グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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Monthly Archives: 4月 2019

<犬のこと>春の落雷を怖がる犬の飼い主さんに伝えたいこと

数日前の夜中に春の嵐が通り過ぎました。

七山でお預かりクラスの犬ちゃんもいたので、様子を伺いつつ嵐の収まるのを待ちました。

七山では落雷が頭上から真っ逆さまに落ちてくるような地響きがして、家が振動で揺れるかというくらいの衝撃がありますので、慣れてはいるもののいつでも駆け出せる気持ちでいます。

ところが、犬たちの方は少し様子が違います。

今までなんども雷が苦手という犬を七山に迎えたことがあります。

トレッキングクラスだったりヒーリングクラスだったりお預かりの時であったりと状況は様々ですが、犬が極端におびえる様子になることはあまりありません。

自宅で雷が起きたときには雷恐怖症かと思われるようないろんな行動が出る犬たちも、なぜか七山では落ち着いているのです。

犬の雷恐怖症とみられる行動は、その段階によりますが次のような行動があります。

震える
隠れる
よだれが出る
走り回る
目を見開く
飼い主について回る
吠える
戸口から出ようとする
何かにかみつく
失禁する

行動から状態を察するところ、恐怖、闘争、逃走の状態に入っています。

これは動物が環境にストレスを感知したときに陥る状態です。

犬だけでなく人も同じ状態にいたりますので、もし自分がそのような状態にいたったと考えると犬が受けているストレスを判断しやすくなるでしょう。


いったんこの状態に入ってしまうとそこから脱出されるのはなかなか大変です。

雷の場合には一定期間はその環境を取り除くことができないのですから、犬のストレスレベルは上がっていきます。

雷が鳴り始めると、犬たちはどうしているだろうかと少し気がかりになります。

犬たちというのは生徒さんの犬のことで、自分の犬のことではありません。


犬は雷が苦手なのが当たり前と誤解されることもあるようですが、動物がいちいち雷に逃げ出していたら山で生きていくことはできません。

犬が雷に強く反応してしまうのは、犬を取り巻く環境や犬の内面の環境、つまり情緒的な環境がまだ安定していないということです。

雷恐怖症の犬の飼い主さんは、まだ犬に対してできることがあるということを前提に取り組んでください。

雷恐怖症には薬を使われることもありますが、あくまで対処法ということで常用することないよう環境改善に目を向けていただきたいのです。


このことを前提として実際今雷が起きたら落ち着かない犬を落ち着かせるために何をすればいいでしょうか?

犬が一番落ち着ける場所に戻してあげることがまずできることです。

グッドボーイハートの生徒さんたちならクレートトレーニングは完璧に出来上がっているはずです。

犬をいったんハウスに戻して落ち着きを取り戻しすよう促します。

来客や他の興奮を収めるのと同じ方法でやってみてください。


逆に犬に対して決してやってはいけないことは何でしょうか?

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宿題にしたいところですが、ムズムズしてしまう人は最後の答えを見てください。

普段の生活や家庭では雷に怯える犬が、七山では怖がらない理由については自分で考えてみてください。

本当にそれを知りたければ、犬といっしょに山で過ごす時間を作ってみることです。

いっしょに過ごせばその意味がわかります。

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雷に怖がる犬にやってはいけないこと

犬を抱きしめること
犬を抱きあげること
犬をなでること
犬に声をかけること

このような犬をなだめるような行為はしないでください

このなだめる行為は人のような接触の多い動物では有効な場合があっても、犬にとっては不安の要素を高めるだけです。


Posted in 犬のこと

<クラス>「同居犬と上手くいかない」多頭飼育でお悩みの方、犬同士に任せてはいませんか?

グッドボーイハートの家庭訪問トレーニングクラスは3頭まで料金が変わりません。

60分の家庭訪問クラスを10回のチケットをご購入の場合には、お時間でいただいているので3頭までは対応させていただきます。

そのせいかもしれません、多頭飼育されているご家庭からのトレーニングクラスの依頼がよくあります。

家庭犬のトレーニングを始めて20年立ちます。

その間犬と人の暮らし、特に福岡地域の流れについてはずっと経過を見てきたのですが、多頭飼育は確実に増えていると思います。

理由のひとつ目は、飼われている犬のサイズがかなり小さくなってきたことです。

二つ目は、犬の留守番時間が長いためひとりでは寂しいだろうということで2頭とか3頭を飼われることが多いようです。

同胎犬を2頭迎えるという場合もあるし、1歳とか2歳の犬がいるご家庭に新しく子犬を迎えるケースも多いですね。

先住犬がいるご家庭に子犬を迎えたけれど、犬同士があまり仲良くなれないというご相談も多々あります。

人の兄弟や姉妹でも仲良しばかりではありません。

仲良く遊ぶ兄弟もいれば、喧嘩ばかりの兄弟もいます。

犬は人と同じ理由で喧嘩をしているわけではありませんが、人の兄弟よりも犬の同居犬同士のトラブルはどちらの犬にとってもストレスの多い不幸なことです。


この多頭で暮らしている犬と犬がうまくいかない問題について、犬が問題だと思われていることがあります。

子犬が元気すぎるとか、乱暴すぎるとか言われることはよくありますが、子犬は基本的にわがままで自制が聞かず、興奮しやすく、とびついたり甘噛みしたりしてくるのは正常な行動です。

