グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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Monthly Archives: 9月 2022

グループトレッキングクラスを開催しました。“みんなでひとつ”がテーマです。

不安定なお天気の中で、今月もなんとか晴になったグループトレッキングクラスには神様がついているのかな。

グループトレッキングクラスが初めてのデビュー犬くんもお迎えして、元気に山歩きがスタートしました。


この日はお預かり犬が多くまだ犬たちの関係性も不安定な状態でした。

オポ広場をできるだけ安定した場所にしたいという願いから、トレッキング開始前の準備段階から私も生徒さんの犬たちのリードを一時的に借りて練習に参加しました。

練習内容はいつもの服従訓練です。

犬と規則正しい形で歩く、オスワリ、フセ、マテ、とまれ、などの基本形を繰り返すだけです。

ただ座ったり伏せたりするだけでなく、形がとても重要です。

オスワリのときに体重を落とす場所、フセのときに伏せる形と場所。

歩くときにどの位置にあるくのかなど、きちんとした服従訓練ができるということは犬が人に従う形になるということです。

いつも飼い主に従う関係が出来ていれば服従訓練などはとても簡単なものですが、飼い主に従っているようで従っていない犬はたくさんいます。

おとなしくいうことを聞いて問題のな犬でも、飼い主に従うということとはまた別のことなのです。

服従関係がきちんとできれば、マーキング行動がなくなります。


オポ広場でやってほしくなかったこと、それは犬のマーキング行動です。

マーキング行動をする犬は隙あらば飼い主から逃げます。

逃げても自分の都合で戻っては来る犬がほとんどですが、飼い主と一心同体の群れになってはいません。

飼い主に依存して逃げることができない犬もいます。

依存するタイプの犬たちの中にもマーキングで自己主張する犬がいます。

飼い主に依存はしても服従はしない、ルールは自分が作るから他の犬とうまく関係性を築くことができない。

「わたしがルール」の犬たちの世界も、このオポ広場ではいったんストップです。

朝から私の気合を感じて下さったのか、飼い主さんたちも頑張って下さいました。

今日はマーキングゼロを目指してのトレッキングクラス。

いつも以上にまとまりがあったと感じています。

トレッキングクラス後の対面クラスも盛り上がりましたね。




預かり犬たちのお世話のために犬語セミナーは来月に延期させていただきました。

おかげ様でたくさんの預かり犬たちのお世話が充実した一日となりました。

預かり犬たちを広場にフリーにしたときに、いくつかの犬がマーキングをした痕跡がわかりました。犬が反応するのですぐにわかりますね。

不安の要素を消すためにも、「みんなでひとつ」に近づける時間と空間を作ります。

お預かり犬たちから学んだことは、またブログでご紹介します。

時間がどんなにあっても学ぶための時間が追い付きません。

だからみなさん一緒に学びましょう。

Posted in クラスのこと

青年期の犬を成長させる機会を持とう!「年下がいるから成長できる」は犬も同じ。

犬は一歳になったらどのくらい成長しているの?

犬の成長はとても早く生後一歳半で、人でいう年齢の二十歳くらいにあたります。

体もある程度成長しきっていますし、精神的にも成犬と呼ばれる年齢になります。

ひとつひとつの個体がきちんと成長することで群れとなって社会活動が成り立つのが自然の中での犬としての動物の世界ですから、犬であればどの個体も「成長」を目指して日々を過ごしています。

人に飼われるようになってペット化が進んだ動物である犬も、動物としての犬の部分をすべて失ったわけではありません。

犬は考えて成長しているわけではなく、成長するのが当たり前の機能としてそうなっていくのです。

ところが、最近の犬たちはなかなか成長しません。

生後一歳半になっても「大人になったな~」と思える犬がなかなかいません。

むしろ、子犬になっていくというか、扱いにくくなったり、わがままになったり…。

行動学的にいえば、犬のストレス性行動が増えていったり、他の犬との社会的行動が不安定になったりといったことが起きるようになります。

 

