犬の寿命はここ20年でずいぶんと長くになったと思います。
室内飼育や食べ物の質の良さ、動物医療の発達などいろいろなことが犬の生涯を伸ばしてくれているのでしょう。
長生きの犬になると12歳、14歳、16歳と、人生を共にする家族となります。
10年をかけると人の人生にもいろんな出来事がおきます。
転職、親との死別、転勤、結婚、出産、離婚、そして自分が他界する。
犬にとって毎日の安定した平穏な日々が大きく揺れ動くときです。
犬は飼い主と悲しみを共にしてくれます。
犬は飼い主がその親と死別したことを知らなくても、飼い主の悲しみを受け取ってしまいます。
犬が直接的に悲しまなくても、自分の悲しみを受け取ってくれると感じられるから人は犬にずいぶんと癒されている、もっと直接的にいえば助けられています。
私も長い間オポという犬に助けてもらいました。
大きな負担をかけていたとごめんねと思ったこともあります。
同時に犬は飼い主の喜びを受け取ります。
楽しいことがあった、心地よいと感じることを犬の方が受け取ってくれます。
グッドボーイハートの生徒さんの中には、犬と暮らし始めた後に結婚をされた方が何人もいらっしゃいます。
子連れ結婚ならぬ、犬連れ結婚ですね。
ご結婚される飼い主にとってはまさに人生最大の転機です。
犬は飼い主の人生の大きな変化の波にいっしょに乗ることになります。
犬が飼い主の家族であればあるほど、この波は大きく犬の平穏を揺さぶってしまいます。
それが飼い主にとって成長のひとつの段階であっても犬は飼い主といっしょに波に揺れます。
そしてその先にのもっと広い海に出る飼い主と共に犬も広い海に出ていくことができます。
飼い主の人生のチャレンジは家族である犬のチャレンジでもあるのです。
その生活がお互いにとってより良いものとなるためには、飼い主は犬をできるだけ理解し尊重するように努力するしかありません。
犬だってつまらない飼い主の人生よりも、より豊かな飼い主の人生に沿うことを願っていると思います。
結婚は飼い主に新しい家族ができるのと同じように、犬にとっても新しい飼い主ができることなのです。
結束の高い群れになることを犬は心から歓迎するでしょう。
そのために犬も成長のチャンスをもらえるはずです。
どんな時間も大切に。
家族であることを忘れない。
犬はきっと飼い主が人として成長することを良しとして見守ってくれます。
私自身もすでにこの世にはいない自分の犬がまだ、自分の成長を見張っている?と思って生きています。
あの犬に恥じないように生きたい。
そう思うと今目の前にあって向き合っているいろんなことから逃げずに真剣でいられるからです。
良いご縁をありがとう。
きっとあなたの犬がそのご縁をつないでくれたのだと思います。