グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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Monthly Archives: 11月 2016

犬の「伏せ」トレーニングの注意点

犬が4つ脚で立っているところをイメージしてください。
つぎに、その姿勢から犬が伏せる姿をイメージしてください。

さて、あなたのイメージした犬はどのような体勢で伏せたでしょうか。

イメージ1 立っている状態から座り、座ったあとに前脚を伸ばして伏せる。

イメージ2 立っている状態から前脚をさげてお辞儀のようなポーズをし、そのあと後ろ脚を折りたたんで座る。

イメージ3 立っている状態から4つの脚を同時にたたみこむように地面に水平に腹部をつけながら伏せる。

イメージ4 立っている状態から後ろ脚を崩すようにしてすわったあと、腹部を床につけて伏せる。

イメージ5 立っている状態からクッションなどに倒れこむようにしてズドンと伏せる。

他にも何か違う形をイメージされたかもしれませんがいかがですか?
ここで取り上げたい犬の動作とは、犬が自分から伏せたときの行動についてです。人が合図や号令をかけてそれに応じて伏せるときではありません。

普段は犬が伏せる行動を、号令でさせる場合にはほとんどの方がはじめにオスワリをさせて、その後にフセの合図を出すことが多いようです。フセを完全に覚えてしまえばすぐにフセをするようになりますが、その際にも、犬は一旦座ってその後伏せるという、イメージ1の動作でフセの合図に反応することが多いです。犬が座る動作や伏せる動作をするのは、人に合図されたときだけではありません。犬は自律的に伏せるときはこのような体の使い方をしません。

犬は自らの必要性に応じて座ったり伏せたりすることがあるのです。伏せる行動をコミュニケーションとして、また一定の目的を果たすためにすることがあるのです。

犬が伏せるとき、最も多いのは休むときです。犬に落ち着ける休むスペースがある場合、たとえばベッドやクレートなどのやわらかいところへいきそこに伏せます。イメージ5のようにズドンと腰を落とすこともあるし、一旦後ろ脚を横に曲げるようにしてゆっくりと伏せる場合もあるでしょう。ズトンと腰を落としてしまうのは、老犬になって筋力が落ちてしまった場合や、成長過程で背骨が変形してしまい背骨が湾曲したようになっている場合です。背骨の動きが硬いためそんな伏せ方になります。

他に、犬が伏せる行動は服従行動でみることができます。お辞儀のポーズのようにしたあと伏せることが多いでしょう。数ヶ月の子犬が成犬の横に来て、犬が通り過ぎるときや近づいてきたときに伏せをして顎も床につけていることがあります。きちんと服従姿勢になるときには顎を床につけ尾も一旦とまります。土下座でいったら頭を地面につけているような感じでしょうか。お殿様に「ハハー」とひれ伏す姿勢です。服従姿勢に近いけれど少し違う体制のことがあります。伏せのあと飛び上がろうとするときには顔を上に向けています。そのままジャンプして飛びついたりすることがあります。伏せの動作にも次の行動にうつる要素が入るため体重の安定度で気持ちの動きも測れるというわけです。

他には、隠れるときに伏せの動作をします。わずかな草むらのなかに伏せをして身を隠している犬を見ることがあります。このときはゆっくりと四肢をたたみこむように音もなく伏せて相手から気配を消します。たまに散歩中にこの伏せの体勢をとって相手が通り過ぎるのを待つ犬がいます。ところが草むらがありませんからすぐに見つかってしまいます。伏せている犬に対して顔を背けて通過すればその犬は伏せたままでしょう。伏せた犬をちょっとでも見てしまうと、見つかったことになり跳びかかってきたり作戦をかえます。
他の場面でも隠れるときに伏せる行動を使うときには、この四肢を折りたたむゆっくり伏せるが王道のようです。

