毎日のニュースを通して次第に身近に迫りつつある予感のする新型コロナウイルスの脅威。
人気のいなくなった武漢の様子を映像でみていると、先日見たばかりの映画「アイ・アム・レジェンド」の風景と重なってしまいました。
街中でもマスクをしている人を見かけることが多くなり、ちょっとした咳すらはばかられるような緊張感もあります。
ウイルスがどのように発生するのかなどをここで考える必要はないのですが、ウイルスは動物と動物の間をいきかう生物であることは間違いありません。
そしてウイルスはなんらかの形で動物の中にあったものが変異を通して新しい形となり、対応できない動物たちに侵入しその数を増やしていくというのが私の中でのイメージです。
その変異の過程は動物たちを取り巻くいろんな環境の中で生じているものであるものの、動物の扱いに関連しているような気がするのです。
今回のウイルスも野生動物を食べる習慣があるから生まれたと一部だけを見て報道されているのをみると、少し見方が甘いのではないかと思います。
動物を食べる習慣は人類のはじめからあるのです。
動物は小さな空間に必要以上の数を閉じ込められるような環境で置かれるとウイルス発生の確率が高まります。
たとえば、犬の咳風邪のような症状を示すケンネルコフというウイルス感染の病気も、その名前のとおり犬たちが収容される犬舎=ケンネルで発生するものです。
多数の犬を閉じ込める空間、預かり場所だったりケンエルだったり、お店だったり、多頭飼育だったり。
そんな空間で窓をあける空気の循環が悪くなれば、ケンネルコフはわりと簡単に発症してしまいます。
ケンネルコフそのものは致死率の低い病気で、免疫力さえ持ち直せば軽い咳を通して改善していく可能性があるため、あまり恐れられてはいません。
ワクチン予防接種の中に含まれているものの、感染しても気づかず治癒しているケースもあります。
ただこうしたウイルスも次第に変異を遂げていく可能性があるので、油断は禁物です。
新しいウイルスを作り出さないためにできることは、多頭収容で動物にストレスを与えないというルールを徹底して行うことだと思います。
中国では生きたまま動物を売り買いしたり、店に出す直前に殺傷するような風習もあります。
衛生的かつ安全に保管して管理するシステムや習慣がないからかもしれません。
その点は日本では野生動物を狩っても素早く処理をして安心安全にありがたくいただく習慣がありますので、全く環境は異なります。
家畜として収容されている牛であれ鳥であれ、人間から与えられた環境の中で新しいウイルスをつくり人へ感染していくというのシステム、自然の摂理として片付けるだけでなく人への戒めとして受け止める必要があると思います。
うちは多頭飼育ではないから大丈夫と思っている犬の飼い主のみなさんにも、一頭であっても室内に閉じ込めるような生活が続けば動物はみな病んでいくのだということも頭にいれておいていただければと思います。
ちなみにですが冒頭の「アイ・アム・レジェンド」ウイルスミスが主演のウイルスに侵されて閉鎖された都市でウイルスの撲滅に挑む主人公を描いた映画です。
ゾンビなどが登場するストーリーは好みの問題ですが、主人公同様に存在感のあるサムという犬の演技と動きのすばらしさには感動ものなので、グッドボーイハートお勧めの映画です。