グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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Monthly Archives: 7月 2021

一度は死にかけた博多の庭に再び自然の命が戻ってきた!

先日、博多の庭の柵にツタが成長してはっているのを発見して凝視しました。

これ、どこかで見たことがある。

確か七山にも同じようなものがあったはず。

近づいてみるとそれはむかごでした。


昨年、七山の土を大量に博多の庭の畑にもってきたのですが、きっとその中に種が入っていたのでしょう。

博多の庭を自分と犬たちの癒しのために、できるだけ七山の自然に近いように変えていきたいと願っていたので、私にとってはビックプレゼントでした。

一度人工的になって自分の感性をゆさぶるようなものは何もなくなってしまった作られた庭が、どこにでもあった日本の風景のような庭になるまでには時間がかかります。

何十年もかかるかもしれないし、いつまでここに住めるのかどうかわからない、そんな理由はどうでもよいのです。

やっぱりチャレンジしてよかったと思いました。

結果がでないかもしれないことにチャレンジする精神を、いつ身に着けたのかはわからないのですが、じっとしてはいられない性分を役立たせるかどうかは自分次第です。

そして、すごいものを見たのです。

なんと、今年は博多の庭にトンボがやってきました。

あの博多のど真ん中にまだトンボという生物が存在していうことすら知りませんでした。

実は、人工的な庭であったときほど大量の蚊が発生していたのです。

自然の土を植えてから蚊が以前よりも少なくなったと感じていました。

いろんな生物が戻ってきて、いっしょにトンボもも戻ってきたのですね。

庭の手入れはまだまだ続くし、毎日の水やりも大変です。

七山に来ているときには庭が枯れてしまうし、小さな庭での戦いはまだ続きます。

それでもいいのです。

犬たちがこの庭に遊びにきて、草を食べて土を嗅いで遊んだり寝転んだりしているのを見るだけで、それだけで十分に癒されています。

博多の庭でかくれんぼする柴犬の小鉄くん



 

 

Posted in 日々のこと, 自然のこと

山で夏休みを避暑地で過ごす犬たち<お預かりクラス>

福岡も唐津市もついに酷暑がやってきました。

暑い夏の間を少しでも心地よく過ごせるようにと、数頭の犬たちが七山にやってきました。

旅行やお仕事の予定がなくても、犬が秘書を兼ねて山で涼しく過ごしてくれたらという飼い主の思いで預かった犬ちゃんもいます。

期待通りに七山のグッドボーイハートはとても涼しいです。

室内ではエアコンいらず、屋外でも木の陰では冷たい風が通り抜けます。

犬たちは朝晩は広場へのお散歩や、日中はそれぞれの木陰の場所に居場所を設けて土や草の上でゆっくりと過ごしています。

夕方になるとテラスの前は夕立の代わりに打ち水をします。

すぐに冷たい風が吹いて打ち水の効果も抜群です。

水を撒くと土が濡れて、犬は土の色になってしまいます。

犬が汚れることを考えると打ち水はなし、でも犬が気持ちよいことを考えると打ち水はありです。

土の上に寝転んだり、草の中に埋もれる犬の姿を見ると、気持ちよさそうだなと思います。

犬がこうして過ごす事を許してくれる飼い主さんに感謝しています。

いつも部屋の中で汚れたらダメ、抱っこするから土の上はダメ、草の上は汚い、といつもきれいにして過ごさなければいけないことは、犬にとってはストレスではないでしょうか?