四肢をたたむようにゆっくりと伏せるためには背中がまっすぐでないとバランスが悪いのです。
背中が丸くなっていると前脚を二つおりにするようにして伏せてしまうことがあります。後ろ脚が横に開いたり、たたれずに後ろに伸びきってしまう場合にも背骨の使い方がうまくいっていないということです。
純血種の繁殖の過程で、犬の体型にいろいろな不具合をきたしています。人が改良したといわれていますが、純血種は人為的な繁殖であり犬のための繁殖ではありません。犬の体型はくずれてしまい自然な動作も崩れています。

自律して伏せるという動作には、犬が人から強化された行動は入りません。たとえば、伏せるとオヤツがもらえるということを期待したり要求するために伏せるという行動をするときには、自律した行動ではありません。それは人が食べ物によって強化した行動ということです。自律性はごほうびにささえられないのです。バランスのとれた体型の自律した犬の伏せる動作はとてもきれいなものです。犬という動物が、その美しい姿を人の繁殖によって失っていくというのも悲しい気がします。

また、先日ブログでご紹介したようにすべる床面が体の動きに負担をかけています。いつもベッドの倒れこむように伏せている犬は犬の背中をよく見てください。少し丸くなっていませんか?
環境を少しだけ改善するだけで、犬の体への負担はなくなります。そして、犬の体のつくりは犬の精神的な安定にも影響しているのです。

明日はこのおはなしにつなぎます。

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犬の社会的行動:人に対する行動と犬に対する行動の違い

昨日のブログで、犬の「行動」と「心理」についての陥りやすい間違いについて書きました。
先日の犬語セミナーで取り上げたのは、人に対する行動と犬に対する行動、他人が犬に与える影響と、犬が犬に与える影響の違いについてです。これは犬に関わらず動物の行動を観察し理解する上で、必ず通る道なのです。

みなさんは不思議に思ったことはないでしょうか。
犬を見たら興奮したり吠えたりするのに、人には吠えない。
実際には外で犬と遭遇するときには犬はリードにつながれています。
犬と遭遇するときには同時に人に遭遇することにもなるため、行動に対して人が全く関与していないというわけではありません。しかし、人とすれ違うときは全く反応を示さないのに、犬とすれ違うときには反応を示すということであれば、人に対する行動と犬に対する行動は違うということになります。

これは驚くべきことではありません。むしろ犬としての正常な反応です。
なぜなら、動物の行動は、同じ種類の動物に対するときと、別の種類=異種や生きていない非生物に対するときでは異なるという行動の原則を持っています。犬の行動を種類別にわけるなら、犬が同種の犬という動物に対して行う行動はすべて「社会的行動」ととらえることができます。犬が他の種、たとえば人や他の動物を社会的対象と理解するようになれば、これらの対象に対する行動も社会的行動となるわけです。

普段、部屋の中では人に対しておとなしく行動している犬でも、他の犬の姿を見ると興奮したり吠えたりする場合には、その行動はその犬の社会的行動を表現するものとして着目する必要があります。
たとえば、散歩中に排尿行動としておこなうマーキングによるテリトリーを示す行動は、人に対して行われているものではなく犬だけの世界の中で行われているものです。里山ではそれが自然と境界線となり野生動物に対するメッセージになることがありますが、それも社会的関係のひとつであるといえるでしょう。

他の犬とすれ違うときに全く犬に関心を示さない犬もいます。そういう犬がいるというよりは、そのようにトレーニングすることも可能です。たとえば、他の犬とすれ違うときに飼い主を見ると報酬が出るという強化法によって他の犬に対する関心を落とすこともできます。ところが実際にこれらの犬が、こうした状況ではなく自然に犬と出会ってしまったりリードがない状態で犬同志が接するような事態になると、非常に不自然で不安定な行動を見せます。飼い主の後ろにかくれたり、飼い主をじっとみていたり、椅子の下に隠れたり、走り回ったり、過度に威嚇したり追い回したりする行動です。

リードなしで犬とあう機会などないのだから、犬と犬の社会的行動など必要ないと思われるでしょうか。
犬の犬に対する社会的行動は、その犬が犬という種である証でもあるのです。無作法な吠えを容認するつもりはありませんが、他の犬に対して無関心になり犬という動物でなくなることに比べれば、ずっと犬という動物としての成長が期待できる状態だと思います。

