結構大変な状況に追い込まれると、山を越さなければなかなか人には言えないこともあります。実は自分にもそんな状況が起きてしまいました。
最近、訪問レッスンに伺った生徒さん宅ではやっと自白できるようになりました。
実は、肋骨を骨折してしまいました。
筋肉痛だと思って放置していたのですが、咳をすると痛みが響くようになり明らかに異変を感じたためレントゲンをとると、すっぱりと骨折していたのです。
衝撃を受けた記憶はなく、疲労骨折というものらしいのです。
病院の先生には「大きな声を出しませんでしたか?」と尋ねられました。
大きな声ならよく出しています。
もう30年くらい出していると思うので今さらという気はします。
あとは老化という悲しい現象なのでしょうか。
肋骨の骨折は自然治癒しかないとのことでしたので、通常業務を続けてはいたのですが結構大変でした。
しかしこの骨折状態にいたり、普段は気づかぬことに気づいてしまいました。
肋骨を骨折した状態で家庭訪問レッスンに伺ったときに気づいたのですが、吠える犬の声がいつも以上に肋骨に響くのです。
かなりビンビンと響きます。
声の量で痛みを感じるほど響きが伝わってきます。
よく「胸に響く」という言葉がありますが、感動するというよりも音の振動が伝わるという意味で生理的にまさに胸に響きました。
音の高さによっても響き方が異なり、音の振動というのはすごいコミュニケーションになっているのだと納得した訳です。
つまり、犬が音を受け取るときにも同じように受け取っているのでないかと推測したわけです。
言葉の意味ではなく、犬の肋骨に響く音の振動を受け取ることで、それに応答する力が出てくるのではないかと感じました。かなり確信的に感覚を得ることができました。
動物は弱っているときは感性が高くなりますが、今回の自分の状態もまさにそんな感じだったのでしょうか?
折れた肋骨が周囲の環境の変化をいち早く受け取ろうとしたのかもしれません。
理由はわかりませんがとにかくよく響きました。
ということは、犬を制する声を出すためには、犬の肋骨に響くほどの音量は必要だということです。
犬に対して大きな声を出すのは、はしたないとか野蛮だという印象を持たれることもあります。
しかし犬は犬。
オヤツで吊り上げてさせるくらいなら、正々堂々と声を出した方がいいと思うのです。
それに、誰にでもできることではありません。
きちんと声を出せるということは、結構奥の深いことなのです。
折れた肋骨では声量のある声を出すこともできないですし、意志の強さも必要です。
さらに、普段は痛みが強いものの、レッスン中はほとんど痛みを感じていないことも不思議でした。
アドレナリンが放出されて痛みを押さえ活動が優位になるように体が調整しているようです。
こんな風に骨折から学ぶ日々が続きました。
こうしてブログに書けるようになったのは、どうやら山場を越したようだからです。
骨折部分の治癒には1ヶ月以上かかるとのことですが、医師によるとわたしは随分痛みに強いらしく、一般的な活動状態ではないらしいのです。
ということで、普通に活動していますのでご安心ください。