土の上や草の上で過ごすことは犬にとって自然なばかりでなくメリットもあります。

その最大のメリットとは、犬の体にデトックス効果があることです。

下痢をする犬もいるし、目やにがでる犬もいます。

出始めると犬は活力があがり、動きが多少変わってきます。

体が変化し始めているのを見ている私は感覚的に受け取ることができるくらいです。

こうした変化が犬に起きるには4日ほどが必要です。

短期間の預かりでは実現できないのが残念です。

しかし今回の夏休みのお預かりは少し長めの犬が多くラッキーです。

肉体的にも精神的にも、デトックスは犬にとって良いことばかり。

都会でたまったいらないものはすっきりと絞り出してしまおうね。

まだあと数日、これからも山の匂いを満喫して過ごします。

Posted in クラスのこと, 犬のこと

暑い!夏場のクレート対策にはサーキュレーターが大活躍する。

例年よりは涼しいとはいえやはり暑い夏となりました。

この季節に心配なのは、クレートの中の温度のことです。

密閉空間となるプラスチック製のハードクレートの中は熱気がこもりやすく環境整備が必要です。

室内エアコンで部屋の温度を一定にさせることはもちろんのことですが、これではなかなか快適なクレート内環境が保てません。

そこで活躍するのがサーキュレーターです。

最近では手ごろなサイズ、価格、風量のサーキュレーターがたくさん出ています。

このサーキュレーターを利用してクレート内にゆるやかな風を起こすようにすると、クレート内の湿度は結構下がります。

ハウストレーニングのある程度進んでいる犬の場合にはカバーを外してクレート中に風が吹き込むように使用します。

まだハウストレーニングが始まったばかりでカバーを適切に使用したい場合には、カバーを大きめにかぶせて風がリサイクル状態で回るようにサーキュレーターを設置します。

心地よく風が入ると犬は落ち着てい眠るようになります。

ぜひお試しください。

Posted in 犬のこと

お預かりクラス中に犬たちの対面をさせつつ犬の社会性をみる。

今回の数日のお預かりクラスでは同犬種を4頭お預かりしました。

みな柴犬たちでした。

ここ数年爆発的に流行っているようで、これまでに柴犬を飼ったことがない人が飼われることも多いようです。

他にも、小さいころに屋外飼育で飼ったことのある柴犬を室内飼いとして迎えた方もいます。

また柴犬のマンションで飼育も今や当たり前になりました。

ほんの数年前までは柴犬といえば庭で飼うものだったはずなのですが、犬の環境は激変しているようです。

その時代の変化の中で変わっていく柴犬たちをお預かりクラスで同時にお預かりすると、いろいろと比較も見えてきます。

今回は同じような月齢の若い犬たちもいたので、一対一の対面の時間を作りながら犬に対する社会性のテストのようなものをやってきました。

数日の時間があったので、サイクルを変えたり環境を変えたり、回数が増すごとにどのような反応になるのかを観察していくのはとても楽しいことです。

長い間犬の仕事をしてきた甲斐があったからか、よく見れるようなったことと、感覚的に得られるものが多くなってきたからです。

ただ、この内容を生徒さんにお返ししようと思うと、なかなか思うようになりません。

一番は対面させているときにはビデオ撮影ができないことです。

両手にリードを持っていることもあるし、対面を制御するために両手を開けていたいという思いもあります。

毎度のことですが、誰かがビデオを撮影してくれないかと毎回思うのです。

携帯で撮影したビデオがありますが、一番大切なシーンは撮影できておらず本当に悔しい限りです。

かすかに得ることができた犬の動画をレッスンのときに見ていただき説明しますがそれでも不十分。

やっぱり犬のコミュニケーションを伝えるには犬語セミナーしかないなと痛感しつつ、こから準備に入ります。


 

Posted in クラスのこと, 犬のこと

グループトレッキングクラスを開催しました。

暑さのピークのトレッキングだったので少し心配ではありましたが、7月も無事にグループトレッキングクラスが開催できました。

さほど暑さもなく多少の虫の多さはありましたが様々な虫よけ用品が大活躍しました。

はじめてトレッキングクラスに参加してくれた犬くん。

まだ1歳未満と若さとエネルギーがたくさんです。


2回目の参加となる生後7ケ月の柴犬くん。

大人の犬に囲まれていつもよりおとなしいですね。

 


数回目となる犬くん。

山歩きのコツを覚え始めたくらいかな。


一番のお兄さん犬だけどこれだけ年下が増えるとちょっとプレッシャーなのか。


雄犬が多いので人気のある雌犬ちゃんはずいぶんリラックスだけど、

少しウエイトがあったかな。


この季節はなかなか大変なゴールデン犬くんだけど山歩きは得意中の得意。


いつも落ち着いている年長の犬くん。

お家では新たな変化があったとのことで何歳になっても成長するね。


小さいけれど自信がついてきたチワワくんはこの季節はたくさん動けます。


トレッキングクラスにどのような意味があるのかを説明するためにはとても長い時間がかかりますが、とても単純な活動なのにとてもシンプルでわかりやすい活動であることは間違いありません。

