グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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Monthly Archives: 1月 2021

格闘家の飼い主さんと格闘家のダンナくんの間に割り込む本家格闘家「?」を愛する私の意見

先日グッドボーイハート七山に通学レッスンを受講するために来てくださった生徒さんと私のダンナくんと私の三人でディスカッションになりました。

テーマは「ザ・格闘」。

なぜならその生徒さんは格闘技の現役の先生で黒帯の強者。

対するうちのダンナくんは自称格闘家で格闘技のことを話し出すと体も動き出すほどの本物。

この二人の格闘家の「格闘」の話を横で聞きながら横から突っ込みをいれる私がいました。

格闘家の二人に言わせると「格闘技は構えの段階で相手がどの程度かわかる」とのことなのです。

それなら犬も同じことです。

犬だって相手を目の前にすれば相手がどの程度かわるし、賢い犬なら勝ち目があるかどうかも分かります。

いつもリードをつけられていて勢いだけあるのに本気でやりあったことのない弱い犬は、本当は弱いのに自分は強いと勘違いしていることもまれにあります。

そんな犬にも本気で向き合い続ければしつけの細かいテクニックなどある程度あれば十分です。

ところがこの二人の格闘家のどちらもが、小型犬にとびつかれ、なめられるという状態なのです。

私から「すきがありすぎる」「構えがたりない」と叱責されてしまう格闘家たち。

ダンナくんの言い訳によると「それはね、構えてないからだよ!」とのこと。

なぜ構えないのかと尋ねると「だってかわいいから…」というのです。

そして続けていうにはこうでした。

「相手を倒していいというのならいくらでも戦える。

だけど相手をいなして収めるとなるとそうはいかない。

相手をいなして収めるためには相手の3倍以上は強くなければならないから…」

ということでした。

ここでいう「いなす」とは犬の世界の「服従関係を結ぶ」という意味です。

決して力で服従させるということではありません。

犬と対立してやっつけるならすごく簡単。

でも犬が自分に服従したいと思うかどうかとなるとそう簡単ではありません。

なぜなら犬こそ本物の格闘家の末裔だからです。

山の中に暮らす犬などスキなどあればいつなんどき誰にやられてしまってもいいような状態です。

食ったり食われたり、争ったり奪ったり、この繰り返しが自然の中ではいつも行われています。

人は囲いの中で家畜を育て誰とも争わないのようなふりをしています。

でも犬の血の中に流れているのは「やんのかおら」の世界なのです。

その格闘家の末裔の犬が従っても価値があるという人間になりたいのならすごく強くなければいけません。

その強さは犬を叩いたり殴ったり痛みを与えることではありません。

動物として自制がきき、精神力が強く、忍耐強く、賢く、強靭な犬からみて「こいつなかなかやるな!」と思わせるような人であるときに犬が従う価値があると判断するのです。

食べ物を与えたり、頭をなでてあげるだけでは犬は安心しません。

犬こそ本物の格闘家として、あなたのスキを見破るのです。

今日もとびつかれたら「スキあり!」ですよ。

押忍!!

Posted in クラスのこと, 犬のこと

50歳までにしたいこと「自然の中に移住すること」だって。

少し前のブログ記事で芸人のヒロシさんの「ソロキャンプ」の動画を見た感想を掲載しました。

ネットの検索で連動したのか、ヒロシさんのお誕生日が23日ということでコメント掲載された記事が舞い込んできました。

今年49歳になるヒロシさん、ソロキャンプの様子を動画配信していますが本当に自然と一体になるのを楽しんでいる様子が動画かた伝わってきます。

そのことがまた人を引き付けるのだと思います。

インタビュー記事にはこうありました。

「死ぬまでにしたいのは自然の中に移住すること」

でもとても現実的なヒロシさんはこうも語られたらしいです。

定年を迎えて自然暮らしをする人が多いけど、失敗してる人も多いらしくて。体と気持ちが若いうちじゃないとキツイだろうと思うので、50歳までに実行したいです。(日刊ゲンダイDIGITALより引用)