それに対して先住犬がどのようにふるまっているのかということがまず観察事項です。

もしも、先にいる犬が10歳を超える老犬であれば、社会的な活動を縮小させる時期なのであまり期待せずに住み分けを考えてください。

もし先にいる犬が10歳でも元気だとか社会的に活動できそうな状態であれば、それより若い成犬たちと同じように観察していきます。

成犬の子犬に対する行動はどうでしょうか?

子犬を自分のグループの一員として受け入れようとしているのか?もしくは拒絶して追い出そうとしているのか?いずれかです。

子犬は成犬から拒絶される行動を受けると、犬としての社会性にゆがみが生じ、成長してから(1歳を超えたくらいから)他の犬に吠えたりうなったりする攻撃性を示すことになります。

行動に現れるまでに時間がかかるのです。

子犬が来てから1年近くたってからなので、なかなか先住犬との関係が他の犬への社会的行動に結びついていると考えることができないかもしれません。

ですが、犬のどのような社会的行動も、そのベースは家庭内の一番小さなテリトリーの中で作られているということはもはや真実です。

人の他人に対する態度を学校の先生に教えてもらおうとしても難しいのです。

それは社会性ではなく社交性であって、人の力にはなりません。

社会的な態度という真の社会性は家庭の中で作られている、これがベースです。

成犬がまだ若く大人としてうまく対応できず、子犬といっしょになって興奮してしまったり、お互いの攻撃性を高めたりする結果になることもあります。

犬同士が体をぶつけあうプロレス遊びですが、適切に介入していかないと犬はただの攻撃性の高い犬になるだけです。

多頭飼育の問題は、犬同士で解決することはありません。

そこには人という大親分がいて、その家庭の中で行われていることは人とそれぞれの犬の関係性なくしては語れないのです。

犬が寂しいだろうと思って新しい犬を迎えても、今の犬と飼い主の関係が安定した信頼関係でなければ、子犬が来ることで余計にトラブルが増えて犬のストレスが増すだけなのです。

多頭飼育となりトラブルが始まったことで家庭訪問トレーニングクラスを受講される方も多いので、クラスを通して犬のことを学んでいただく機会をもっていただけたことだけは好機に恵まれたなと思います。

なにかきっかけがないと犬のことなど学ぶ機会はないでしょう。

犬と暮らしているという理由だけでは、犬のことを学ぶ機会にはならないのです。

みなさんにとってとても大切な存在なのに、たくさんの知らないことがあるのはもったいないことです。

なぜ犬が思い通りにならないのだろうという考え方の場合には、なかなか先にはすすみません。

問題を解決するために何かをすると改善しそうだけどしないのです。

犬は知っているのです。自分が本当に愛されているかどうかを。

犬はなんでも知っています。

多頭飼育で上手くいかない方も、まだ諦めないでください。

犬たちにとってもこの犬生は一回限り、生まれ変わってから幸せになるよりも今幸せになってほしい、そのためにできることはまだたくさんあります。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<クラス>トレッキングクラスと竹切りお疲れ様でした

春のこの季節、グッドボーイハート七山のトレッキング中に目につく伸びすぎた竹たちをお手入れしました。

トレッキングクラスの後、有志の生徒さんたちにご協力いただいて決行です。

竹を切るのこぎりやら大きなハサミなど、普段の生活の中では使うことのない刃物を使っていただくのでケガをされないかと心配しつつも、やりながら上手になっていくことがきっとみなさんの将来に役立つはずだと思い込んで応援しています。

