グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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Monthly Archives: 1月 2017

犬と共に癒しを体験するとき

少し遅めの初詣をかねて今年「尾歩山(おぽさん)」歩きが始めての犬と飼い主さんといっしょに山歩きをしました。年のはじめということもあって、山歩きの一歩一歩も感慨深いものになります。
今年は何才になるねといった話題も出たりして、ずい分を年齢を重ねてきたけど、こうして犬と一緒に山を歩く時間が持てているという率直にうれしいという気持ちが伝わってきます。

犬の方は一年のはじめということもなくいつもと変わらない日々。ただそれぞれに毎日少しずつ経験を重ねたり年月を重ねるうちに、前よりもずい分と落ち着いた歩きになったり、月日の積み重ねが脚の運び方にあわられたりするけど、そのことを悔やんだり悲しんだりすることはありません。
飼い主さんと一緒に冷たい風を受けながら、一歩一歩と歩く共同作業は犬の気持ちを飼い主さんに近づけてくれる時間になっています。
自然の良い気の流れる過ごしなれた場所での飼い主さんと犬のひとときは、飼い主さんにも犬にも「気持ちの良いとき」を与えてくれます。それこそが癒しの時間です。

犬を飼う目的が「犬に癒されたい」と口にされる方もいますが、癒しているのは犬ではなく犬がつながっているもっと大きな世界です。犬とともにいて「癒される」と感じるなら、その犬がつないでくれる自然の世界に、飼い主さんを案内したいと窓口になっていてくれるからでしょう。いつまでも間に立つ大変な役割を犬に負わせないで、飼い主さんと犬がいっしょにその癒しを受け取れるようになれば、犬との関係はそれまでとは違ったものになるでしょう。

犬と体験してほしい山歩きは、流行りのアウトドアイベントではありません。山で走り回ったり興奮したりはしゃいだりすると、自分のやりたいことが優先してしまってせっかくの受け取れるものを受け取る機会も失ってしまいます。「山に入るときには謙虚に静かに」これがグッドボーイハートのルールです。

山を知らない犬は最初はとても興奮してしまいます。テリトリーの問題、どのように行動していいのかわからない、人が管理できない空間の怖さ、他の動物達の気配におびえること、そして山を知らない人間の不安定さと自然の中でのバランスの弱さを動物として察知してしまうからです。

では何から始めればいいのか。筋トレなどは効果はありません。
わたしは「呼吸」を大切にしています。
自然の中で過ごすには、自然のリズムに共鳴できるようにすることです。
別のものとして自然が排除したいという存在ではなく、自然と共にいることを許される存在として自然に受け入れてもらおうと思うと、呼吸は自然にゆっくりと深いものに変わっていきます。
そうすると、きついと思う山登りなはずなのに辛さが全くなくなります。息もあがらなくなるから不思議です。結構急坂な尾歩山ですが、いつも落ち着いて歩くことをオポに求められれて歩き続けた結果、まったく辛さを感じずに呼吸を自然と整えながら歩けるようになりました。これもオポという犬から学んだ大切なことです。

癒しをちゃんと受け取れる方法は他にもあります。これも自然とできるようになるのですが、山を歩きながら「ありがないな」「気持ちがいいな」「豊かだな」と思えることです。飼い主さんたちも自然とそんなコトバを口にしています。自然の癒しの力は本当に偉大なものだと痛感します。
年をとって山に登れなくなった犬たちにも、まだ山に到達しない犬たちにも、尾歩山からすべての犬と飼い主に豊かさが届けられますようにと祈ります。

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屋外飼育から室内飼育へ:環境の変化が犬に与える影響

引越しは人にとっても大きな人生の変化です。生活環境が変わるというのは、どんな動物にとっても大変なことです。今まで理解してきた生活に必要なものを得るための地図をつくりかえる必要があるからです。今まで培ってきた地域とのつながりをつくりかえる必要がある。新しい職場で新しい仲間とひとつずつ関係をつくっていく必要がある。どれも大変なことですが、これは犬とっても同じことです。

犬から見るの引越しは、生活圏が移動するだけでなく別の変化を必要とされることがあります。たとえば、庭付きの戸建てからマンションへの引越しにより排泄が庭でできなくなり散歩時に排泄する生活に変わること。また、戸建ての庭で飼われていた屋外飼育をされていた犬が、マンションの室内飼いに変わる必要を迫られること、などもあります。タロウくんの場合には後者の方でした。