子犬の出現に慌てる青年期の犬たち

分かりやすいのはその犬よりも年下の犬たちが出現してきたときです。

大体、一歳から一歳半になると子犬たちが散歩に出てくるようになります。

今までは、自分が一番下だった、子犬として可愛がられていたのです。

子犬だったから許されたこともたくさんあるのに、今度は違います。

子犬に対しては自分がお兄ちゃん犬、お姉ちゃん犬と呼ばれるようになるのです。

今までは年上の犬たちを相手にすれば良かったのに、自分が年上の犬として年下の犬に対して向き合わなければならないのです。

この年下の犬の出現が、青年期に入った犬に行動の変化を起こさせるきっかけとなります。

家庭で規則正しい生活をして、飼い主から愛情としつけをたくさん与えられた犬は、年下の犬が自分の前に現れても動じることはありません。

むしろ、年下の子犬との出会いがあることで、自分の立場や役割をわきまえる機会を得られます。

子犬だった自分、年上の犬ににおいを嗅いでもらったり、服従的にあいさつをしたり、飛んだり跳ねたり、飛びつこうとしたり、と興奮して接してきたはずです。

それが、こんどは一気に逆転。

自分に対しておびえるように近づく犬、興奮してとびつこうとする犬、礼儀もなく近づいてくる子犬たちを相手にしなければなりません。

ここでは、相手が子犬だということが重要なのです。

怯える犬、興奮する犬、礼儀なく近づく犬、これらの犬が成犬であれば、相手をしないとか遠ざけるとか、防衛することもできます。

でも相手が子犬であれば、排除することはできないのです。

自分の群れの犬でなくても、同種(犬)であれば一方的に攻撃や威嚇をすることは許されません。

同種の子供を攻撃しないという種の遺伝的な情報に従って、青年期の若い犬にも大人の犬としての対応を求められるのです。

 

子犬に対する青年期の犬の対応で犬の社会性を知ることができる

では、青年期の犬は子犬に対してどのような行動をするのでしょうか?

成熟した青年期の犬は、子犬のとびつきや甘噛みに対して辛抱強くかつはっきりとした態度で冷静に対応します。

もちろんまだ若いのですから大人の犬のように堂々とはいきません。

状況によっては、声をだしたり、飛んだり、身をかわしたりすることもあるでしょう。

そうこうしながら、大人の犬としても振る舞いを身に着けていくはずです。

逆に、成長が遅れている青年期の犬たちは子犬の出現に右往左往してしまいます。

右往左往とは行動ではなく自分の成長そのものが、という芯から揺らぐ状態です。

相手が大人のふるまいで自分を落ち着かせてくれていた環境から、相手が子犬で興奮して攻撃的に接してくるわけです。

青年期の犬であっても子犬に飛びついたり甘噛みしたりと子犬に戻ってしまう犬もいます。

子犬に対して牙をあてたり、吠えたりして子犬を遠ざけようとする犬もいます。

また子犬の対面でよだれを垂らすこともあります。

子犬との対面によって、今までとは見たことのない自分の犬の態度に驚かれることもあるでしょう。

子犬の我が犬は犬に向かって飛びついていったはず、犬が大好きだと思っていたのにそうではなかったと気付く時期にもなります。

 

