雷雨の続く毎日、雷恐怖症を抱えてこの季節は震える犬たちがいます。
人と同じように犬にも様々な恐怖症があります。
犬の雷恐怖症その行動のパターンとは
犬恐怖症とは「犬が特定の刺激に対して恐怖を抱いている状態」に陥る症状が出ていることをいいます。
特定の刺激というのはいくつかの分野に分けることができますが、雷の場合には自然環境という刺激に対する反応です。
次に、犬が恐怖を抱いている状態というのは次のような行動を指します。
・よだれ
・震え
・ウロウロ
・走り回る
・落ち着きなくうごく
・机や椅子の下にかくれる
・体を強張らせる 硬直
・部屋の隅に頭をつっこむ
・戸口をガリガリする
・床を掘る
・キュンキュンいう
・ギャンギャンいう
・遠吠えをする
・壁にジャンプする
主にこうした行動が単数もしくは複数同時に表現されることがあります。
動物の行動はパターン化していますので、個性の異なる動物であっても犬であれば同じ行動をすることが行動から状態を分析することの意味です。
しかし、これらの行動は恐怖を抱いたときにも犬がする行動であると共に犬が別の状態であるときにも出る可能性があります。
飼い主は犬のこれらの行動を見てすぐに恐怖症だと慌てないようにしましょう。
犬の雷恐怖症は改善するのか
ブログをご覧になっていて自分の犬が雷恐怖症だと知ったら、まずは解決できるのかどうかを一番先に知りたいでしょう。
先にお答えしますが雷恐怖症は手段を選ばなければ改善します。
しかし改善のための指導をする側としては100%と言い切れない部分もあります。
というのは、恐怖症を改善させていくためには様々な形で環境を整備する必要があるのですが、その環境を変えるという部分において「飼い主側が不可能」と判断することがあるからです。
なので、飼い主のいう「無理」を排除し、犬の脳の機能性が正常である状態であれば、雷恐怖症は改善するはずなのです。
残念ながら犬のトレーニングの指導の範囲においては、飼い主を変えるという選択肢は入らないため、環境の整備についての制限を受けることになり結果として完全に改善したというケースから、ある程度改善したというケースまで改善の段階は様々ではあります。
逆をいうと雷恐怖症は改善しなければ「進行する」ものなので、なんらかの形で治療に取り組むことをおすすめします。
雷恐怖症の治療について
犬の雷恐怖症の治療方法は、主に二つに分かれます。
ひとつは薬物治療、二つ目は行動療法です。
私は獣医師ではないので薬物治療についての効果について語ることはできません。
ただ客観的にみてもいえるのは、より効果が高いことが期待されるのは「行動療法」の方です。
なぜなら雷恐怖症に限らず恐怖症は「恐怖を表現する行動」が症状だからです。
症状は「行動」なのですから、その症状をより確実に改善できるのは行動をそのものに変化を促す「行動療法」の方だと考えています。
犬の行動療法の鍵を握るのは飼い主の行動である
では犬の雷恐怖症を改善したいと考えたとします。
その犬に行動療法としてできうることを考えていきます。
行動療法なので、行動を自分で管理し変化させていく必要があります。
ところが犬の場合には、行動の管理のほとんどを握っているのは飼い主の方です。
犬の行動に変化を起こさせるためには、飼い主自身の行動を変化させていく必要があります。
飼い主が行動を変化させることで犬の行動が変化する。
当たり前のことなのですが、飼い主ははじめはなかなかこれができません。
初期はできたとしても長続きしないこともあります。
なぜなら飼い主自身には困っている問題はなく、今まで犬に対してやってきた行動はすべて飼い主にとっては「良いこと」「やりたいこと」なのです。
良しとして継続してきた行動を変えるためには飼い主側にも特別な意志が必要です。
その特別な意志とは犬との共感性が生み出します。
つまりは犬との共感性を発達できるかどうかが問題解決の鍵ということになります。
犬を愛しているならやる価値はあると思います。