あまり深く考えずに、気持ちが良かった、楽しかったと思えるのだったらそれでよしです。

山歩きがきついと感じられる方や犬は、少しウエイトを下げるとよいと思います。

山が歩けるくらいの体重が、犬にとっても、人にとっても、程よい体重じゃないかなと思います。

来月もまたご参加をお待ちしています。

Posted in クラスのこと

福岡でグループトレッキングクラスを開催しました。

今年は例年より暑さは緩やかな気がします。

でもアスファルトとビルの谷間の気温は最悪です。

犬たちもエアコンの中でぐったりの日々。

そこで早朝トレッキングクラスを開催しました。

福岡の山に出かけたのですが、虫もいなくて風も冷たくて、少し汗をかくくらいでとても気持ちよく歩けました。

犬は休憩をたびたびはさみながら、水をときどき与えつつ、みな元気に歩いていました。

下の写真は最後尾の生徒さんが撮影してくださったもので、もう一頭がいっしょでした。

先頭が私と預かり中の犬くん



犬と山歩きするトレッキングクラスにときどき誤解が生じます。

それは、犬を山歩きを教えるためのクラスだと思われていることです。

でも違います。

なぜなら犬に山歩きを教えるということは、犬に匂いを嗅ぐことを教えるようなことだからです。

犬はもともと山を歩いていた動物なのです。

山は犬の里、人よりも山歩きができて当たり前です。

だから、犬が山歩きをすることを「おりこうさん」とほめる必要はありません。

それはむしろ犬のことをかなり能力の低い動物だと思っているということです。

「今日は山を歩くから私のお供をしてね。」と山のガイド役を頼むつもりで歩くことです。

犬の仕事は飼い主さんのお供ですから、山歩きをしている人の方がやる気をなくしてしまうと犬はなんのために歩いているのかわからなくなります。

コンクリートブロックで固められた地域を歩くことが犬は苦手です。

馴れた自分の家の近くならまだましですが、知らない場所となると脚がすくむこともあるでしょう。

ところが山の場合には、どんどん歩いていきます。

脚が勝手に進んでいるのではないかと思うほど自信を持って歩いているのだなということが行動を通して感じられるのです。

小さな犬も大きな犬も関係ありません。

今回は生後7ケ月齢の柴犬くんと3歳以上の成犬たちのグループトレッキングでした。

途中で対面のごあいさつも終え、クラスは終了しました。

今日は大暑。暑さはピークですね。

長い夏休みは犬となにしようかなとワクワクしてください。

折り返し地点で休憩中の飼い主さんとお供の犬たち



 

Posted in クラスのこと

ダブルスのパートナーが迎えた犬のパートナー☆あいちゃん

訪問トレーニングを受講して下さった生徒さんからいただいた【受講生の声】

今回はトイプードルのアイちゃんの飼い主さんからいただきました。

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コロナ禍の中、生後50日の小さなトイプードルを迎え入れました。

わたしは以前から「子育てを終え仕事も引退したあかつきには絶対に犬を飼うぞ!」と決めていたのです。しかしなかなか機会がなく月日が過ぎていきました。

しかし、時代の変化が後押ししたのか、予期せずにその時がやってきました。

みんなに愛されるように「あい」と名付けました。


いつかワンちゃんを飼ったなら、学生時代の友人である宮武先生(いつもはさっちゃんと呼んでいます。)にご指導いただこうと思っていたのです。

でも、ご時世的に自粛期間中ということもあり、子犬を飼いたいのだけどと相談をしたものの実際に会うことはできず。

「クレートあったほうがいいよ。」などのアドバイスをたよりに自分なりにネットで調べ、我流で子犬育てに邁進するという日々でした。


今時は何でもネットで学べて便利な時代だなぁと、それなりに犬育てが進んでいたと思ったのも束の間…

アイが生後8ヶ月になる頃についにギブアップする事態になってしまいました。

子犬のころはおとなしかった犬が、次第に散歩中に人、犬、自転車、バイク等への吠えが激しくなってきたのです。

特に家の近くでは前から歩いてくる人に向かって走り出しその勢いでリードが外れ、立ちすくむ人の周りを吠えまくる犬とそれを追いかける飼い主がぐるぐる回るというような、パニクリ事件が数回おきました。

ネットで紹介されていた様々な対処法はまったく効き目なし…。

がるがるの猛犬ぶりに散歩に行く事がストレスになってしまい、早速さっちゃんに正式にトレーニングを依頼しました。


電話で相談すると「私のやり方はチーチーパッパじゃないからね!」と言われ、どう厳しいのかとドキドキしましたが、それはさっちゃんの犬に対する熱量、本気度を感じ取ることで理解できました。

自分のやってきたことがことごとく間違っていたと指摘され、レッスンの度に衝撃を受けるも、目から鱗が剥がれような感覚でした。

それを主人にも伝え、今後の接し方を変えるよう協力を求めました。

撫でて抱っこして、癒されたいと思って飼ったのに、触っちゃダメなん!?