人も年齢を重ねてくると郊外や少し田舎の静かな環境の庭付きの戸建てでゆっくりと暮らす生活スタイルも増えますが、若い時期は両親との同居から独立して都心でアクティブに働きたいという時期でもあるので、犬の生活も都市型になっていきます。タロウくんの場合には、1歳を過ぎてから田舎の戸建てから都心のマンションへの引越すということでご相談を受けました。

戸建ての屋外飼育のときには、来客の気配や来客が室内にいる間中吠え続けてしまうような状態だったので「このままではマンションには連れて行けない」と感じられたようです。マンションは隣が壁ひとつですし、廊下を通る人の話し声、他の家を訪れる来客や宅配の車、近くの公園で遊ぶ子供の声、など周囲に家のない戸建て環境と比較すると刺激がすごく増えてしまうことになります。

タロウくんは確かに、来客があるとずっと吠えているようでした。最初に訪問したときにはタロウくんの吠え声で、飼い主さんとの会話が聞き取れないほどの声で吠え続けていました。このタロウくんの問題がタロウくんの性格にあるのではないことをお伝えしました。また、飼育環境としては屋外飼育が問題だったのではなく、落ち着ける環境を整えられていなかったことと、タロウくんの性格にあった接し方ができていなかったことがタロウくんの行動を落ち着きなくさせていたのです。

引越しすることがあらかじめわかっていたなら「犬を飼う」という選択はなかったのかもしれません。引越しを機会に「犬を他の方に飼っていただく」という選択も悪いものではありません。犬は終生飼育が義務付けられていますが、人の人生にはいろいろな予期せぬことが起きますので、犬の立場からみて犬が落ち着いて暮らせる環境が整えられる方を新しい飼い主さんを見つけることは、逆に飼い主としての責任であるともいえます。

しかし、タロウくんの飼い主さんは、タロウくんと一緒に暮らすことを望まれました。「犬に負担がかかることはわかっている。だけどいっしょに暮らしていきたい。そのためにできることをしたい。」という気持ちでトレーニングに取り組まれました。

静かな田舎環境から都心のマンションの室内飼育に変わるとなれば、犬という動物にはかなり負担のかかることです。この引越しという人生のハードルを「犬を理解する」機会に変えることが、飼い主としてタロウくんにとってできる最善のことです。飼い主さんはタロウくんの安定と安心のために真剣に取り組まれていました。

犬のトレーニングはまず犬を理解することです。引越し前の環境でカウンセリングを行いましたので、カウンセリングではこの環境がどのようにタロウくんに影響しているのかをお伝えしました。そして、タロウくんの行動観察や行動に関する情報を聞いて、現在のタロウくんの状態とタロウくんのためにどのような環境を整えることが安定した状態を導き出すことなのかもいっしょに考えていきました。

クレートを活用したトレーニングを導入しながら、長い留守番のストレスを解放させるためにしなければいけないこともたくさんあります。周囲の散歩コースは引越し前までは犬とも人とも会わないような田舎道だったのですが、その田舎道でも興奮して歩いていた社会性の育っていないタロウくんを落ち着かせるためには練習も時間もたくさん必要です。

散歩など外環境での犬の行動を安定させるためには、室内環境を整えるのが先です。家の中ではうちの犬は問題ないんです、散歩のときに引っ張るのだからと散歩の練習ばかりをしていると本当の問題を見失ってしまいます。本当の問題とは
「人と犬との関係づくり」です。それをわかりやすくしているのが、人と犬のテリトリーということです。

屋外飼育では犬の生活する場と、人の生活する場は分かれています。室内飼育では、閉ざされた空間である人の部屋の中に犬が生活することになります。ここで人と犬の関係が対立した状態であれば、互いの境界線が強すぎで犬はクレートから出ても落ち着かないという行動を示すようになります。飼い主さんとコミュニケーションをとりながら、お互いに「個」としてのスペースをしっかりと確保しながら、人と犬という家族という枠の中に入ること。それでも「人」と「犬」という生活の中に決められた互いのルールというのがありますので、人と犬はお互いの時間とスペースを尊重しながら過ごす必要あることなど、少しずつ飼い主さんは理解を進めていきました。飼い主さんの理解が進むと、犬に伝えたいことがこちらも少しずつ進んできます。

