犬のいろいろな行動は、習性から起こるものと、環境に応じて学習によって身に付くものがあります。
後者の場合、犬が暮らす環境の中で犬の必要性に応じて見につけていくことがあります。
イヌという動物が、人と暮らす必要のない環境で生活をすることができれば、人がイヌの行動に与える影響はかなり少ないものになります。
国内で身近なイヌばかりを見ていると、想像もつかないかもしれません。
でも世界に目を向けると、イヌは様々な環境で生活しているという事実があります。
山の中で生きるイヌ、ゴミをあさる犬、地域をうろついてコンビ二でゴハンをもらう犬、
そのスタイルは様々ですが、どのような環境もイヌの行動に影響を与えています。
犬は環境の影響を受けるのです。
特に人に飼われる犬の場合には、社会的な対象である人が作った環境内で起きる行動には、奇想天外なものがいくつも見られます。
飼い主さんが気づいていない犬の特殊な行動は、一定のグループの中で見られることがあり、そのグループ内の犬の行動や性質の特徴は多少似通った部分があるのです。
それで注目して始まった「~する犬たち」シリーズに上がられる犬の行動パターンが見つかりました。
ソファの背もたれに居座る犬たちのことです。
「居座る」というのは多少御幣があるかもしれません。
これらの犬たちはソファの背もたれに座ったり、伏せたりすることがあります。
それだけでなく、ソファの背もたれを歩いていたり、ソファの背もたれに手をかけたりすることもあります。
ソファというのは人用のソファのことで、人が使っているものか、以前使っていたものが多いのですが、中には犬用の大型のソファを与えられていることもあるかもしれません。
ソファの背もたれに乗る犬の多くは小型犬のようです。
大型犬がソファの背もたれに乗るのは容易ではないでしょう。
しかし、私はソファの背もたれに手をかける大型犬を今までに何頭も見てきました。
飼い主はこの行動にあまり関心を示していません。
飼い主が犬の行動に関心を持つのは大きくわけて3つあるようです。
一つ目は、自分のいうことを聞いたとき。
二つ目は、困った行動をしたとき。
三つ目は、具合の悪そうにしているとき。
この3種類の犬の行動に対して、飼い主はとても敏感に反応します。
飼い主に拾いあがられない些細な行動は、家庭訪問トレーニングクラスに伺ったときに、犬がしているのを見て気づいてメモをしておきます。
実はこの些細な行動こそが、犬の何気ないメッセージであることが多いのです。
なぜ、犬は狭いソファの背もたれに乗って休む必要があるのでしょうか。
こんなことを考えていると楽しくてワクワクして時間のたつのも忘れてしまいます。
こうやって今年も一年間、いろいろと見て考えて知って、犬の不思議に魅了されて過ごしてきました。
今年一年、犬の学びをご一緒していただきありがとうございました。
来年は、もっと奥伝に近づけるべく探究心を持って進んで参ります。