浮足立ってないヒロシさんの魅力が伝わってきますね。

週末ことの自然の中での時間は、ずっとつながっていって自然の中に暮らすというところへ行きつくことなんですね。

大金を手にしたけど自分には合わなかったと執着せずにすぐに自分に合った生き方を選択できるなんて素敵ですね。

世界の見え方も変わってこられたでしょう。

私も山暮らしをオポという犬と体験しました。

ヒロシさんみたいに達観した状態ではないので右往左往の大変な山暮らしでした。

しかし、大変だったからこそオポという犬のことを「さすが犬。わたしたちとは違うのだ。」と一層尊敬の気持ちを持つことができたのだと思います。

今はまた仕事のために福岡と山を行ったり来たりする生活をしています。

福岡の訪問レッスンで犬のしつけ方を学びたくてグッドボーイハートに連絡してくださった生徒さんと犬がいっしょに山を歩きながら自然といっしょになる姿を見るのが私の楽しみです。

40代のときに夢だと思っていたことは今目の前にあります。

さて次の夢は…。

グッドボーイハートのトレッキングクラス2021年1月



 

 

Posted in 自然のこと

週末はグループトレッキングクラスを開催しました。学びも気づきもたくさんでした!

天気予報をにらむ週末となりました。

大雪で変更になったグループトレッキングクラスですが小さな霧の中で開催できました。

お天気にもひるまず集まってくださった生徒さんたち、それぞれに学びがあったようで良かったです。

 

初めての多数のグループトレッキングクラスに参加した犬の飼い主さん

「思った以上に犬たちの中で落ち着いていたのはなぜですか?」

プライベートトレッキングクラスで犬のリード持ちのコツをつかんだ生徒さん

「今までずっと犬に引っ張られていたと思っていたけど、引っ張っていたのは自分の方でした。」

他の犬に興奮してしまいやすく落ち着きをなくしていた犬の飼い主さん

「他の犬たちの中で安心して過ごせるようになったと犬の変化がわかりました。」

 

それぞれに自分の犬や自分の行動の中に変化を見つけて気づき、それが成長の変化なのだと喜びを感じられます。

久しぶりにトレッキングクラスに参加した生徒さんは「自分のことでいっぱいいっぱいだった…」とここにもまた気づきが生まれます。

犬との山歩きですから「安心して気持ちよく自然を感じることができる」ならそれで充分なのです。

でも回数を重ねてグッドボーイハートで学んでくださる生徒さんたちの中にはもっと深い学びや気づきがたくさん生まれているのだと知ると本心からうれしいのです。

今まで暮らしていた犬とは何かが違う。

今まで自分が犬に思ってきたことが全く違う。

公園を歩いている他の人と犬を見て「あれ?」と思うようになった。

などみなさん一歩も二歩も進まれてこられましたね。

 

午後からは今日はじめて七山のグッドボーイハートに来たという生徒さんも。

いつになったら山歩きできますか?

トレッキングって道具がいりますか?

とまたこちらもフレッシュな質問で楽しそうです。

 

犬との暮らしとは楽しむものです。

でも、人間だけが楽しいのでは犬は人を喜ばせる道具でしかありません。

犬も生きることを楽しんでいるでしょうか?

もし犬が生きることを楽しんでいないのであれば、犬にとって必要なのは何でしょうか?