人がいると安定するようになったように思えても、室内飼育の別の問題も浮上してきます。室内で犬を飼育する場合には、人に依存させてしまいやすい傾向があります。過度になると分離不安といった状態で現れます。日本のアパートやマンションの部屋はそれほど広くありません。プライバシーを守るために窓も閉めたままになりがちで閉ざされた空間になりやすいのです。依存しやすい傾向はスペースの狭さからも生じてしまいます。

難しい環境の中でバランスをとっていくいうのは大変なことです。都市環境の犬と飼い主さんには、都市環境から抜け出す練習を取り入れながらいつかまた犬が元気なうちに新しい生活の場が見つかるといいなと思うのが正直なところです。
ですが、それまでは犬も飼い主さんのそばで毎日声をかけられるのを待っていることでしょう。タロウくんはまだまだ若いです。これから一歩ずつ飼い主さんと歩いていって豊かな毎日重ねていくのでしょうね。

※このコラムはグッドボーイハート生の成長を元に書いています。名前は仮名です。

Posted in 犬のこと, コラム

通信クラス開講のお知らせ

グッドボーイハートの新しいクラス開講のお知らせです。

インターネットのSKYPE(スカイプ)を利用したカウンセリングクラスを開講します。
クラス名称:通信カウンセリングクラス
SKYPEを利用したインターネット回線による通信カウンセリングクラス

利点:
・SKYPEを利用するため電話料金が無料です。
・画像や動画を受け取れるため、犬の状態や環境把握ができます。
・訪問レッスンを受講できない地域、通学できない遠方の方でも気軽に受講していただけます。
・犬を飼っていない方で、犬について疑問を解決したい方にもご利用いただけます。
・予約制ですがお時間のとれない方には夜間でも対応いたします。

SKYPEについて→パソコンやスマホにスカイプをダウンロードしてご利用いただくカウンセリング形式のクラスです。LINE(ライン)通信も準備ができていますが、ラインは通話が不安定になるためできるだけSKYPEをご利用ください。

この通信カウンセリングは、次のようなケースでお役立てください。

1、グッドボーイハートのトレーニングクラスを受講された後のアフタークラスとして活用してください。
訪問レッスンを通して飼育環境の改善や、犬の性質について十分に把握している状態での通信カウンセリングになりますので、行動がある程度安定している場合には気軽にご利用いただけます。

2、グッドボーイハートのトレーニングクラスを利用していたが、転勤、引越しによって受講ができなくなった方のサポートとして。
転勤先にも良いスクールが見つかると良いですが、今まで学んできたことを大切にしたいと思ってくださる方からのご依頼を受けて通信講座を開設いたしました。

3、訪問レッスンが受講できない遠方の地域の方にご利用いただけます。ブログや紹介などを通してグッドボーイハートを知っていただいたにもかかわらず、今までクラスをご利用いただけなかった方にできることを考えました。海外の方でもSKYPEを通して通話料を気にせずにご利用いただけます。(ただし日本語のお分かりになる方に限らせていただきます。)

通信カウンセリング講座に関してはご利用希望者に資料を配布させていただきます。※ホームページ更新に時間が必要のためご了承ください。
グッドボーイハートのホームページのお問い合わせフォームからご連絡ください。
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グッドボーイハートのクラスは直接対面の訪問クラスが一番お勧めのクラスであることには変わりありませんが、グッドボーイハートのクラスをよりたくさんの求める方へ提供するためにこの通信講座もご利用いただけるとうれしいです。
お気軽にお問い合わせください。

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密集した住宅地の屋外飼育について

福岡市内とその近郊は都市化が進み始めて40年くらいはたとうとしているのではないでしょうか。小学校のときに博多区に住んでいましたが、昭和50年くらいに自宅の前の小さな道路が砂利道からアスファルトに変わり始めたころから、博多区も一気に都市化が進んでいった記憶があります。

佐賀県唐津市でも最近はスーパーが大きくなったり、大型のショッピングモールの駐車場もこの10年でずい分混み合うようになったなと感じていて、福岡には及びませんが都市化が少しだけ進んでいるのではないかと感じさせます。