先日ある生徒さんに「長い留守番やいろいろと犬のためにしたくてもできないこともある。犬の幸せってなんでしょうか。」と尋ねられました。すごく個人的な答えになりますが、「犬が犬として生きていくことではないでしょうか。」とお答えしました。

その犬として生きる伴侶として、犬は犬をもしくは人を選ぶこともあるのだと思っています。
犬が犬として成長でき、犬として生きる環境を整えることは難しいことです。
それでもあきらめません。
犬は犬であることがなによりもすばらしいことだと思います。

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犬語セミナーで学ぶ犬の行動と心理

昨日は七山校で犬語セミナーを開催しました。
ビデオの中に出てくる犬の飼い主さんも参加者の中にいたので、飼い主さんの目でみる犬ということも含めて、犬の行動と心理についてみんなで深く話しをしました。

犬語セミナーの目的は、まず最初の段階として「行動をよみとること」です。
犬のすばやい行動の中から、小さな単発の行動とその組合せを視覚的にとらえ、聴覚的にきいて書き出すだけでも大変な作業です。見慣れていないと犬の行動を細かに見ることはできないのです。

なぜ正しく見ることができないのか。
なんとなく見ているうちに自分の頭の中で勝手に解釈が進んでしまい、ストーリーができあがっていたりするからです。脳は見たものを結論付けるとそれ以上そのことに関心を示そうとしなくなります。

犬の行動を正確に見て書き出すためには、つねに疑問をもってみる必要があります。常に本当にそうだろうかという疑いをもってみていると、見えなかったものが次々に見えてくるからふしぎですね。

この読み出した行動を種類別に分析しながら、犬の行動の裏にかくれる心理についても読みといていきます。動物の「行動」は見えるものです。「心理」は行動が表現する心理と、行動しないものが表現する心理のふたつがあります。行動は心理の働きも含むのですが、行動=心理ではなく、行動はあくまでも心理を知るてがかりのようなものに過ぎません。

動物の「行動」と「心理」で間違えてはいけないことは、ここでいう「心理」=「学習心理」ではないということです。特に犬に関する情報であふれかえっているものは、犬の学習心理に関する情報です。犬の学習心理をどのように操作すれば犬が人が求める行動をするようになるのか、もしくは人の拒否する行動をしなくなるのか、人の犬に対する関心はその部分に集まりやすいのです。そのことが、犬の学習心理を犬の心理と取り違えることになります。人の知りたい犬の気持ちがすべて犬の心理ではないと理解すれば、犬の世界はもっと大きく広がるでしょう。

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草履紛失事件:策をねる

このブログが草履紛失事件の主にのっとられそうになっていますが、引き続きお知らせします。
昨晩なくなったものは以下のとおりです。
・青い草履の片方
・椅子の上に乗せておいた一度回収したピンクの草履の片方
・机の下においてあった食べかけの柿1個
これらが跡形もなく消えていました。

回収したものは1点。
生徒さんが山歩きの最中に落したものを探しに山に上がった際、2番目になくなったブルーの草履のうちの片方を見つけてこられました。発見場所は、ワンコ山の頂上付近の尾根の一部です。1週間前には同じ場所にはなかったので、一旦テラスからどこかへ持ち出したあとにさらに移動したことで落としていったのだと思われます。いくつもの歯型が見られました。しっかりとした歯型である程度のサイズのある動物であることが伺えます。怪しい、間違いなくイヌ科動物の仕業です。

昨晩は椅子の上に置いているものはとることがないと油断してしまい、回収したピンクの草履をふたたび取られてしまったことに愕然としました。予測がはるかに甘かったということです。
二つ目の草履の発見場所が山の上付近であったことから、家周辺の藪や巣穴への持込説が否定されることとなりました。山歩きの最中にくまなく草履を探しながら、犬たちにも「草履を探してください」と声をかけたりしたのですが、あいにく草履探しに熱心な犬もおらず、結局新たな草履は見つかりませんでした。

