新型コロナウイルスが変異して広がっていくこの世界で、私たち人の生活様式にも変化が求められている気がします。
ウイルスなど日常的にどこででも接触するものなので、ウイルスを全く排除してしまいという発想が自分の中にはありません。
ウイルスと私たちヒト科ヒト属の歴史を知りたくていくつかの本を読みました。
その中のひとつが「感染症と文明ー共生への道」著者は山本太郎氏です。
2011年6月の初版された本ですが、2020年4月には増刷されています。
新型コロナウイルスの広がりを見せた昨年に相当の方がお読みになったのだろうと推測します。
私が山本先生のこの書籍を読み最も強く思ったは、ウイルスによる感染症をひろめっていった動物を最初に挙げるとしたら、それはやはり人であるということです。
ヒトという動物ほど地球の中を移動する動物はいません。
未開の土地に住む原住民が、次々とヨーロッパからやってくる人による感染で倒れていく姿がありありと想像されました。
文明の進化によって感染は一気に広がったのです。
今ではその文明の進化が足かせとなり、今度はウイルスの蔓延を抑えるために、文明の道具である「移動」に制限をかけられることとなっています。
私たち人の招いた結果、おそらく多くの科学者がこうなることを予測していたとは思いますが、だからといって進化を止めることができないのもまた人です。
犬に思いをはせると、こうした進化しつづけることに執着しなければいけない人という動物と共に生きることになったために、彼らもまた多くの感染にさらされてきたといことです。
そのため今は犬のワクチン接種は9種という膨大な数に上っています。
この数がもっと増えてしまうのではないだろうかと思います。
ウイルスや細菌が全くなくなってしまうことはない「共生」するしかないのだと誰でもがわかることなのにその「共生への道」がわからずに現在右往左往しているのが今の私なのです。
本書には山本太郎氏がこのように記されていました。
「共生とは、理想的な適応ではなく、決して心地よいとはいえない妥協の産物なのかもしれない」
同じ言葉をあとがきでも記されています。
「決して心地よくない妥協の産物…」
これこそ犬が現在、私たちの足元で人との暮らしの中で抱えている共生への道にも通じるのではないでしょうか。
ウイルスとの共生
犬との共生
犬にとっては人との共生
山本先生は「共生なしくて、私たち人類の未来はないと信じている。地球環境に対しても、ヒト以外の生物の所作である感染症に対しても。」と言われます。
「決して心地よくない妥協の産物」は人と暮らす犬だけに課されるのではなく、
犬と暮らす人にも課されるのだと思います。
お互い様とはいきませんが、相手を理解する努力だけは忘れずにいたいとこれからも勉強します。
とりあえず免疫力をアップさせるには太陽に当たることというのは動物の基本です。
気持ちの良い季節です。
密にならぬよう太陽の下で遊びましょう。