余裕があったら考えてほしい質問です。

 

来月のトレッキングクラスの日程も決まりました。

ご参加希望の方は直接お問い合わせください。


写真はインスタグラムにたくさん掲載しました。

こちらからどうぞ↓

グッドボーイハートのインスタ



 

Posted in クラスのこと

犬のことを「舐めんなよ」!【後編】

このブログ記事は以下の記事の後編です。

犬になめられて喜ぶ皆さん、犬のことを「舐めんなよ」!【前編】

 

今となっては動物虐待になりそうな“舐めんなよ猫”

「なめんなよ」というセリフで学ラン(男子の学生服)を着たバンド姿の猫を思い浮かべる世代もいるでしょう。

当時は犬にしか関心がなくほとんど見向きもしなかったこのキャラクターですが、もし今あのキャラクターが登場したら動物虐待とみなされそうなそんな無理やりな方法でした。

あのようなものがまかり通った時代なのだから、動物に対する理解など広がるはずがないという時代もあったのです。

ようやく、動物の習性と行動を正しく理解できる謙虚さが日本人にも身につきつつあるようなので落ち着いて「犬の舐める行動」について考えてみましょう。

 

犬が人の口回りをなめるのは「ごはんちょうだい」だけではない理由

犬が人をなめるときにはその部位によってメッセージもいろいろあるというお話を前編で紹介しました。

犬が人の口の周りをなめるときには、食べ物を要求する行動だというのはよく知られています。

子犬が親犬に対してする行動で、人に飼われるようになった子犬にはよくある行動です。

このかわいらしいと思える口回りをなめる行動も、ただかわいいだけでは収まりません。

犬は飼い主の口回りから顔全部をなめるようになります。

その行為と直接的に関連はしなくても、飼い主は子犬に食べ物を与えて育てます。

子犬の要求に応じた形で食べ物が提供されることが続きます。

そのうちに子犬は乳歯が抜けて成犬(おとなの犬)になります。

それでも成長した犬は飼い主の顔をなめて食べ物をもらう行為を続けます。

犬の精神構造の中では自分はまだ赤ちゃん犬であり、飼い主に要求する関係が有効なのだとなっていくわけです。

これが犬の未熟性を強めてしまう理由になります。

食べ物を要求してもらう行為はエスカレートしていきます。

犬にとっては自分が要求したら簡単に答える相手がそばにいるのですからこの関係性を継続させることしか選択肢はありません。

犬は成長して成犬となり吠えたり噛んだりできるようになると、泣きと脅しの両方を使って自分の思い通りに餌を出す人間を育て続けます。

ごはん要求の口舐め行動はとても分かりやすい犬と人の関係性の発展なのです。

ところが、この口舐めはこれだけでは収まらなくなります。

 

犬が舐める行動のもう一つの犬語とは?

犬のえさを要求する行動だった口舐めとは別にもう一つの犬が舐めることの意味があります。

その意味は母犬が子犬を舐め回す行動から起きています。

母犬が子犬を舐める行動は、自力で排泄ができない生まれたばかりの子犬の便は尿を舐めて刺激して食べるという行動から来ています。

母犬は子犬の排泄のお世話のために子犬を舐めると同時に、それ以外にもよく子犬をなめます。

子犬を舐めることで自分の匂いを子犬につけて「これは私のもの」と分かりやすくするためなのです。

母犬の匂いを子犬に覚えさせることにもつながりますね。

犬がなめる行動の意味には「それ、わたしのものよ!」と主張するときです。

例えば、テーブルにちょっと見えているパンのはしっこをペロリと犬になめられたことはありませんか?

それは「このパンわたしのものよ!」と主張する行動です。

なめたものを自分のものだという、それは他者にも通じるのです。

自分の唾液をつけたのだから「あなたは私のものよ」と言われるのがうれしいと思うこともあるでしょう(人間の世界にありがちですが…)。

でも言い方を変えれば「お前はおれのもの→だから言うことをきけ」となるわけですから、そんなに簡単には済まされません。

 