次の一手をどのような策にしようかと考えましたが、ここはやはり童心にかえってみようと思います。それで手紙を書きました。

手紙は細くおりたたんで、ひとつのこっている赤い草履に結び、持ち帰るのを待つことにします。

dav





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三度草履がなくなったこと

今月に入りブログを継続してご覧いただいている方は、
草履紛失にまつわる事件の成り行きを見守ってくださっていることでしょう。
野生動物や山の中の生き物に関心の高い知人やブログの読者からは、
「あのあとどうなった?草履はまたなくなりましたか?」と聞かれます。
最後の草履がなくなってからしばらく動きがなかったため、草履事件はひとまず決着がついたように思えていました。犯人が結局どの種だったのか、どこへ草履を持って行ったのか、なんのために草履を持っていったのかなど、事件は謎を含んだまま終わりと告げたように思えたのです。しかし、今日次の動きがあったことを確認しました。

三度、草履がなくなっていたのです。
しかも、草履の持って行くパターンが今までとは違うものになっていたのです。
テラスには二つのドアが離れてついているのですが、その各ドアの前に草履がひとつずつ置いてあります。片方には赤い250円の草履、片方は青い100円の草履でした。
なくなっていた草履は、その片方ずつなのです。赤いのが片方、青いのが片方なくなっていました。

この休戦期間がはじまったのは、片方に絹糸をつけられた草履が1足なくなってからでした。小さな絹糸の衝撃が動物の行動に警戒心を芽生えさせたのだとしたら、それ自体がすごいことだなと思っていたのです。この絹糸をつけた草履がなくなるまでは、いつも1足、つまり2個の草履がいっしょになくなっていました。一晩で1足を持っていくという行動だったのです。ですが、今回は2足のうちの1つずつがなくなっていました。数日確認していなかったので、一晩で2個なのか1晩で1個ずつなのかがわかりません。絹糸をつけていたときは片方だけだったので、絹糸の学習から片方ずつしかもっていかなかったとしたら、高度な関連付けの学習行動です。今まで一度に1足だったのが、片方になった理由が絹糸かどうかもわかりませんが、行動の変化が見られたことは確かでした。その上、直前まで犬たちがテラスですごして臭いつけをしていたのに、野生動物がテラスに接近したということも再度の驚きでした。

もうひとつ足跡がありました。その足跡とは、柿の実の一部が食べられていたことです。
ずっとテラスの下においてあって、テラスをウロウロする犬たちが目もくれないような熟した柿でした。
熟した柿。オポならすぐに見つけてその前で四つ脚でまっすぐとたち、柿を見つめ続けて私が来るのを待つ姿が想像できます。一般的には、柿を食べるかどうかは犬にも個体差があるようです。食べる犬もいれば関心を示さない犬もいる。食器に入れたり手で差し出すと食べるけど、という犬もいるでしょう。
この足跡を残した容疑動物が、草履犯動物と同じかどうかは不明です。

不思議な草履紛失事件。一体犯人は誰なのか。野生動物は何を考えどのようにして草履を持ち出したのか。
謎は深まるばかりですが、この野生動物との不思議な距離感と動物への好奇心は、人という動物の特権であるような特別な気持ちがします。

ぞうり

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犬の飼育環境は犬の精神をつくる環境である:犬が安心して過ごせる床材

犬のトレーニングの中でまず最初に取り組むべきことは、生活環境の整備です。
整備の中には、様々な見方による整え方があります。
その見方の中には、犬にとって快適で安全な環境とはどのような環境かという視点です。

快適で安全な環境と聞いて思い浮かぶのはどんなことでしょうか。
たとえば、水がいつでも飲める、室内の温度が適切に管理されている、部屋が清潔に清掃されているということも、それらのひとつにはいるでしょう。
その中でも、室内飼育の場合には、室内の床面の素材については慎重に選択してほしいものです。

室内の床面は人にとって快適であるように作られています。
特別な環境ではない限り、床面は畳、フローリングのどちらかです。
人が歩きやすく、心地よく、掃除がしやすいように作られている傾向が強いようです。

