山の気温もかなり高くなってきました。
ジャケットを着込まなくても山歩きができるようになり、身軽で快適な上にまだ草も生えていないので、最高に気持ちのよい犬との山歩きができます。
こんな風に山の中を歩いていると、最近見たアニメのシーンを思い出しました。
そのアニメは昭和の時代のもので「カムイ伝」といいます。
検索していただければ一番わかるのでしょうが、白土三平先生が書かれたマンガがアニメ化されたものです。
原作のカムイ1964年から1971年まで『月刊漫画ガロ』に連載されたようですが、数回の中断をくり返す長編マンガらしいのですが、原作の方はまだ読んでいません。
アニメのカムイ伝の方は、大人向けとはいえ簡潔に表現されつつも、一定の社会的メッセージがちりばめられており集中してみることができました。
カムイ伝の主人公は忍者カムイですが、物語の中にはたくさんの動物たちが様々な役割で登場します。
中でも登場回数が多いのが犬なのです。
忍者の時代にも犬はすでに人といろんな意味で深く関わっていたことを伺える話がいくつもありました。
犬の登場の際に「犬を魅了するもの」として紹介された品、今でいうグッズがあります。
それが「犬万(いぬまん)」といいます。
犬万を使って忍者たちは犬の行動をコントロールしようとします。
この犬万は猫が夢中になるまたたびの犬バージョンのものだとナレーションが紹介します。
犬万があるとすべての犬たちが執着してその犬万を追うというのです。
そんなビックリする犬万とはどのようにして作られているかというと、その材料がビックリです。
犬万はミミズを干したものを丸めて作るというのです。
このナレーションを聞いて、本当に納得しました。
干されたミミズが特定の犬たちを魅了する姿をなんども見ました。
特に、七山校の庭では季節になると巨大ミミズがひからびて転がっています。
その干からびたミミズの上に体をこすりつける犬たちもたくさん目撃しました。
この行動は、干からびたミミズの臭いを自分につけるものですが、その執着の高さとこすりつけの動作を見ると「猫がまたたびに」というのと同じように見えて、まさに犬は干からびたミミズに夢中のようです。
もちろん、この干からびたミミズを臭ったこともあります。
いうまでもなくかなりの刺激臭です。
すべての犬がこの行動をするわけではありませんが、する犬には特定の気質や行動の特徴があります。
それを踏まえて評価するなら、これらの臭いつけは犬のカモフラージュ行動ではないかというのが自分の今のところの意見です。
白土先生の犬万の使い方とは少し異なるかもしれませんが、犬が魅了されるというところでは同じ意見です。
カムイ伝の著者の白土先生は、動物の行動についてたくさんの情報をお持ちであったようです。
それにしても、本当に忍者は干からびたミミズで犬万を作っていたのでしょうか?
犬万を武器に使うほど、犬という動物は能力があり存在の高い動物だったのでしょうか。
カムイが手にもつ犬万が巨大すぎて、どんなに臭かろうと可笑しくもなりました。
主人公の忍者カムイは、アニメの中では野山を自由自在にかけめぐるタフでカッコイイ存在です。
なにより裸足で歩いていることがうらやましいです。
干からびたミミズに体をすりよせる犬をみかけたら、そのかぐわしい臭いを嗅いでみてください。