犬が人をなめる行動もまさに「舐めんなよの世界

そこで犬が人をなめるという行動を許す、いやもしくは歓迎することが継続すると、飼い主は自分が犬の所有物であるということを認めたことになります。

喜んでいる場合ではありません。

犬によっては自分の好きなように使う、つまい場合によっては飼い主は犬の舎弟(グループの中での弟分という感じ)ということです。

犬からするとお前は俺になめられるようなもんだ、だから黙って俺の言うことを聞けと。

犬の方はちゃんと理にかなっていて、時間をかけて築き上げてきた飼い主との関係性です。

ところが飼い主の方は、自分に甘えている犬がちょっと要求していたかと思うと、次の瞬間にはがるがると威嚇をしてくるのですから「なぜ?」と戸惑ってしまうのですね。

でも間違えているのは犬の方ではなく人間の方なのです。

犬はちゃんと犬の世界に通用する筋の通ったコミュニケーションで人に接しています。

「なめられる」とは文字通り、犬の世界でも「なめとんのか?」の「なめる」なのです。

さて、目の前にいるあなたの犬を見てください。

あなたの犬はあなたをなめてかかっているでしょうか?

自分をなめる犬のことがどうやっても天使にしか見えないという場合は、犬が吠えたり噛んだりしても仕方なしとしてすべてを受け入れる覚悟だとは思います。

でも犬の方は本当にそれで満足なのか…。

ここからはご自身で考えてみてください。


 

Posted in 犬のこと

ヒロシのぼっちキャンプの番組を見てやっぱり「キャンプには犬」ということ

ヒロシさんのぼっちキャンプ番組を見た

お笑い芸人好きのダンナくんが「勉強のために」と録画してくれていたヒロシのぼっちキャンプという番組を見ました。

コロナ禍でブームになっているらしい三蜜にならない「ひとりキャンプ」をいち早くやっていたのが芸人のヒロシさんだとききました。

自分の山を買う前のヒロシさんのキャンプ、それから自分の山を購入したあとに自分の山でするキャンプまでの番組を一気に見ました。

山暮らしとか山歩きでもないし犬も出てこないただのキャンプですが、自分の山を購入してまで大切にしたいヒロシさんのこだわりの時間については伝わってきました。

私にとってはあまり印象の低い芸人さんだったのですが、こんな一面があったのだなとかなりイメージが変わりました。

 

犬とのキャンプのおすすめ

犬との山歩きと同時に、犬とのキャンプもおすすめしています。

まずは道具から入らないと気が済まない方や、こだわりたい方、

あまり歩きたくないけど自然の中で過ごしたい方には「キャンプから始める」のもまたおすすめです。

ヒロシさんが使っていたフェンネルの小さなランタンや火吹き棒、飯盒などはザ・キャンプって感じでよいですよね。

もしかしたらヒロシさんはそのうちに犬を飼うかも…などと想像しました。

キャンプなどの屋外活動は犬がいることのありがたさを一番感じられるからです。

特に昼間の山歩きよりも、夜を過ごすキャンプの方が犬の役割は発揮されます。

犬と暮らす皆さんならその答えわかりますよね?

 

