グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬が初老を迎えるとき

犬も10歳を過ぎると初老になります。
体型が若いころと変わってきたり、
体の動かし方に少しずつ変化がみられたり
消化機能に変化があって体調を崩したりすることもあるでしょう。

家庭、特に室内で飼育されている犬の場合には
食べものや温度変化が管理されているため、犬は長生きになったなと思います。

四つ足の動物で10歳といえば相当の年齢です。
イヌ科動物のタヌキでも野生下での寿命は6歳~8歳くらいです。
人の飼育によって犬が長生きしているとはいえ
かなりの年齢になっていることは、他の動物を比較するとわかります。

でも、犬の場合には、特に純血種の犬においては、
人が可愛いと思うような容姿を備えているため、初老になっても幼い顔立ちをしています。
頭が丸くって、目が大きく、耳が垂れている、とかですね。
それに顔周辺に白い毛色が多いと、白髪もほとんど目立ちません。

だから老犬になっているという事が飼い主さんには伝わりにくいのかもしれません。
犬の寿命が15歳とか18歳とかいわれていることも、
11歳や12歳はまだ若いと思ってしまう要因なのかもしれません。

でもですね。
老いは突然やって来るのではなく、じわじわとやってくるのです。
老いを感じ始めている年齢、人だと50歳以上にもなれば
若いときのようにはいかないなと思うことが出てくると思います。

犬も同じです。
若いときのようにはいかないな、と思うことが出てきているのです。
それが初老です。
だからといって年寄りというわけでもない以降期の年齢です。
老年期というのは早すぎるし、壮年期から老年期の以降期という頃です。

「散歩のときに自分より後ろを歩くようになってしまって…
これって散歩に出た方がいいのか、歩かせない方がいいのか、どっちなのでしょうか?」
というご質問をいただきました。

質問の答えは、どのような場所でどのように過ごすか、ということです。
犬が好むやわらかくて、きれいな土の匂いのする空間はなかなかみつかりません。
たくさんを歩きたいわけではなく、少しウロウロしたり休んだりできればいいのでしょうが、そんな場所は近くにはないのかもしれませんね。

他の犬とのテリトリーにも問題が生じます。
とくにテリトリーを主張するタイプの犬になると、他の犬が集まる場所や
公園やドッグランなどには行きたがりません。
自分の力の及ばないことはわかっていますから、今度は自分が排除されるだけになります。
次第に散歩で歩く範囲も狭くなってきたり、逆にテリトリーを離れてしまった方が落ち着いてくることもあります。

都心暮らしの方には初老の過ごし方が難しくなってくるかもしれません。
犬と飼い主さんだけでゆっくり過ごせる、田舎の休憩所が必要なのかもしれません。

ともかく、初老になっていろいろな変化が見られてもビックリしないでください。
長生きをすることを心の中では望んでいても、
長生きをさせることを目的としないで、今日どのように過ごせるのかを大切にしてあげてください。
犬は単純な生き物ですし、それも犬の魅力のひとつです。
3年先のことよりも、今日を、今をどう過ごすのかが犬にとって大切なのです。

余震が続き不安も続いていきます。
地面にたまったエネルギーが少しずつ放出され始めています。
そんな時代だからこそ、いらないものを手放して
自分が大切にしているものを、もっと大切にしていきたいですね。

犬との時間には、たくさんのヒントが隠されています。
初老になっても犬は楽しむことをいっぱい知っています。

まる20160507

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