都市計画とは少し違うでしょうが、住宅地のつくり方は時代にあわせて少しずつ変化してきているようです。ご自宅を訪問する地域によって家の使い方が違うなと感じるのです。バブルの時期に立てられた家の多くは、庭がほとんどなくて近隣の家とも接近しており、家の中はとても広くつくられている家が多いようです。環境とか自然とかアウトドアといった感覚よりも、室内を広くとって人を招いたり部屋の中で楽しみたいという間取りのようです。
最近では、庭や緑などの自然環境を家の一部にとりこもうとするデザインが多いのではないでしょうか。遠出よりも家の庭で休日をゆっくりすごしたり、自然環境を身近に感じていたいという基本的な欲求が復活したのかもしれません。近隣の家とも通りを隔てて接触面が少なくなるように配慮されているように感じます。

屋外飼育の場合には、こうした家のつくりが犬の飼育環境に直結して影響してしまいます。近隣との境界線が多く庭がほとんどない家の屋外飼育になると、犬が生活する場所は家の横のいわゆる「犬走り」といわれる通路になってしまいます。すぐとなりはとなりの家になる上に、それぞれの住宅地に圧迫がないように境界線は塀ではなく低いステンレスの柵のようなもので仕切られているだけなので、となりの人がすぐに横を通るスペースで犬が過ごさなければならないということです。

すぐ隣の家に犬がいなかったとしても、2件隣に犬がいるとすれば、風にのって犬の気配を感じることになったり互いの吠え声がとびかうかもしれません。生活圏のテリトリーの狭さは犬を落ち着かなくしてしまいます。
生活圏で犬が落ち着かなくなると、落ち着かないことを示すシグナルを表現しますのでチェックしてみてください。

キューキューと鼻をならす
円を描くように歩いている
柵の前をいったりきたりして歩く行動をする
柵に2本足立ちする行動をする
飼育場所の中にあるものをかじりはじめる
排泄を足で踏み散らかすようになる(特に便)
飼い主が犬のスペースに出ると飛びついたりマウンティングをしきたり服をかんだりする

以上は、その落ち着かないシグナルの一例です。

この落ち着かない環境を落ち着く場所にしてあげるための方法には限界があることも確かです。家の構造を変えることはできないので、庭を広くしてあげることもできません。隣の家との境界線を変えることも柵を塀に変えることも禁止されています。
それでも少しでもできることをしてあげれるなら「犬は隠れる動物」だということに基づいて考えてみます。
過去ブログ「犬は隠れる動物」も参考にしてください。

犬が隠れるためには外用の犬舎は必須ですが、夜に犬舎の中にいれても落ち着けない犬が多いのです。自分は逃げることができないのに外での動物の気配や音だけを感じるため相当に身をひそめていなければいけません。昼間は寝る場所に使う犬舎も夜閉じ込めるために使ってしまうと犬はますます落ち着かなくなることがあります。
犬の性質にもよりますが、耳の垂れている洋犬種は屋外飼育が得意でない事が多いため、夜だけでも室内のクレートに寝せてあげるなどの方法も取り入れることもできます。あくまで犬の性質と環境によりますので、洋犬種のすべてということではありません。ここでは一例としてお話ししていますので参考までにとどめ、迷ったら専門家に相談してください。

つないだ方がいいのか、つながない方がいいのかといった問題も、犬の性質と成長の度合い、飼育場所の環境や飼い主の飼い方によって異なりますので一概にどちらがいいのかと判断することができません。自由にさせてあげたいという思いから室内も外も行き来自由にしても落ち着かなくなってしまうことがあります。

どちらにしても落ち着かなくなるときには落ち着きをなくすという行動をしますので、犬の状態を受け取ることは可能です。犬の落ち着きのない行動、たとえば、飛びついたり、マウンティングしたり、吠えたり、ものをかじったりする行動をイタズラとして罰を与えたりゴハンを抜いたりするのは全くフェアではない上に、犬を理解するせっかくのチャンスを失ってしまいます。

都市環境で屋外飼育で犬を飼うことは、工夫すること、時間をとること、そして面倒かと思える犬を管理しなければいけない作業を日常の作業と思えるまでくりかえし行うことです。