その、人にとっては快適な床の環境が、犬にとっては苛酷なものになっていることがあります。なぜ、そのようなことが起きるのかというと、人と犬では足裏の地面を支えるつくりが異なるからです。
犬の足跡のマークであるパウ型を見ると、地面についている指の部分がわかります。
実は、このパウ型にない別の部位が地面に着地してバランスをとっています。それは、犬の脚の爪です。
なぜ犬のパウ型から爪の部分がなくなってしまったのか、デザイン上なのかそれとも犬の爪を人が切るようになったことで床部につかなくなってしまったからなのか、よく理由はわかりません。
お手本になる犬のパウ型はドイツのアウトドアメーカーのジャック&ウルフスキンのパウマークです。これは、オオカミの仮面をかぶったジャックという犬という意味のマークなのでこのマークは犬の足跡をデザインしたものです。指の上についた部分が爪の先が地面に着地した部分です。こんな感じです。

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これが、人と犬の足裏の使い方の大きな違いです。この違いが人が選択した快適な床面が、犬にとっては快適ではない素材となってしまう理由です。犬の爪は鉤爪という形のもので、その爪の先は地面に食い込んで体を支えるようにできているのです。

最近では家の洋風化が進み床の素材はほとんどがフローリングになっています。一部はテラコッタのようなタイルになっていたりします。どちらの素材も硬くすべりやすいものです。犬の爪が伸びていると爪が床にあたって曲がってしまうことがあります。そのため室内飼育の犬の爪を人が短くカットしてしまいます。こうすることでフローリングにあたらないようにするのですが、このことは爪で地面をささえられないという問題を生じます。

もうひとつの足裏の違いは皮膚の違いです。人の足裏の皮膚は他の皮膚とたいした違いはありません。これと比較すると犬の足裏の表面は他の皮膚の部分と明らかに違っています。これらも、人と犬の地面の感覚を異なるものとする違いなのです。犬の足裏ではフローリングやタイルではすべりが生じてしまい、いつもつるつるとすべりながら歩いています。人が氷の上にのったような感覚になり、すべるのを四つ脚に力をいれて踏ん張ろうとするため脚に負担がかり、結果背骨がとても堅くなったり丸くなったりしてしまいます。人にとって快適で安全な床が、犬にとっては不快で怪我をしかねない危険な環境になっているということです。フローリングと共に畳も意外と滑りやすい素材です。

では、犬にとって快適で安全な床とはどのような床でしょうか。
最適であるのは犬が本来歩いていた土のある地面なので、その地面の質にできるだけ近いものということになります。やわらかく湿度が適切にあって…。地面と同じ質のものは室内には実現できませんが、まず選択するならじゅうたんです。それも、軽くて動いてしまうようなじゅうたんではなく、重みがあってしっかりとした素材のものです。
ホームセンターで販売している裏面がゴムで表面がウールやコットンなどの天然素材になっている張り合わせるようなじゅうたんでも、ある程度の快適さが実現します。
コルク素材を使われる方もいます。犬用にすべりにくいコルクというものもあるようです。床面そのものが犬にとってすべりにくいタイルとして提案されているものがありますが、実際には触ってみないとわかりませんので、実物をよくみてある程度の弾力のあるものをお勧めします。犬が本来移動する土は、大変やわらかく犬の体重の衝撃を吸収してくれます。

室内の床は室内犬が生きる時間の多くの時間を費やす場所です。すべりやすい床は身体的に故障をきたすだけではありません。不安定な床面によって不安を抱きやすく、落ち着きのない性質をつくることにもなります。

大切な犬のために、床の素材には余分に予算をさく価値があります。
まずホームセンターのじゅうたんから始めてみてください。

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明日「山崎恵子先生セミナー」です。

明日23日(日)は山崎恵子先生のセミナーが福岡で開催されます。
詳細はこちらでご確認ください。

昨日は山口先生による動物福祉セミナーのお知らせをしました。今年は自然療法セミナーの企画開催、チャリティ犬語セミナーなどセミナー続きですが、価値のあるセミナーが開催されることはワクワクします。