犬と犬の関係性に飼い主が介入できること

犬と犬のコミュニケーション中に、飼い主はわが犬にどのようにふるまえばいいのかを教えることができません。

他の犬と対面させているときに「ああしたらいいのに」「こうしたらいいのに」と飼い主がやっきになってもそこでは全く無力なのです。

できるとしたら、他の犬に対して攻撃的な態度や消極的な態度がでれば、対面を中止させることだけです。

では、飼い主の存在は犬のコミュニケーション力を高めることができないかといえば、決してそのようなことはありません。

むしろ、飼い主が育てた犬が今のような社会性を持つことになったという自覚をまずもっていただくことは最も大切なことです。

その上で飼い主ができることは何かを現実的に考えていきましょう。

子犬との対面をする前に、日々の生活の中での飼い主の接し方や環境が犬の成長に影響しています。

生後3ケ月から生後6ケ月にかけての一番最初の発達期に飼い主が子犬を赤ちゃん犬として扱ってしまうと精神的な発達が遅れてしまいます。

遅れてしまった成長を取り戻すためには時間をかける必要がありますが、成長を諦めないということがなによりも大切でしょう。

年齢を重ねても子犬っぽい行動をする犬、赤ちゃんのように甘える犬は人から見ると可愛いと思われるかもしれません。

しかし、それが人として見た場合はどうでしょうか。

犬が年齢を重ねて大人の犬として成長し、頼もしく子犬を守ることのできるような犬に成長をするということは、飼い主とってのメリットではなくその犬自身にとってのメリットなのです。

自分の中に育つ軸のようなもの、しっかりとした幹を持つ犬の成長は、ますます楽しみです。

犬が本当に可愛いというのは、赤ちゃん犬としてではなく尊敬に値する愛おしさだと思います。

わたしたちヒトの方が時代と共に親元を離れる年齢が遅くなってしまったのかもしれません。

子犬と犬のコミュニケーション、次回の犬語セミナーで紹介します。

生後4ケ月の柴犬くんと1歳3ケ月の犬くん



 

Posted in 犬のこと, コラム

オポハウスリニューアル・足跡マークで一歩ずつ前進

七山の山の学校オポハウスの屋根のリフォームが終了しました。

屋根の面積は広いので綺麗な緑色が復活して、古いオポハウスがまあまあな感じに見えます。

そして、屋根には犬の足跡マークをつけました。

屋根を上って向こう側に歩いていくような感じにしてもらいました。

リフォーム中のオポハウス



完成はこちらです。

オポハウスにパウマーク



当初は横に歩いていくようなデザインにと思ったのですが、予算の都合でこんな風になりました。

空まで歩いていったオポの足跡みたいでいいかなと、十分に満足しています。

ペンキ屋さんありがとうございました。

そして山側にあがって後ろからオポハウスをみるとこんな感じです。

オポハウスの屋根にロゴ



オポのローマ字表記はopoとなりますが、デザイン的に英語ではいつもOPPOと書くようにしていたのでロゴマークとしてこちらで。

OPPOHOUSEとそのままなのですが、こちらはダンナくん(※私の主人のこと)のお気に入りです。

ダンナくんの店の名前が“オポ”なので、彼としては愛着のあるデザインになったみたいです。

それに、家の屋根に絵や文字をいれるなど、普通のご家庭ではなかなかできないことですからね。

 

足跡マークには一歩一歩前進の意味を込めました。

上に上に、前進していく。

飼い主の私はオポの足跡をトラッキングしながら犬のことを学び、さらに生きることにつていてもたくさん学んできました。

グッドボーイハートの生徒さんたちが、自分のパートナーの犬と共に成長していかれることを応援するのがグッドボーイハートのお役目です。

犬のとの暮らしはとても楽しい。

人にとっても、犬にとっても、ですね。

Posted in 日々のこと, 未分類

グループクラスと犬語セミナー開催のお知らせ

今月のグループトレッキングクラスと犬語セミナーは以下のとおり開催いたします。

犬語セミナーは2ケ月お休みをいただきましたので、気合を入れていきます!