キャンプの時に犬としての役割を発揮する犬

そうです。野生動物の気配をいち早く人に知らせてくれる、それが犬の役割です。

野生動物が近づいてくると「ウー」と小さな声で唸って飼い主に知らせます。

姿勢は動物のいる方向を見て、体を低くして、あそこに敵がいますよと教えます。

その後は飼い主がどうするか、犬は人の指示を待ちます。

おっと、この犬の行動は理想的な行動ですが、すべての犬がそうするわけではありません。

飼い主を守ることを自分の役割とする犬、飼い主とひとつの群れであると自覚できている犬、こうした犬はキャンプで理想的な行動をします。

でもそうでない犬もたくさんいて、キャンプ中にバーベキューの肉を横取りしたり、シュラフに潜って寝てしまうかもしれません。

もしくは野生動物の気配にびっくりして山に走り出すかもしれませんのでご用心ください。

本来なら小型のテリアでも番犬としてずいぶん活躍したものです。

キャンプをするならいつか犬たちに活躍の場を与えてくださいね。


テント場でのオポ

Posted in 犬のこと, 自然のこと

トレッキングクラスで犬と一緒に山歩きしながら冬を体感しました。

七山の様子を気にされているみなさん。

ちゃんと山歩きできているお知らせです。

週末も早朝からプライベートトレッキングクラスを開催しました。

家の周りには溶けきれない雪が残っているものの、山の方には雪がありません。

森林の間の方が木々に守られているため暖かいのか、吹きさらしの木のない庭の方が雪解けが遅いようです。

今回の雪景色にインスタグラムでは普段はメッセージをやり取りしないような方からも「福岡?」「唐津市ですか?」とコメントをいただきました。

七山は唐津市内ですが、ここ七山の池原という地区は本当に谷間なんです。

ジブリのお好きな方ならナウシカが飛ぶ風景を想像できるくらいの谷です。

風が通るのですべてが凍り付いていきます。

そんな池原の冬も積雪は3回くらいです。

4日もすると元の風景に戻って日常がかえってくるのです。

そしてノーマルタイヤの福岡の皆さんもトレッキングクラスを再開します。

冬の山はイノシシの往来も激しく、山歩きする犬の鼻先はなかなか地面から離れませんね。

これもまた冬の風景と楽しみながら、犬と共に冷たい風を感じて体をいっしょに動かして、自然の中を歩いて…。

犬と一緒にすることでこんなに楽しいことはありません。

だからこそトレッキングクラスを犬と暮らすすべての皆さんに体験してほしいのです。

今年もいっぱい歩きますよ。

ダイエットにもなりますよ!

Posted in クラスのこと

犬になめられて喜ぶ皆さん、犬のことを「舐めんなよ」!【前編】

先日のブログ記事の続きではありません。(犬の社会化の話題少しお待ちください…)

今日の話題は犬の「なめる」という行動についてとりあげます。

 

犬になめられたら私のことが好きなのか?

非常に多くの人は犬に舐められたら自分のことが好きだと思うでしょう。

これはよくある「犬に対する誤解」です。

多分ですが「犬が尾を振っているときは喜んでいるとき」といった曖昧な情報の広がりによって知られていることと同じです。

犬が尾を振るときは喜んでいるときだけではありません。

犬は心身のバランスをとるために尻尾を振ることもあるし、興奮したり攻撃性が高まるときも尻尾を振ります。

ただ振り方に違いがあるのでそれで判別できるということです。

犬が人を舐める行動も単に人が好きだからというわけではありません。

舐める行動のパターンや状況によって意味合いが違ってくるのです。

 

どのようなところを犬に舐められるのか?

ではどのような時に、どのような部分を犬に舐められるのでしょうか?

状況よりどこを舐められるのか、の方が答えやすいので先にそちらを質問します。

だいたい次のような箇所を舐められているのだと思います。

・口の周りを舐められる

・手を舐められる

・足を舐められる

・服の上からも舐められる

 

この中で口の周辺を舐められるというのは子犬のする行動でよくあります。

これは子犬が世話をする母犬に対して食べ物を要求する行動です。

口回りをなめられると大人の犬は自然に食べ物を嘔吐する仕組みになっています。

子犬が世話をしている人の口をなめようとするのはおなかがすいたという要求行動なのです。

 

他の部位をなめる行為は通常では犬と犬ではあまりみられません。

犬はサルのように毛づくろいをしあったりはしないので、他の犬を舐めるという行為はしないのです。

非常に特別なとき、他の犬がけがをしているときなどに舐めることがありますが、それ以外の舐めについては見られません。

もしみられるとしたら先の口回りを舐めるというのとは違うメッセージとして使われています。

メッセージといっても「わたしはあなたのことが好きですよ」という意味ではありません。

犬の舐める行動はもっと違った意味を持つのです。

続きは後編へ。

Posted in 犬のこと

子供の「三つ子の魂百まで」は犬の性格形成にも通じる

子供の性格や育て方でいわれる「三つ子の魂百まで」ということわざは若い方にも通用するでしょうか。

文字通りですが、小さいころに作られた性格や行動はその人が大人になるまで影響を及ぼすということです。

 