仕事でなくても日常のことでも、何かを学びたいなと思ったらマンツーマンか少人数で習得するのが一番良いと思います。講師の先生と対面になる機会があってこそ実践の学びは進むからです。
その学びの中でも、具体性や、実践の学びを深めていくなかで必要な選択の力を自分の中につくりあげていくためには、日々の生活に必要だと感じられないようなことかもしれない大きなテーマや客観的な視点で考える時間として、こうしたセミナーは多いに学びの機会になるのです。

自分もセミナー講師をすることが仕事のひとつであるため、セミナーの内容の企画や構成についてはいつも考えます。個人差は承知の上で、一般的には、ハウツー版セミナーが多くの方を対象にして人気があります。インターホンに吠えたときにはこうしたらいい、散歩中はこんなテクニックを使う、こうしたことは、考えなくてもすぐに実践できるので、ハウツー版セミナーは人気があるのだろうと思います。

これと比較すると、自分で考えることを要求するようなセミナーは、終了後も考えが継続するため消化不良になるような感覚を得てしまいます。実はここはとても重要なことです。この具体性の提示のないセミナーでは、自分で考える必要性が生じるため学びが継続してきます。どんな問題も、自分で考える力をつけ実践をくり返してこそ、またその先の楽しみもあるというものです。

チャリティ犬語セミナーも「犬のしつけの方法かと思ってたのに違っていた」という感じを持たれた方もいたことでしょう。犬と人の関係性は「しつけ方」だけでは築いていけないのです。それは関係性のテクニックでしかなく、犬の行動が改善して「おりこうさん」になったときに、関係性は逆に悪化していることがあるのです。真に犬との関係を築いていきたい飼い主さんは、この「お互いの関係が良くない」ということに気づきます。

山崎恵子先生のセミナーは、終わったあとものすごく考えてゆっくりと消化してそして実践して自分のものにしていくのに時間のかかるセミナーだと思います。そしてそんなセミナーは大変貴重なのです。
「人と動物の関係を考える」ことから、人と犬の関係もはじまるのです。

明日のセミナーどうしようかなと思っている方いたら、まだ少しですがお席が空いているようです。グッドボーイハートの電話番号でも構いませんのでぜひ連絡してください。

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セミナー開催「動物福祉の視点から犬猫の殺処分ゼロを考える」

動物福祉のスペシャリスト「山口千津子先生」講演の勉強会がこの福岡で開催されます。動物福祉という考え方がやっと国内でも少しずつ浸透しつつあります。以下がセミナー開催の案内です。

***************

動物福祉の視点から犬猫の殺処分「0(ゼロ)」を考える

「動物福祉」という言葉を知っていますか?
「動物愛護」と「動物福祉」の違いについて考えたことがありますか?
このセミナーは、日本動物福祉協会の山口千津子先生を講師にお迎えして、
動物福祉の基本概念とその実践の方法について学ぶことで、犬と猫の生活の質(QOL)を高めるための基本姿勢を身に付けることを目的としています。
また、平成28年4月に起きた熊本地震によって混乱を生じた動物保護施設の実例をもとに、動物福祉の視点から犬猫の殺処分の問題についても考える機会としたいと思います。犬猫の保護活動に携わるボランティア、行政、動物取扱業者の皆様には、実際の保護活動の場で活かせるヒントを得ることができます。
一般の飼い主の方、動物と暮らしていない方にも、ぜひ聴いていただきたいセミナーです。
たくさんのご参加をお待ちしています!

・講師 山口千津子先生 プロフィール
社団法人日本動物福祉協会 特別顧問 獣医師
大阪府立大学農学部獣医学科卒業後、英国やカナダで動物福祉に関する研修を受け、英国RSPCA(王立動物虐待防止協会)インスペクター(動物査察官)の資格を得る。
1981年帰国後、(社)日本動物福祉協会獣医師調査員として国内での動物福祉の推進のために活動。動物福祉についての講演多数。雲仙普賢岳噴火や東日本大震災をはじめとする緊急災害時においては、被災動物救護活動にも携わる。

