七山のオポハウスに2021年にはじめてやってきたニホンミツバチの養蜂活動についての報告です。
養蜂を初めてここ数年のニホンミツバチの分蜂について
昨年、一昨年と分蜂したニホンミツバチたち…というとネズミ算式に蜂箱が増えているイメージが浮かんできます。私たちも当初は「メチャクチャ増えるね~」と捕らぬ狸の皮算用的に妄想を膨らませてニヤニヤしていました。あれから3年がたちましたが、毎年分蜂を繰り返しているのにこの春の分蜂前の蜂の箱はたったの二つしかありません。
昨年、分蜂群のひとつはお世話になっている唐津市の生徒さんにお分けしたもののその群は夏に逃走してしまいました。
そしてオポハウスでも昨年のうちに二つの巣箱が何らかの原因で自然消滅もしくは逃走の結果、空き部屋となってしまいました。
昨年7月の線状降水帯による土砂災害の復旧のために時間と労力を費やしたため、ニホンミツバチのお世話が十分でなかったことがミツバチの消滅や逃走に影響したことは否定できません。
今年も分蜂群を確実に捕獲してここに住みついてもらおうと、いつ起きるか分からない分蜂を毎日観察しながらひたすら待ち続け、ついに5月16日に1回目の分蜂が始まりました。
巣箱1号機から始まった分蜂群は、巣箱の上から器具倉庫の上を通過してなんと、昼の移動の前で準備のために繋がれていた犬たちがいるオポ広場の入り口の木に球体を作り始めたのです。
慌てて犬たちを移動させるために行ったり来たりと走り回る私のあとを、私と同じように興奮して追いかけてくるヤギのゼット、そしてミツバチを捕獲するために巣箱や防御服を準備するダンナくん、とオポハウスは騒然とした状態になりました。
ニホンミツバチは一旦球体を作ると、その後予定していた分蜂先へと旅立ってしまうため、ここに居着いてもらうためには巣箱に強制収容するしかありません。
巣箱に無時に収納したためミツバチたちが落ち着くのを待ち、外出したダンナくんが夜に戻ってきて巣箱を移動させるということになりました。
分蜂した二ホンミツバチたちとの悲しい別れと新たな出会い
ところがです。この日の夜遅くに戻ってきたダンナくんが巣箱を確認したところすでに蜂たちは逃走していました。私が最後に確認したのは当日の19時ころ、うす暗い時間でしたがまだ巣箱の周りに飛んでいる蜂の姿を確認して居着いたと思い込んでしまったのです。
時間的にはもううす暗くなっており、日中にしか活動しない蜂が遅い時間に逃走するなどとは予測しなかったのです。
翌日の朝になって分蜂蜂が逃走したことを知ったため、裏の地神様の周辺は近くのお墓の裏、バス停、公民館、古い家と探し歩き、散策中にであったご近所の方にも「蜂を探しているんです。」と分からぬことを言って不思議がられてしまいました。
結局蜂は見つからずに2度目の分蜂を待つことにしました。
ですが、去ってしまった蜂たちが戻ってくることを少しだけ期待してキンリョウヘンのルアーを養蜂場の待ち受けの箱に取り付けておきました。
キンリョウヘンのルアーとは、ニホンミツバチの大好きなキンリョウヘンという花のフェロモンを人工的につくってプラスチックの箱に詰められたもので、養蜂家の中ではなくてはならない一品です。
「ニホンミツバチさんカムバック」というメッセージをラインで私からダンナに送った23日の日に奇跡が起きました。
ついに5月23日の昼に2回目の分蜂が起きたのです。
帰ってきた分蜂群と去って行った分蜂群?
2回目の分蜂の起きたときはオポハウスにダンナくんがひとりっきりでした。1回目の分蜂蜂の逃走の直後だったので気合が入っていたことは間違いありません。
2回目の分蜂蜂たちは例年通り巣箱の上の桜の木に分蜂球を作り始め、その分蜂を巣箱に移そうとキンリョウヘンルアーを付けていた巣箱をダンナくんがひっくり返した時です。
空箱だと思っていた巣箱から大量の蜂が上空に舞い上がり、すでに分蜂している蜂たちといっしょになってものすごい数の蜂が上空に舞った…というのがダンナくんの報告でした。
そうなんです。キンリョウヘンのルアーをつけていた箱に、逃走した分蜂一軍目の蜂たちが戻ってきていたのです。
すぐに状況を理解したダンナくんは、巣箱をもとに戻しました。
新しい巣箱をもってきて2群目を強制収容して、30分起きに巣箱を見に行ったそうです。
ところが結局のところ2群目は夕方には巣箱の中は空になったそうです。
「2群目はどこにいったの?」と納得のいかない私。
「分蜂する前の1号機に戻ったんじゃないかな。」と半分ごまかしながら私を納得させようとするダンナくんでした。
おそらく2群目は逃走したのだというのが結論になりました。
予測できないから面白い野生のミツバチたち
今年は1号機から2回の分蜂があり、確保できたのは1群だけという結果でした。養蜂といってもニホンミツバチは自然の生き物です。
どこに住むのか、どこで密をとるのか、どこに引っ越すのか、決めているのはすべてニホンミツバチたちなのです。
わたしたちにはどうすることもできませんが、もし蜂が離れていくとしたら何か環境が良くない状態へ移行しているのではないかと不安になるのです。
今年は生徒さんたちの協力でたくさんの紫陽花を植えました。
土砂災害のあとで土留めをたくさんしようと思ったからです。
でも同時に、紫陽花ならニホンミツバチの蜜源にもなるという思いもありました。
ミツバチが増えて受粉がすすみ花が増えてまたミツバチが増える。
そんな光景をこのオポハウスで見たくて養蜂を続けています。
もちろんときどきいただくハチミツが美味しいことは言うまでもありません。
感謝に感謝です。
ニホンミツバチは夏にも分蜂します。
これからも蜂たちの活動から目が離せません。
犬のことを学ぶグッドボーイハートがなぜ養蜂なのか。
犬も人も生物のひとつであるということを忘れないために、自然の中に様々な生き物が生きているということを忘れないために、その生物たちといろんな関わりがあるということを学ぶために、これからも養蜂を続けていきたいです。
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