どちらもご参加希望の場合には、事前にお申込み下さい。

・グループトレッキングクラス

9月25日日曜日 10時集合

・犬語セミナー

同日 12時~14時

参加料金 2500円

 

犬語セミナーは犬と犬のコミュニケーションを学ぶセミナーです。

身近な犬たちから学ぶことが効果が高いため、お預かりクラスやグループクラスで撮影した動画を教材として使用しています。

他にもみなさんのご自宅で起きてる犬の行動を撮影したものを常時募集しています。

犬語セミナーは犬の行動を自ら観察して分析するための手法を学ぶことが目的です。

繰り返し動画を見てスキルアップを図る機会として下さい。

私も毎回新しい発見があって楽しみにしています。


 

Posted in クラスのこと

犬の重大な問題行動も実は小さなことの積み重ねから始まる。

犬と問題なく暮らしていると飼い主たちには程遠いはずの犬の問題行動。

その犬の問題行動がまさか自分の犬に起きるとは、犬と暮したばかりの、もしくは犬を迎える前の飼い主には想像もできないでしょう。

犬の問題行動のご相談は、生後3ケ月とか生後4ケ月という子犬時期であることもあるし、8歳、9歳、10歳という犬ではかなりの高齢になることもあります。

問題となる行動の種類は、犬のもつそれぞれの犬種や性質といった個性によっても違いがありますし、むしろ飼い主の生活スタイルや生活環境によって習慣化された犬の飼育環境は犬の個性よりもずっと犬の行動に影響を与えています。

犬の飼育環境と飼い主の犬に対する接し方や飼い主と犬の関係性が犬の性質を育ててきたといっても言い過ぎではありません。

ですが、ひとつだけ絶対にどの犬にも同じだと言えることがあります。

それは、どんなに重大な犬の問題行動も最初は小さな問題から始まったのだということです。

飼い主に対してかみついたり、散歩中にリードをひっぱって興奮して人や犬に吠えたり、室内で来客に対して吠える、インターホンで興奮するなどいろんな問題行動がありますが、その問題行動にも最初があったはずです。

特にかみつき行動の場合には、最初は軽く人の手に牙をあてる、声をだして吠える、手をなめるといった行動や、人に対するとびつき行動といった行動で始まります。

この最初の人に対する自己主張の強い行動を見逃さずに対応しておけば、急に噛みつくような犬にはなりません。

しかもその行動は大体生後6ケ月くらいまでに出てきます。

犬の生後6ケ月というと犬の乳歯が永久歯に生え変わるころです。

犬の永久歯が生えるころには犬の顎は大変発達しています。

犬は動物を捕食する動物ですから、犬の牙と顎は動物を殺傷することに利用するために発達してきました。

生後6ケ月になり永久歯が生え変わった犬は、刀を腰に差している状態なのです。

その武器を自分が生きるためにも使うと同時に、群れを守るために使うという風に成長していれば問題を起こすような犬にはなりません。

生後6ケ月までを飼い主の甘やかしの中で育てられると、飼い主に対する主張をしたり飼い主は自分を守る存在ではなく自分よりも下の存在となってしまい、吠える、咬みつく、マーキングといった攻撃行動を周囲のものにするようになります。

自分の子供に対しても生じる「まさかうちコが…」という考えが犬の問題解決を遅らせてしまい、問題は悪化し手に負えない状態となってトレーニングスクールにご相談に来られます。

お伝えしておきたいのは、ドッグスクールに犬の相談をされることは決して犬を責めたり悪いと決めつける行為ではありません。

犬の吠える、かみつく、マーキングや破壊行動などはすべて犬のストレス行動です。

一番困っているのは犬自身であるということを理解してあげて、できるだけ早く専門家に相談してください。

飼い主としては「私が一番この犬のことをわかっている」という気持ちですから、相談するのに躊躇する気持ちもわかります。

初回の訪問カウンセリングのときに、飼い主さんが愕然とされる姿を今までなんども見てきました。犬のことをわかっていたつもりで全くわかっていなかった、飼い主さんがそう気づかれるからです。

気付かぬうちに犬の問題が大きくなって犬の精神が蝕まれてしまう前に気づいてよかったと思えるようになるのは、犬の問題に対して前向きに取り組んだ飼い主だけです。

そのうちよくなる大した問題ではないと、犬の叫びを聞こえないふりをして問題だけが膨らみすぎると解決できないばかりでなく、犬の体調不良にもつながっていきます。

犬のしつけは犬が来る前から始まっています。


 

Posted in 犬のこと