都市環境で犬を飼うのは面倒なことが多いのです。それでも犬を飼いたいと思い、そのことで得られる幸せがあるのですから、がんばるしかありません。

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教え子たちの旅立ちに寄せて

グッドボーイハートを設立したのは西暦2000年です。設立から16年がたちました。

今までにグッドボーイハートの教室を利用してくれた犬たちが少しずつ旅立っていきます。今年も年賀状のごあいさつでお世話をした犬の旅立ちについて知ることになりました。しばらく会っていない犬たちもいますが、それでももうこの世で会うことができないのだと思うと、ただ寂しいと思い同時に飼い主さんの寂しさはいかばかりかと心苦しく感じることも確かです。ですがそれよりももっと心の中を占めてしまうのは、その犬と出会えたこと、そしてその犬を愛する飼い主さんと出会えたことに対しての有難いという感謝の気持ちです。その出会いを通して自分が得たものや学んだものは、何にも変えることはできません。旅立った犬たちは飼い主さんに大切にされ愛されて見事に新しい世界へ駆け抜けていったのだと思うと本当に感慨深いものがあります。

ドッグスクールを利用される方というのは、何か問題を感じられた飼い主さんが多いのです。その問題の大小というのは飼い主さんによって捉え方は違うのですが、犬の行動に困ることがあったとか、いろいろとやってみたけどあまり犬のことがうまくいかないとか、中にはとてもおりこうさんになってよく言うことを聞き生活上は問題がないのだけど、犬との関係に距離を感じるからという方もいます。子犬のころに始めたトイレトレーニングが上手くいったあとも、犬のことをもっともっと知りたいからと勉強を継続される方も多いのです。その中に「犬を理解したい」という飼い主さんの愛を感じるとき、その理解の度合いはそれぞれであったとしても、これさえあれば犬はこの飼い主さんの元できっと幸せに暮らしていけるだろうという安心を得ます。

その飼い主さんにとって唯一の存在である犬が飼い主さんの元から旅立っていった。
飼い主さんを悲しませたくないと一番思っているのは犬たちです。どんな旅立ちだとしても犬たちに必要であったから行くべき時期が来たからかえっていったのだと思います。犬がいってしまうと悲しく寂しいものです。哀しみを癒すものは、その犬の生前について思い出したり笑ったり話たりすることでしょう。すぐにはできないかもしれませんが、いつかその日が来ることを祈っています。

犬がこの世を去るシーンは「かぐや姫」だと思うのです。飼い主さんがどんなに愛して引きとめても、月からきたこの犬という使者はその役目を終えて迎えにこられたたくさんの犬たちに連れられてもといたところへ帰っていくのです。昨年の12月にグッドボーイハートの犬の先生だったオポが旅立ちました。オポの旅立ち後はグッドボーイハートの犬達をオポが迎えてくれると思うと、心もいくらか楽になりました。

さて、生きているものはまだやることがあります。先に逝った彼らに恥ずかしくないように、今日もたくさん働いて学んで、そして生きている喜びを感じます。

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お正月に活用する犬のクレートトレーニング

年末年始というこの時期に、犬が体験する可能性の高い非日常の出来事といえば何でしょうか。

ひとつめは「飼い主と共に実家に帰るの巻」です。
飼い主の帰省に犬が同伴することになります。この出来事は、犬にとっては「いつもと違うテリトリーで数日を過ごす」つまり旅行と同じようなものです。さらに、そこには普段はあわない人たちがいて、いつも以上に騒いでいる人たちがいる。もしくは帰省先に実家の犬がいるという複雑なケースもあるかもしれません。自分のテリトリーを離れて帰省先に自分のテリトリーをもつためには、それなりにいろいろと克服しておかなければいけないことがあるでしょう。
このケースで絶対に必要な道具は「クレート」です。帰省を含め、生活に必要な移動の多い生活の中では、クレートトレーニングの必要性については何どもお話してきましたので、再々復習をしてみましょう。クレートの利用は犬との旅行を勧めるものではありませんのでその点はご理解ください。

ふたつめはこの逆です。犬のテリトリーが実家でその家に家族が多数帰宅してくる場合です。帰宅してくる家族の中には小さな年齢のお孫さんもいるかもしれません。帰省した家族の方は久しぶりの犬との再会でうれしくなりすぎて、触ったり抱きしめたり興奮したりして接するのかもしれません。犬と人は相手が自分の中に存在している時間が違います。犬は再会によって関わりのある人を思い出すことはあっても、長い間思い続けたり思い出したりするような記憶の継続性というものを持ちません。犬はシンプルに今目の前にある人たちや社会的な対象がすべてなのです。犬が再会によって可愛がってくれた人に対する愛着を思い出すのは事実でしょう。ところが、人の懐かしさいっぱいの興奮した挨拶や必要以上に密接に接する非日常は、少し犬を疲れさせてしまいます。犬にとっては自然に行われるものであってほしいと思います。ぜひ、毎日接している人と同じように静かに犬に接してあげてください。犬は心からその時間を喜びとしてくれて、静かにそれに応えてくれるでしょう。