「三つ子の魂百まで」は犬の成長にもいえる

この「三つ子の魂百まで」のことわざは実は犬の成長と発達にも通用します。

つまり犬が成長して成犬になったときの性質(性格)や行動は、子犬のころにどのように成長してきたかが強く影響しているということです。

※カッコ書きで性格としたのは犬の場合には性格といわず性質や気質と表現するのが学問としては一般的なのでこのように表記いたします。

子犬の時期とは具体的にどような時期かというと「生後4ケ月まで」と考えます。

その理由については後程説明します。

 

さて、犬の行動に影響を与えている要因はざっくり考えると2つになります。

1 犬の性質

2 その行動に影響を与えている環境

この二つです。

こう考えるととてもシンプルですね。

例をあげましょう。

ワンコという犬にAさんが近づいてきました。

ワンコはAさんに唸ってあとずさりします。

今度は、ワン太郎という犬にAさんが同じ環境と状態で近づいてきました。

ワン太郎はAさんが近づくと軽く尾を振って顔を背けました。

Aさんが近づいてくるという同じ環境が来ているにも関わらず、ワンコとワン太郎の行動が違うのはなぜか?

答えは単純で、つまりワンコとワン太郎では性質が違うからです。

 

この行動に影響を与える性質の基盤が子犬時代に形成されるというのですから、子犬育てがいかに重要かということです。

 

犬の「三つ子の魂百」までに科学的な根拠はあるのか。

となると気になるのが、実際のところ三つ子の魂百までが犬にも起こるという根拠があるのかというところですが、根拠はあります。

子供時代に性格が作られる背景には、幼児のときに脳内のシナプスの形成が進むという科学的な理由があるからです。

人と同じように犬の脳内にもシナプスがあります。

そしてその形成時期は犬が子犬期の生後4ケ月未満にシナプスの8割程度が形成されるという科学的データがあります。

脳内のシナプスとは機械でいうところの接続ケーブルのようなものです。

複雑な機械が作動するためにはいろいろなパーツが接続されていてお互いの連携で機能していきますね。

その接続をしているのがシナプスといわれる部品です。

シナプスは形成というつながる作業をしたり、刈り込みといういらないものを削除することを繰り返してより良い回路を作っていきます。

こうして脳内の基盤となる回路をつくっていく時期が子供では3歳、犬では生後4ケ月ころまでです。

本来なら生後3ケ月にその多くが作られてその後1ケ月は追加で刈り込みが行われるようなものなのですが、生後3ケ月と言ってしまうと子犬を抱えている方が焦ってしまいそうで、生後4ケ月とお伝えするようにしています。

情報を橋渡しする回路が作られるまでに子犬は自分で動いていろいろなものを匂ったり探索したり体を使ったりしながら環境に適応する能力を身に着けていくのです。

それがみなさんが聞いたことのある「子犬の社会化期」なのです。

 

子犬の社会化期(生後4ケ月)までにたくさんの経験をさせるべきなの?

結論から言いますが、これはノーです。

犬が混乱するような状態で刺激を提供し続けると、犬のシナプス形成は混乱してしまいます。

シナプスは接続がうまくいく状態ではつながっていきますが、うまくいかない状態ではつながりが得られず回路が上手に作られないからです。

犬の社会化の意味をもう一度犬の立場にたって考えてみる必要があります。

この話題については近々ブログ記事として追加します。

では、犬が生後4ケ月までにどのような環境で過ごすことでシナプスの形成と刈り込みが進むのか、それは犬が本来犬としての習性を発揮できるような環境に違い場所であるということになります。