主人は「おれはあいちゃんの飼い主じゃなくて遊び友達でいいよ。」といいましたが、それが犬にとってはストレスになっているのであれば可愛いそうだということで、主人も納得し、一緒に生活環境や接し方を変えていきました。


レッスンは散歩中の問題だったので、散歩の練習がメインかと思いきや、8割方はあいとの服従関係構築のためのレッスンでした。

訪問クラスでいろいろなことを教えてもらいつつもなかなか問題の改善が見えなかった頃は、このコには精神的な障害があるのでは?と逃げ道を探している自分もいました。

しかし、レッスン後半の散歩の練習時に、一台の自転車に対しては吠えたのに、4台でくる自転車には吠えずにスルーしたのです。

「あいちゃんはパニック吠えじゃないよ。冷静に吠えるかどうかを判断しているよ。」と言われ、やはり問題は自分の飼い主としての力不足にあることを認識しました。

「1歳からでも全然遅くないよ。」という言葉に勇気付けられながら、途中挫折しそうになったりしつつも頑張って練習を続けました。

そして10回目のレッスンでは「まだ完璧ではないけど散歩中の興奮度も減ってきた。私があいちゃんをコントロールできるんだという自信がつき、リラックスして散歩ができるようになったよ!」と報告する事ができました。


レッスンを受ける前は人間目線でしか犬の気持ちを考えていなかったことに気づきました。

長い間、このコは生き辛さに耐えていたのかと思うと胸が痛みます。

最初からちゃんとレッスンを受けていればと悔やまれます。

でも私の場合さっちゃんが友達だったことで、回り道する事なく、ここにたどり着けたことはとてもラッキーでした。

学生の頃から頭脳明晰で思慮深く、視点が乙女的ではない会話が印象深く今でも覚えています。それからうん十年、経験を積み重ね、犬のみならず人をも惹き付ける素敵な女性になられたのですね。

毎日お忙しいと思いますが、これからも頑張り過ぎずに、ワンちゃんのキモチを飼い主さんに教えてあげて下さい。

私とあいも次は七山トレッキングデビュー!を目標にこれからは今以上のワンコライフを楽しみたいと思います。

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文章にもあるとおり、あいちゃんは私の大学時代のテニス部の同期です。

しかもずっとダブルスのパートナーを組んでいました。

テニスをされたことがある方ならお分かりのとおり、ダブルスのパートナーはお互いの息があっているかどうかがプレーに出ます。

犬のと暮らしもそんなものではないかなと思うのです。

例えばリードを持って散歩をしているときにも、相手の呼吸を感じながら一体感を感じながら歩くと、相手の状態がよりわかるようになります。

普段の生活の中では、「犬は何を考えているのだろう」といつも受け取りの気持ちを持って接していると真実はすごく見えてくるものです。

犬に対する間違いは最初から飼い主側が犬にしたいこと、犬にしてほしいことを決めてしまっていることです。

確かに犬は可愛がられるために生まれてきたのですが、それだけではありません。

犬は犬として生きていくために生まれてきたのです。

そして当然幸せになる権利を持っています。

大切なのは犬という相手に対するリスペクト、それがお互いの主従関係を作り上げていくのです。

私のダブルスのパートナーなど誰でも務まるものではありません。

彼女だったからこそパートナーになってくれたのだと思っています。

きっと<犬をリスペクトすること>これからますます深みにはまっていかれるでしょう。

訓練士になると決めていたあの青春時代から数十年、こうしてお役にたてて幸いです。


 