犬と出かけたり来客が頻繁に来ることを、犬がいつも喜んでいると思われてしまうことがありますが、よく犬の行動や表情を観察して犬の状態を把握してあげてください。犬は環境の変化に対して人よりも敏感に反応します。来客は外出はわかりやすい環境の変化です。環境の変化は多少なりとも犬に影響を与え、犬はそれを行動に示すことでしょう。その犬の行動が「喜んでいる」と受け止められてしまうようです。

まず、フェアではない理由は犬は人のように帰省という事情や内容を認知する能力はないということです。犬にわかりやすく説明することはできませんしその必要もありません。犬に対してフェアであるためには、人が必要で行うこうした非日常の環境の変化を、犬に負担がかからないように準備してあげることです。そのために室内飼育の犬にとってクレートや犬用ベッドといった道具は欠かすことができません。

人は環境の変化に対する適応力が高い上に、環境を変化させることを刺激のひとつとして楽しむ動物でもあります。犬と人では社会活動もテリトリーの構成も異なりますので、犬が人と同じように環境の変化を受け取っているのではないことも理解した上で、日頃から生活に必要なことを取り入れていくことも大切です。

dav
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謹賀新年

明けましておめでとうございます。
今年もみなさんと犬たち、そしてすべての動物たちにとって良い年となりますようにお祈り申し上げます。

同伴犬はいなくなりましたが、預かりの犬といっしょに年あけを迎えました。
初日の出を今年も七山で拝むことができました。

いつもと変わらぬように山の一部の手入れをしました。その間、ずい分と環境を把握して行動が安定してきた預かり犬が、草を食べていたり、丘にすわっていたり、地面に背中をこすり付けてゴロゴロとしていたり。
いっときはオポのお墓の横に伏せてじっとしていました。そのうちテラスでひなたぼっこをしたりして、こうして犬は静かに一日を終えていく動物なんだろうなとそれを眺めていました。

年の初めには今年の目標のようなものを考えます。今年は今までと同じ変わらぬ思いを持ち続けそれをわかりやすく表現するようにしようと決めました。変わらぬ思いとは、犬に対して誠実であるということです。
犬のことを理解したい、そして彼らとより良い関係を築いていきたい、それは犬に対する誠実な姿勢と思いという形でしか実現できません。誠実さはいろんな価値観や利害でゆがめられます。犬にとってではなく人にとってとなると、それはすでに利害が生じる関係です。犬を人が飼うことそのものが利害が生じていると感じられるのが現状ではあります。ですがその現状を受け入れつつも、こうありたいという思いを持ち続けていきます。
その姿勢の中で知った犬の真実をわかりやすく伝える方法についても考えています。最も伝わりやすい方法として、家庭訪問でのレッスンを中心にして活動をしています。飼い主さんといっしょに考え、犬との暮らしの場で対面してお話しすることが一番伝わりやすい方法だと自分の経験の中から実感しているからです。ですが、今年はもう少し異なる形でもチャレンジしてみたいなと思っています。まだ構想中。構想のまま一年を終えてしまうかもしれませんが、チャレンジしようかなと思っただけでも少しの前進かもしれません。

犬と人の間に起きていることは、しつけやトレーニングといったやり方で解決されますが、これはあくまでその形であるだけです。実際に犬と人の間に起きていることは、関係と環境に関する問題であり課題であると捉えています。だからこそ、今年は犬を飼っていない方々にも伝えられるようなメッセージを準備したいなと思っています。

年末にはまた草履をとられました。回収した草履のうち2個を山の動物に持っていかれました。イノシシはテラスのすぐ脇まで来て地面を掘り返しています。動物との境界線、人との境界線、犬との境界線。すべてを上手に守りながらバランスよくつながってお互いの力を高めていけるように。

今年もいっぱい学んで悩んで考えて、少しでもお役に立てれば幸いです。

dav
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