つまり犬は屋外の動物なので、安全は木々に囲われた適度な広さの柔らかい土と草の生えた自然の空間である庭で過ごすことです。

土の上を歩くこと、穴を掘ること、草を食べること、そして安全な寝床を持つこと。

さらに自分を守ってくれるコミュニケーションの通じる動物がいること、はじめは自分の親が、その親を通して人を理解し、そしてそこから人との暮らしが始まるのが最善でしょう。

頭数の多いブリーディングをしているような繁殖所ではなかなかこのような環境を継続して短い子犬期に提供することはできません。

昭和以前の日本であれば犬は軒下あたりで生まれたあと親犬と生活を共にしながら、人眼に見えて寄ってくるようになるには生後3ケ月くらいにはなっていたと思います。

日本の里に暮らす犬たちは勝手に社会化をしていたのですね。

純血種など最初から人が繁殖に関与しているヨーロッパでは、子犬の成長期には子犬は屋外で過ごす時間を作っています。

純血種の繁殖は1800年代からになりますので上手に犬の繁殖を手掛けてきた文化を持っているからこその犬への理解です。

本場できちんとブリーディングされて育てられた犬は日本に入ってくることはほとんどなくみなさんの目に触れることもなかなかないとは思います。

土台の作り方が違うのです。

今日本では、その上っ面だけをなぞったような形での犬の飼い方やしつけ方がはやりになっています。

着こなせない洋服をなんとか着ようとしている不器用な状態なのだろうなと思います。

 

ここからさらに飼い主としてはもうこのことで頭がいっぱいになっていないでしょうか。

犬が生後4ケ月を過ぎてしまっていたら性格はもう変わらないのだろうか…。

どう思いますか?

次の記事につなげます。

 

初めての雪体験をするミックス犬ちゃん



 

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オポとの雪遊びを思い出しながら自然とつながるセンスを考える

お預かり犬ちゃんが雪の中で遊ぶ風景を楽しく見守っていました。

犬が楽しんでいるのかどうかは不明なのですが、とりあえず少しテンションが上がってでもちゃんと抑制もかかっています。

動いたりとまったりの行動の繰り返しが、アクセルとブレーキをちゃんと使っていることがわかります。

興奮するでも抑制する。

動物の行動はこの繰り返しです。

犬を興奮させすぎることには反対ですが、犬が自然の力をどのように受け取るのかは見届けたい。

でもそんな自然の変化は街中では感じることはできません。

オポと博多のマンションに暮らしていたときに冬になって山のほうで積雪があったと聞くとどうしてもオポを雪の風景の中に連れて行きたくなりました。

知人と連絡をとったのですが凍結しているので車は下においてくるしかない。

それでオポと凍結の始まるその山道を3キロ以上の道のりでしたが歩いて上っていきました。

到着するとふんわりとした雪の風景が広がり、オポはいつもとは違う匂いと感覚にテンションが上がります。

それでもちゃんとブレーキのある犬だったので、走ったり止まったりを繰り返しながら安全に周囲を確認しながら探索を続けていました。

下道から歩いてきた私とオポに知人はびっくりしていましたが、そもそも犬を通して知り合いになった方なので私の犬に対する思いはちゃんと理解してくれます。

雪遊びが済んだあとは少し部屋で暖まらせてもらってそれからまた山道をとぼとぼと歩いて下り車でマンションに帰宅したのです。

犬にとって何が幸せなのかもちろん私にもわかっていません。

でもどうして山にたびたび向かったのかというと、山にいくと犬の目の輝きや体の柔らかさや体全体からあふれてくる躍動感が違うと思ったからです。

そんな経験の積み重ねでオポという犬が自分の機能をできる限り発揮する機会をつくってあげなければと考えるようになったのだと思います。

理由はあとからくっついてきただけで、最初はこっちのほうがいいような気がするという感覚から始まっていました。

福岡などの都心で訪問レッスンや通学レッスンを受けてくださった生徒さんたちを山遊びや山歩きにお誘いしている理由は、山で過ごす犬をちゃんと受け取られるようになれれば犬が山で生き返ること、犬が山の動物であるということを頭でなく心で感じていただけるのではないかと考えているからです。