Posted in 受講生のコトバ

生後5ケ月の子犬たちの対面レッスンを開催しました。

今年は涼しくて気持ちがいい!と言えるのは山の方です。

日光が柔らかく風が冷たいので日中もなんとかしのげます。

そんな七山でトレッキングクラスを開催しました。

2頭の生後5ケ月齢ほどの子犬たちです。

飼い主さん同士がお知り合いだということで、子犬を対面させることになりました。

他の犬に会うということは子犬を緊張させます。

特に緊張感が高いのはご家庭での生活環境がまだ整っていないときです。

ある程度家庭での生活が落ち着いてから対面させた方が良いのですが完全に落ち着くのを待っていると子犬は成犬になってしまいます。

そこで今回の対面の機会となりました。

犬と犬を対面させるときのルールを説明する。

犬同士の状態を確認しながら接触をさせる。

そのときの犬の行動について飼い主に説明し、犬がどのような状態であるのかを理解していただく。

これが対面クラスの目的です。

行動は一瞬にして終わってしまうので細かいシグナルを見分けることは難しいのですが、ある程度の犬の大きな動きだけでも、犬の状態を説明することはできます。

犬はただ遊びたいのではありません。

犬は自分の安全な居場所に関心があります。

それが相手とどのように変化していくかに関心があるのです。

犬が飛び跳ねているのを見て遊んでいるとだけ思わずに、犬は遊びを通して何を学んでいるのかを考えていくと面白くなります。

人側は面白く観察が続き、犬にとっては人の理解が進むことで社会性が発達します。

こうした対面を細かく見ていただくのが犬語セミナーです。

コロナ禍で今は開催しておらず、オンラインでも開催したいと思いつつも知識も技術もおいつかず実現できていません。

何か新しいことを始めるというのは活力が必要ですね。

犬たちの新しい出会いにもかなりのエネルギーが投入されたようです。

対面後はいっしょにトレッキングに行きました。

これから仲良くなりそうで楽しみですね。

先輩犬たち、よろしくお願いします。

Posted in クラスのこと

【愛玩犬】と【赤ちゃん】犬は全く別物だということをご存じでしょうか。

先日のブログ記事で平岩米吉先生が書籍「犬の生態(築地書籍出版」の中で「犬の用途と種類」について紹介されていることを書きました。

その「犬の用途と種類」の中に【愛玩犬】という種類があることもご紹介しました。

平岩先生の【愛玩犬】について記されたことをここに引用します。

愛玩犬(あいがんけん)

どんな犬でも家族の一員として飼われている以上、愛情の対象にならぬものはありません。しかし、一般には、他に重要な役目もなく、ただいつも飼い主のそばにいて、そのさびしさや退屈をまぎらわらす遊び相手となっているものと、特に愛玩犬と呼んでいます。

したがって、愛玩犬はほとんど小型で、優しいものか滑稽なものに限られ、プードル、ポメラニアン(肩の高さ10センチ)、ペキニーズ、(肩の高さ10センチ)、チワワ(体重一キロ)、狆といったようなものになります。

もっとも、なかには、ボルゾイのような大型のものでも本来の猟犬としての使命を失い、その美しい姿だけをあいされるようになったものもないではありません。

犬の生態 平岩米吉先生著書 より引用

犬が人のそばで役割を持っているとすれば、愛玩犬もまた役割を持っているということであり、その内容なここに書いてあるとおりです。

飼い主のさびしさや退屈をまぎらわすためにいるというのは、実際のところ事実であると思います。

犬がかわいいからそばに置いておきたいという人側の都合は、結果として人の気持ちを救ってくれる存在となっているのは、どなたも認められることですし、それは間違っているとは思いません。

むしろ、人の寂しさをまぎらわすために人のそばにいてくれる動物として犬に感謝すべきだと思います。

ただ、大きく間違っていると感じるのは、愛玩犬と赤ちゃん犬を混同していることです。

平岩先生のいう愛玩犬とは、犬としてきちんと成長した小さな犬や姿の美しい犬のことです。

ところが、今たくさん見られる犬たちは愛玩犬ではなく赤ちゃん犬です。

赤ちゃん犬とは、すぐに吠えたり、トイレを失敗するのでおむつをしていたり、散歩中におもらしをします。

赤ちゃん犬は飼い主がいなくなると騒いだり、留守中に家具をかじったり、布を噛んでひきちぎったりします。

赤ちゃん犬は、すぐにキュンキュンというし、飼い主に飛びついてきます。

赤ちゃん犬は、嫌なことがあるとすぐに唸るし、かみつくこともあります。

赤ちゃん犬は、他の犬たちと上手なコミュニケーションがとれず、走り回ったりするけれど普通に会話ができません。

とりあえず赤ちゃん犬は赤ちゃんなので、人のいうことはききません。

つまりはしつけができるような状態にありません。それが赤ちゃん犬です。

愛玩犬として育てるのであれば、きちんとした犬に育てなければなりません。

赤ちゃん犬として扱われている犬は、成長する機会を与えられることがなく、ひとつの犬格として尊重されていないのです。

飼い主としの責任は犬を愛しかわいがることですが、犬を育てることもまた飼い主としての役割です。

平岩先生が現代の小さな犬たちの行動を観られたら、どのように評価されるのかと思います。

愛玩犬でもいいのです。人を救うすばらしい役割だと思います。

立派な愛玩犬に育てていきましょう。

山岳犬・番犬を務めるきいろちゃん



 

Posted in 本の紹介, 犬のこと

犬が人と暮らす本来の役割って何だろう。

古い書籍を見直すと当たり前すぎることなのに新しい感銘を受けることがあります。

今回は平岩米吉先生の「犬の生態(築地書館発行)」の中に思うことがありました。

犬の訓練士になりたいと思った中学生か高校生の手にした本で、当時の私にとってのバイブルでした。

人はなぜ犬を飼うようになったのか?