この竹切り作業中、番犬を任される犬たちは作業から安全かつ敷地を見渡せる場に配置されています。

番犬のできそうにない犬たちにはそれぞれのハウスに待機するなどのお役目もあります。

犬も適材適所ですからそれぞれの性質や状態にあった仕事を任されることで成長の機会を得られます。

どんなに小さな犬でもみんなが頑張っているときには協力することを求められます。

普段ならわがままをいいそうな犬ちゃんでも、人が命をかけて仕事をしているときには黙って手伝ってくれるものです。

山の手入れは本当に命がけなので、見ている犬の方も真剣モードになれるのかもしれません。

孟宗竹はものすごい重量でして、切り倒して倒れてくるときにケガをしたら大変です。

また竹は用心しないと切目が鋭利で武器にもなります。

なんどかヒヤッとする思いをすると、嫌でも慎重にならざるを得ません。

数名の女子部での作業になりましたが、本当にスッキリとしました。

グッドボーイハートが七山に学校をもって12年になります。

この12年間、たくさんの人がこの山の手入れを手つだって下さいました。

ここに育っている森は、決して私ひとりでは育てることのできなかった貴重な場なのです。

だからこそ守り続けたいと思い、この尾歩山で犬たちの生命がワクワクするのをこれからも見たいと思います。

作業の後のお昼ご飯は最高に美味しかった。

そして、作業を手伝ってくれた犬たちの姿にまたうれしさを感じました。

4月から5月にかけてもう少し頑張っていきます。

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Posted in クラスのこと, 自然のこと

<犬のこと>日本が起源かもしれない愛玩犬はいつから普通になったのか?

愛玩犬(あいがんけん)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

その意味をネットで検索して調べていみると「ペットとして飼う犬」とか「主に室内で愛玩のために飼う小型犬」などとあります。

自分のそばにいる犬のことをペットとして認めることは普通であっても、愛玩犬といわれるとそうだと言えない方も多いのではないかと思います。

愛玩とはつまりオモチャということですから、自分の犬をオモチャ変わりだと位置づけられるのと同じことですから抵抗も生まれてしまいます。


この「愛玩犬」という言葉をめぐって先日家庭訪問クラスのときにあることが起きました。

犬の説明の中で「愛玩犬として育てられるのであればこうした犬になるかもしれない」といった説明をした際に、説明を聞いていた飼い主さんが「あいがんけんって何ですか?」と質問されたのです。

愛玩犬とは、えっと愛玩する犬ということですよ。ペットといわれるよりも特殊な言い方で…と説明に窮しました。

飼い主さんになかなか愛玩犬の意味が通じずにいたところ、その飼い主さんが高校生までしか日本におらずその後海外で生活していたことがわかりました。

それで「愛玩犬とはつまりtoy dogといったらいいでしょうか?」と切り返しました。

そうするお「オー!トーイドッグっね」となんとなく小型犬のイメージはつかめてくださったようです。

そちらには愛玩犬という言い方がないのですね、といって私の方も納得しました。

愛玩犬とは日本が創ったひとつの犬の生き方のようなものかもしれないとも感じたのです。


小さい犬といっても欧米にはテリア種のような活発に仕事をする自律した犬たちもたくさんいます。

チワワはテリア種には含まれていませんが、スムースのチワワは南米では日本の雑種のように普通に番犬をする地域犬でした。

人に抱っこされることを目的とした犬は欧米では珍しいです。

むしろ、犬をそのように愛玩目的に扱うことが一般的でない犬の文化というのを持っています。


愛玩犬が国内で広がったのはある仕組みがあってのことでした。

また次の機会にお話ししていきます。

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Posted in 犬のこと

グッドボーイハートは20年を迎えます。感謝

新しい元号が発表されました。

気持ちがひとつ前に進みつつ過去を懐かしんだりと人は相変わらず欲深く生きています。

欲深いことは悪いことばかりではなく、その欲深さのために文明を発展させてきたのもまた人という動物です。

そしてその人にもっとも近い場で人を観察しながら、自らも人の生活の中で変化し続けている犬という動物がいます。

その犬のことを知りたくて中学生のときに「犬の訓練士」になりたいなどと思ってしまいました。

そこから長い月日が流れ、自分で犬の学校を始めることになったのが今から20年前です。

名前はグッドボーイハートと名付けました。

当時共に暮らしていたオポという犬が私の要望をうまくくみ取ってくれたときに最初に使っていた音が「グッドボーイ(good boy!)」という音でした。

その言葉を投げかけた犬という動物を心から愛したいという気持ちでつけた学校名です。

それから今年で20年を迎えます。

元号は変わってしまいますが、そのときの気持ちは今でも変わりません。

変わったのはいっしょに学校をはじめたオポが別の世界へ行ってしまったこと。

でも、今でも新しいたくさんの支えがあってこうしてグッドボーイハートを続けながら、いまだに犬のことを学んでいることに改めてありがたい気持ちになります。

こうして何十年も学んでいるのにまだ終わらずに学び続けていることが不思議でならないのですが、答えを出すために学んでいるのではなく、学ぶことがただ楽しくて学んでいるのだということに少し前から気づきはじめました。

これからいつまで続けていくのかなど、未来のことは全く考えていません。

ただ、グッドボーイハートを必要として下さる人や犬がひとりでもいる限り続けさせていただきます。

いつもありがとうございます。


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Posted in 日々のこと