しかしそのためには飼い主さんの方にも一定のセンス(感受性)というのが必要であるということがわかってきました。

この自然とつながる感受性は小さいころに自然とかかわりながら成長した人の中にはあるのですが、最近ではマンションで育った子供さんも増えてきたのでなかなかそうしたセンスは簡単には身につかないのだということも現実として見えてきました。

昨年からのコロナウイルスという猛威によって価値観はいろんな場面で二極化しているのでは感じています。

動けなくなる人、戦う人。

都会と田舎の二極化生活。

自然と都市のバランス。

コロナウイルスの到達しそうにない七山ではそんなことも考えていました。

都市空間は犬には少しやっかいな環境になりました。

グッドボーイハートしてできること、ひとつずつ考えて行動して前進します。

 

オポが見てるから…ですね。

2011年グッドボーイハート七山のオポ

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お預かり中の犬ちゃんと雪遊びをしながら考えた犬のスペース問題

結局水道管問題が解決せずに、水も飲めず顔も洗えないというサバイバル状態から脱出するために下山を決意しました。

コロナ対策のためにも免疫力は万全に整えておきたいので、寒さと栄養不足というダブルのストレスを今抱えるわけにはいかないという体のいい理由もあります。

ところが預かりの犬ちゃんの方は2日目ということで環境になじんできました。

昨日までは飼い主さんが迎えに来てくれるはずだという感じで警戒&対立モードだったのですが一度遠吠えをして吹っ切れたのか態度が一変しました。

恋愛だったらこの変わりようにはビックリするような感じですがメス犬ちゃんなのでこれくらいのイレギュラーボールは受け取れるようにならなければいけません。

犬ちゃんはふわっふわのお庭の雪の上をジャンプジャンプして遊んでおり、下山しなければと思いながらもギリギリまでと思ってずっと付き合っていました。

二時間くらいはその風景を眺めたり一緒に走ったり写真を撮ったりしていましたが、昨晩の冷え込みで体が限界に達しつつあったので「ごめんね~」といって犬ちゃんを連れて雪景色をあとにしました。

飼い主さんだったらもっとこの姿を見ていたかっただろうなと思って動画は余分にとったつもりだったのですが、操作ミスで少し抜けている部分もありガッカリ。

でも少しの動画と写真が撮影できたので早速報告します。

普段見ることのできない風景の中にいる自分の犬、飼い主さんはどのようにみられるのでしょうか。

雪の中で横跳びする犬の行動を見ながら、かなり広いスペースに解放してあげないとこうした横動きは出てこないと感じていました。

飼い主さんと過ごす場所が部屋の中だけとなると、なかなか関係性を築いていくのには難しいものがあります。

やっぱりお庭が欲しいですね。

マンションなら広いテラスでもいい、プライベートで使えるお庭なら実家のお庭でもいいし、プライベートの安心できる空間で過ごせる場所があると犬の行動は実に変化が大きいのです。

ドッグランとなると他の犬との取り合いになり勝ちです。

プライベートで使用するならまだ良いですが、犬の排尿の臭いの多いドッグランはあまりお勧めできないのです。

あまり流行っていない山とか森のようなドッグランをプライベート空間として利用できるならお庭変わりにお勧めします。

まずは犬にとって必要な環境は何かを考えて、それを準備する。

自分の手元になければ用意するか代用する。

もしくはいずれ近いうちに実現させるべく計画を立てるといったところでしょうか。

興奮しやすい犬ははじめからそういう性質を持っているわけではないのです。

その犬の性質と環境や接し方が合わなかったとき、犬には問題行動という大きなトラブルが発生しているだけなのです。

遺伝的に難しい犬などあまりいないと思います。

難しいのは提供された環境の方であって、局はわたしたち人間の問題なのだとやっぱりここに行きつきます。

グッドボーイハートのお預かりクラス2021年1月

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