犬の歴史について考えると「犬はなぜ人と暮らすようになったのか」という疑問がわきます。

犬側からは答えが難しいなら人側から考えます。

すると「なぜ人は犬を飼うようになったのか」という疑問に変わります。

犬があたかも自分の意志で人のそばにいるように考えがちですが、犬は馬と同じように人に飼われることになったイヌ科の動物なのです。

犬に飼われていない遺伝子学的に一番近い動物は野生のオオカミということになりますね。

人が犬を飼うようになった理由は、犬の習性を人の生活に利用する価値があったこと、そして、犬が人に馴れやすく人の言うことに従う動物であったことです。

では、人は犬の中にどのような価値を見出したのでしょうか。

犬にはどのような仕事があったのか?

犬の利用の価値は犬の従順さと高い適応性によって幅が広がり、犬は実に様々な仕事をして人を助けるようになりました。

人は犬を様々な用途で利用したのです。

犬の用途」とは犬がどのような仕事に割り当てられるのかを言います。

冒頭の書籍「犬の生態」の中には「犬の用途と種類」という章があります。

犬の用途の表には犬種ごとに用途別の名称割り当てで記載されいています。

猟犬

番犬

闘犬

そり犬

愛玩

牧羊犬

軍用犬

競争犬

救助犬

警察犬

水中作業

とこんな風にあります。

例えば柴犬の欄には「猟・番」

ゴールデンリトリバーの欄には「猟」とあるのです。

現代の犬たちはどんな役割を持っているのだろうか?

しかし、ゴールデンリトリバーを猟犬として飼っている方はほとんどいません。

さらに、柴犬を番犬として飼っている人もかなり少なくなりました。

では、現在では犬たちは何かの役割を果たしているでしょうか?

今や身近な犬は猟犬ではない、番犬ではない、この犬たちは家庭犬だと言いたいところです。

しかし平岩先生の「犬の用途の種類」には家庭犬という欄がありません。

一番近いもので「愛玩犬」という種別はあります。

でも家庭犬と愛玩犬は違いますね。

家庭犬とは実に曖昧な言葉ですが、人が飼う犬はすべて家庭犬です。

飼い犬という言葉が否定的にとらえられるようになったため、愛護の観点から飼い犬を家庭犬と言い換えるようになっただけなのです。

では、みなさんの家庭犬は愛玩犬ですか?

私と暮らしていた犬は番犬だった。

私も犬と暮らした経験があります。

小学生からお勝手の横に犬小屋があったシロ。

シロは立派な番犬でした。

中学生のころからいっしょに暮らした柴犬の名前はコニー(洋犬の名前ですみません)

コニーもまた番犬として、そして室内ではネズミを追う猟犬として活躍しました。

訓練士になってから迎えたラブラドルリトリバーのオポ。

オポは番犬として非常に力のある犬でした。

テリトリーの番犬、そして私自身のガードドッグでもあり、七山ではガイドドッグとして活躍していました。

どの犬たちもとても優れた番犬で、役割を果たしてくれたことに感謝しています。

そして同時に、彼らは私の家族の一員でもありました。

当然のことながら愛情を注いでも注ぎきれないほど大切な犬たちでした。

終わりに…犬の用途は犬の能力だと思う

犬をただかわいがるものだと思っている飼い主さんにはなじみのない「犬の用途」という言葉に抵抗を感じられる方もいるとは思います。

しかし、犬が人にとって役立ったという歴史があることが前提で今の犬たちはこうして私たちのそばにいるのです。

そしてその人にとっての用途は、犬にとっての役割であり、そこには働く犬たちの姿がありました。

ところが現在、人と暮らすほとんどの犬の用途は「愛玩」になっています。

ただかわいがるための存在、それが「愛玩」なのです。

能力の高い犬たちに役割がないことは彼らの生きがいにもつながりません。

犬の用途という言葉、私にとっては犬の能力と置き換えることができます。

犬は優れた、素晴らしい動物なのです。

彼らの人生の中で、その役割を発揮させてあげてください。

Posted in 犬のこと