようで聞こえていない音があります。
そうさせてしまうのは自分の中にある思い込みの世界です。
犬の飼い主のほとんどがこの思い込みの世界によって、本当の自分の犬を理解することができません。
犬が喜んでいる。犬が好きだから。という言葉がでるときに、本当にそうなのだろうかと考える必要があります。
犬の中にある「良し」「悪し」という単純な選別だけでは犬を知ることはできません。
犬にはもっと複雑な感情があるはずですが、ほとんどの犬がその感情を得る機会を持てていません。
なぜなら、いつもいっしょにいる飼い主が「良し」「悪し」という判断を下すだけだからです。
自分の犬は天使で汚れなくいつも笑っている、そうでなくてはならないと犬に課すことを止めて、犬だってずるもする、文句もいう、反発もする、イライラもするということを認めていきましょう。
それも含めて犬なのですから。
お預かりクラスをご利用いただきたくさん学ばせていただいてありがとうございました。
これからまた他のクラスでお返しさせていただきます。
施されたら施し返す。の精神いただきます。