・日時 2017年1月28日(土)14時~16時(受付13時30分~)
※終了後に質疑応答の時間をとります。

・場所 福岡市立博多市民センター視聴覚室
(福岡市博多区山王1-13-10)

参加無料

・申込み 事前申込が必要です。(定員あり)
お名前、連絡先を明記の上、メールか電話にて以下にお申込みください。
【連絡先】メール kumanimal.gp@gmail.com
電 話 092-409-0749(GoodBoyHeart内)

セミナーチラシのPDFデータはこちからダウンロードしてください。
動物福祉の視点から犬猫の殺処分ゼロを考えるセミナーチラシ

チラシにはセミナー用ブログやフェイスブック情報が掲載されています

セミナー告知用フェイスブックアドレスはこちらからどうぞ。

フェイスブックQRコード
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定員がありますので関心のありそうな方々にこの情報が伝わるように、情報の共有をしていただければと思います。

今この時期に、山口先生を講師に迎えたセミナーで動物福祉について考える機会をいただけることは本当にラッキーなことです。ぜひお早めにお申込ください。
グッドボーイハート生やブログをご覧のみなさまは、グッドボーイハートでも受付をしています。
ご氏名、ご連絡先を添えてこちらのメールにご連絡下さい。→goodboyheart7@gmail.com

たくさんのご参加をお待ちしています。

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子犬の社会化トレニング:子犬と外出

犬の子犬期間は乳歯の生えている生後5ヶ月から6ヶ月までをさしますが、一日で成犬になってしまうわけではありません。犬は人との暮らしにより成長が遅れがちであるため、生後8ヶ月くらいになっても子犬のような状態であることがあります。

発達が遅れがちだなと感じるのがテリトリーの構成です。テリトリーにはいろいろな領域のとらえ方がありますが、ここでいう不安定なテリトリーの構築とは生活圏=ホームレンジといわれる生活の場です。生活圏はいくつかのテリトリーの境界線によって作られており、一番外側の生活圏が散歩の場所ということになります。

子犬にとって散歩の場所が安定した生活圏になったと把握できる行動は、排泄行動によって表現されます。犬の排泄行動は、犬のテリトリーによってその場所がかわるため、視覚に頼る人にもわかりやすい情報源です。

子犬の発達が遅れ生活圏が不安定だなと感じられる理由は、散歩中に排泄行動がナチュラルにできないということです。散歩中に排泄をできないと、歩きながら排泄する、いきなり立ち止まり排泄する、アスファルトの上で排泄してしまう、などがそれにあたります。これらの行動は、子犬のテリトリーがまだ不安定ですよ、というお知らせとして捉えてください。

ところが、生活圏が不安定な子犬を、郊外の公園やドッグカフェ、ドッグランなどに車で連れていってしまう飼い主さんが多いのです。もちろん、飼い主さんの方は犬を喜ばせたいか、犬と楽しく過ごしたいという愛護の気持ちであることは理解できます。なかなか犬と過ごす時間がなく、子犬と休日を満喫したい、それには日常の散歩コースでは満足できないから遠出しようという人側の提案です。しかし、ほとんどの飼い主はこうした状態の子犬を連れ出すことが、子犬の社会化を後退させてしまうということに気づいていまん。

子犬を外に連れ出す理由は、実際に連れ出した子犬が吠えたり興奮したりしないために、子犬はその環境に順応していると思い込んでしまうためでしょう。もしくは、新しい場所、人、犬にあわせて経験させることが社会化だと勘違いされているからかもしれません。
犬が他の社会的対象(他の犬や人)に対して攻撃的に吠えるようになるのは、早くて1歳前後、遅ければ2才近くになってからです。子犬のころは緊張していても、動けずにじっとしていることがほとんどです。あまり多くのストレスがかかると子犬は寝てしまいます。人の子供が飛行機や乗り物に乗るとすぐに寝てしまうのも、身体的なストレスがかかるためです。連れ出した子犬や、帰宅後にすぐに寝てしまうのはストレス行動でもあるのです。いつもとは違う人や犬の多い公園やカフェ、ドッグランに出かけ、「帰ってきたら満足したようでよく寝てくれるんです。」という飼い主さんもいます。本当に満足して寝ているのでしょうか。多大なストレスがかかって寝ている場合もあるということもあります。

