「ミラクル・ニール」という映画を見ました。
犬が登場する楽しめるファンタジー映画です。
ハリウッドやヨーロッパの犬が登場する映画はできるだけ見るようにしています。
理由は二つ
ひとつ目の理由は、西洋の映画犬はとてもよくトレーニングされているからです。
アメリカではフィルムドッグとも言われていますが、日本国内のドラマやCMに出てくる犬たちとは質が違います。
犬に使役を教える訓練については、日本人はヨーロッパやアメリカにはほど遠いなと感じます。
二つ目の理由は、映画を通して外国の犬の価値観がわかるからです。
犬といってもいろんな犬がいますが、描写はわりとはっきりとしています。
この映画に出てくるデニスという犬は、うだつのあがらない飼い主に飼われているほんの少しだけおバカな犬という設定でした。
楽しめる映画なのでまだ見ていない方のために少しだけ書きます。
この映画に登場する犬のデニスですが、おバカな犬といってしまった理由をいくつかあげておきます。
まず冒頭からですが排泄、しかも大の方を飼い主の留守中にがまんできずに室内のじゅうたんの上でしてしまいます。
しかもよくあることのようで、便をとるスコップが壁に掛けられています。
さすがに海外ですから日本のように室内にペットシーツやトイレトレーを設置したりしていません。そこだけでもセーフです。
飼い主の帰宅では思いっきりジャンプして飛びついていきます。
ワンワンと無駄吠えをしてマンションの隣人からクレームをもらいます。
飼い主のある理由によるパワーで人の言葉をしゃべることができるようになったデニス。
ワンワンとうるさく吠える意味が知りたくて飼い主がデニスをしゃべらせるとそのワンワンは「ビスケット」ただそれだけでした。
「ビスケット、ビスケット、ビスケット」
「ビスケットがあるの知ってる」
こんな感じです。
すべての犬がそうだということではありませんが、中にはこんな犬は本当にいそうです。
その犬のデニスと飼い主があることをきっかけに始めた会話、脚本家は犬のことをそれなりに見てくれているようでうれしい会話でした。
飼い主:お前はただ元のさえない犬のふりをしてみていろ。
犬:ぼくがさえない犬?
飼い主:そうだよ、演技くらいできるだろ?
相手に調子をあわせてさ。
犬:なでなでされているときみたいに?
飼い主:…そりゃ、ほんとに好きだろ?
犬:ぜーんぜん。
飼い主:ええ?
犬:犬はあんなのほんとは好きじゃない。
飼い主:なんだって?
犬:そもそもなんで犬をなでるの?
飼い主:なでると犬が喜ぶからさ。
犬:違う。
人間が喜ぶからこっちが喜ぶふりをしてあげてんの。
飼い主:はぁー。まあとにかくお前は普通の犬のふりをしてろ。
というこんな会話が続きました。
吹き替え版で見たので、そのやりとりは本当にリアルでした。
それにしても、デニス。
よくぞ言ってくれました。
度肝をぬかれた飼い主の「はぁー」という驚きとため息の入り混じった反応が、多くの飼い主の反応かと思います。
犬からしてみると「全く人は犬のことなんて全くわかっちゃいないんだから。」といったところでしょう。
すごくお気楽な映画ですが、犬のポジションはかなり考えられています。
ぜひご覧になってください。