毎年年越しのこの31日にお決まりで降る七山の雪。
豪華とはいえないのですが今年はちゃんと白いお化粧をまといました。
福岡と七山を行ったり来たりする生活の中で「先生はいったいどこにいるのですか?」とよく尋ねられます。
仕事のためにほとんど福岡で人として生活しています。
でも年越しは七山のこのオポと暮らした家でと思って今はここにいます。
12月31日、あと少しで新年を迎えるときにココで考えたいことがあるからです。
この山のふもとの家は、私の人生の中であり得ない選択だったからです。
なぜこんな山の中の寒くて不自由で寂しい場所に住んでいるんだろう。
そう考えたときに、オポという犬と出会ったからだと思い出すからです。
オポが山で過ごす時間を作るために、この山奥に引っ越して来ました。
そのオポが旅立ってから5年がたち、なぜここにいるのだろうとここ数年は考えました。
この山で過ごす犬たちのひとときを見たいから…確かにそうです。
山を歩く犬の姿、山の空気を呼吸する犬の表情を見るとなぜかほっとするのです。
しかし、どんなことでも他人のためにということだけでは通用しません。
与えられた時間と場所は自分の成長のために必要だからというのが鉄則だと思うからです。
私にはまだこの厳しい山の中で学ぶべき何かがあるのだと、
だからここを離れることが今はまだできないのだと体が感じているのです。
ではなぜ、今私のそばには犬ではなく人というパートナーがいるのだろう。
人として学ぶべきことがまだあるから、今はそう思っています。
犬のことをなぜ学んでいるのか。
犬が好きだから、そして人としてまだ未熟だからです。
この令和2年は世界中の人類の同士と共に人として今まで考えられなかったことを体験してきました。
マスクを外せなかった一年があと少しで終わります。
人として考えること、人として生きるということに向き合わなければ、犬が犬として生きる姿を見ることもかなわないのだとやっぱりここに行きつきます。
人と暮らすすべての犬たちが犬として生きる時間を少しでも得られますように。
犬と暮らすすべての人たちが人として犬と共感する時間を持たれますように。
そして何より自分のことは人として少しでも成長しますように。
良いお年をお迎えください。