これらの行動が社会化を後退させる経験だったということは、犬が1歳を過ぎてから他の社会的対象に対して出てきます。子犬の経験が実際の社会行動に表現されるのが数ヵ月後ということですから、一瞬一瞬の犬の行動を理解する力がなければ、気づいたときには子犬の社会性はかなり落ちているということです。

子犬期の社会性の発達は、犬の生涯のストレスに影響します。まず、わかりやすいお知らせ行動に注目してください。散歩コースの中での排泄行動がナチュラルな状態で行われているかどうかをチェックしましょう。この行動が安定するまでは、お出かけは控えることです。不特定多数の人や犬が出入りするドッグラン、ドッグカフェ、大きな公園はおすすめできません。子犬といっしょに出かける場所を作りたいなら、知人の家などを借りましょう。同じ場所に何ども訪問して、テリトリーの所有者と関係を深めることで、その場所で子犬が居場所を作ることができて排泄を自宅と同じように正常にできるようになるという場所を探してください。

子犬は発達の段階でたくさんの可能性を秘めています。そしてそれはすべて飼い主さんにかかっているのだということは言うまでもありません。
大切な社会性の発達=社会化は、あちこちへ連れ出すことではありません。
飼い主との関係、安定したテリトリーが子犬の基盤になるのです。

dav
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週末の月下虫音を聴いてください。

ラジオ放送LOVE FMの番組「月下虫音」は、大田こぞうさんがパーソナリティをつとめる番組です。平日の月曜日~木曜日までの22時~23時30分と、日曜日の22時~23時という、みなさんがまったりとしている、もしくは布団の中に入ってうつらうつらとしている時間に聴けるとても素敵な番組です。

何か素敵かというと、いろいろとありますが、やはり他の番組にはない「生きもの」をテーマにしていること。「生きもの」から自分を学ぼうという姿勢に溢れた内容で、大田こぞうさんの純粋な視点にワクワクさせられる番組です。

その日曜日版で、ときどきグッドボーイハートのブログを朗読してくれているのです。朗読として大田さんが取り上げてくれるのは、大田さん自身も納得、伝えたいと思って共感しれくれた内容です。
今週の日曜日、11月20日の22時から、またブログを読んでくれるとのこと。
すでに録音されているらしく、どのブログが読まれるのかとても楽しみです。

ブログはとにかく感じたことをどんどんと更新していこうという、走り書きのような状態なので、誤字脱字、言い間違え、うち間違え、文章飛んでるし、とかいろいろと不具合はあるのですが、その辺は大田さんの力量でなんとかしてね、とお願いしています。

感じたことを時間をかけて自分の中で膨らませたことも書いていますが、ついつい長くなってしまいます。言葉という2次元の道具ではとても伝えきれない、やはり3次元の世界でないと伝えられないなと思うことばかりです。

それでも、まず2次元で整理して、3次元で体感してもいいではないかとも思うのです。言葉や文章の難しさというのはありますが、言葉によって整理されることも多少はあると感じます。

大田さんがブログを朗読してくれると、分かりやすいなとか、分かりにくかったなという部分が自分でも再認識されて、とても助かります。できなかったことはできなかったこととして認めていかなければ、進んでいくこともできません。

月下虫音にはいろんな部活動があるらしいのですが、その中に「犬部(いぬぶ)」というものがあります。大田こぞうさんが部長のクラブらしいです。
私もなんだか役職をいただいたような気がするのですが忘れてしまいました。
ぜひ、ラジオ番組の犬部あてに、犬についてのいろいろを送ってみてください。月下虫音を聴きながら、みなさんはそんな風に感じたり思ったりするのだなと、自分の勉強にもなっています。

ということで、11月20日の月下虫音をぜひ聴いてください。
聴き逃した方は番組放送から1週間は、ラジコのタイムフリー機能という
すごい機能で聴くことができます。うっかり「寝落ち」するわたしも活用しています。

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