寒くなるのを決意したとたんに暖かくなった。
ちょっと休憩といったところかな…と思っているうちに再び厳しい寒さがやってきた。
ようするに「もうすぐ冬が来るよ~」というお知らせだろうがこうも気温の差が激しいと多少こたえる。
あまりの暖かさに死にかけていたカマキリが復活したり、部屋の中に蟻をみつけたり、そしてついにダニにやられたり。
あの熾烈な夏の戦いを思い出しながら「暑いのと寒いのどっちがいい?」の声が聞こえてくる。
もちろん寒い方がいいいよね、、、オポ。再び覚悟を決めて冬支度を急いだ。
暖かい衣類といえばここに移って出会ったのが綿入りの服たち。
中綿といってもダウンとかポリエステルとかではなくて本当のコットンのわたのこと。
私の母達の世代なら子供のころにだれでももっていた、半纏みたいなわたの入った服がお気に入りになった。
軽いし暖かいし、そしてやさしい。
そんな綿入りの布団をオポにも、と飼い主心でチャレンジしたが綿を薄く伸ばそうとすることの難しいこと。
結局ボコボコの綿布団みたいなものができあがってしまった。
オポ用の綿入りの半纏のイメージは消えていった。
とある生徒さんが「先生、綿を伸ばす機械がありました!」という。
そんなものがあるなら使ってみたいな、しかもその方はその機会を入手したというではないか。
さっそくその「機械」なるものを借りてみた。
円の中には毛のあるいろんな動物の絵が描かれている。
ラマ、羊、らくだ…。
この機械はウールのような動物の刈った毛を処理するためのものらしい。
さらに近づいてビックリ!
これってどこかでみたことがある。
スリッカーだ。
スリッカーをみなさんもお持ちだと思う。
犬を飼ったときに勧められる毛のお手入れ道具のひとつ。
私もずっと前にはスリッカーを使っていたがここ数年はスリッカーの使用に対しては積極的でない。
できれば使うことをおすすめしない。
なぜかというと「犬が好まないこと」を感じるからだ。
なぜあの道具が犬のために作られたのかを考えることはなかったけどこれを見て合点がいった。
そもそも犬のナチュラルな被毛は羊の毛とはその質が異なる。
ところが人の繁殖への介入によって本来の犬の毛とは異なる被毛の犬たちがあらわれてきた。
羊の毛のようにみえるもこもこの飾り毛の犬たちを。
その犬たちのために羊の毛を処理する機械の一部を、スリッカーという手入れ道具にしてくれたということかな。
見た目はにているようでも毛の質は全く異なる。
犬の皮膚にあてないように使ったとしてもその毛の強さは全く違う。
なんだか大きな勘違いのような気がする。
似ているけど違うものはたくさんある。
モコモコの毛質になってもその機能は全く違う。
本当のことを知ることが犬の役にたつのだろうに。
本当のことを知るためにできることって何だろう。
さて最初の目的の綿の処理については、結論からいうとうまくいかなかった。
コットンの綿と動物の毛では質が違うからね。
羊の毛を刈る知人ができたら、またあの機械を貸してもらおう。