お預かりクラスで3頭の犬ちゃんたちが集まりました。
気候も天候も良くていっしょに過ごすには抜群の日となりました。
お預かりの理由はご旅行やお仕事と様々ですが、中には他の犬とのコミュニケーションを少し進展させたいという理由で預かりを受けることもあります。
いっしょに過ごすことで犬たちに負担がかからないようにと、どちらの犬にとっても学びになるようにセッティングするのですが、コミュニケーション力の促進はそう簡単ではありません。
子犬期の生後6ヶ月くらいまでは成長と発達に柔軟性があります。
今回お預かりした犬ちゃんの中にも、最初の預かりのときには尾を巻いて逃げたり怯えたりしていた犬ちゃんもいます。
その犬ちゃんも現時点ではずい分と積極的かつリラックスして犬と共に過ごせるようになりました。
犬の中でコミュニケーションの誘導力を持つ犬はなかなか現れません。
ほとんどの犬が「待ち」の状態で、状況が変化するのを任せる姿勢に変わっていきます。
そしてその多くが、何事も起こらねばそれで良しという浅いコミュニケーションでおさまることになります。
この状態では、犬と犬が同じスペースに共に過ごしていても、喧嘩もなく会話もほとんどなく、みたところ落ち着いているのですがつながりはあまり感じられません。
何か事が起これば散々と別の方向へ逃げさってしまうような関係です。
もちろんそれが悪いというのではありません。
人と人の関係もすでにそのようなものになりつつあります。
となりに住んでいる人が誰だかわからない、話をすることもほとんどないというのも普通のことです。
別に、人生の中に喧嘩したり仲直りしたりしながら関係を進めていける相手がいるということもあります。
犬と犬は単に仲良しさんではありません。
犬のお友達が欲しいということをよく飼い主さんから相談されますが、お友達というのは小競り合いがあったり仲良くなったりをくり返している関係のことをいうのではないでしょうか。
犬でいう表面的に社交的な関係とは、関わりを持たないということなのです。
預かり中の3頭の犬ちゃんたちと共に庭で過ごしながら、犬同志の関係に必要以上に関与しないけれど、必要なときには関与する姿勢で見守り続け、私自身もまだまだ学んでおります。
自分でも不思議ですが、犬についてこれだけ学んでいてもまだ学びたい知りたい探りたいという気持ちがなくならないのです。
ある程度犬の行動や感覚を理解し始めていても、それを飼い主さんに伝えるためのツールがまだ不足しているため、そのツール探しのためにも学び続けています。
わかったと思った瞬間から人に伝えられるようになるまで数年かかっているような気がします。
今日私が知りえたことをみなさんにお伝えできるのが数年先になるということなので気の遠い話ですね。
そのうちに犬は成長してしまいますから、数年を待たずにぜひ今いっしょに学んでください。
犬の行動に問題を抱えている飼い主さんも、問題を抱えていない飼い主さんも大歓迎です。