ゴールデンウィークを前にして名古屋在住のはなちゃんの飼い主さんから連絡をいただきました。
「今年のゴールデンウィークにはなを預かっていただきたいのですが…」というご相談でした。
黒柴犬のはなちゃんの飼い主さんははなちゃんが子犬のころにオンラインクラスを利用してトレーニングクラスを受講されました。
受講のご依頼を受けたときは、遠方だし近くに対面でアドバイスをもらえるドッグスクールがあれがそちらがいいのではないかというお話もしたのですが、どうしてもグッドボーイハートで学びたいという意欲を持っていらっしゃったので、お引き受けすることになったのです。
一年間ほどオンラインクラスを受講されて、はなちゃんはすくすくと成長していきました。
飼い主さんも定期的にはなちゃんと山歩きに出かけたりと、犬との暮らしを楽しんでいらっしゃるようでした。
そして「いつかはなを預かってほしい」と言われていたときに、コロナがやってきたのです。
移動が難しくなり、はなちゃんの預かりの話はそのまま流れていきました。
そのはなちゃんの飼い主さんから「あれから時間がたってはなももう4歳になったのですが、どうしても一度そちらに連れていきたいのです。」という連絡を受けました。
一度、はなちゃんに会ってみたいと思っていたこちらの方は大歓迎でお迎えの準備をいたしました。
名古屋から飼い主さんの車で移動してきたはなちゃん。
私と会うのも初めて、全く知らない場所で全く知らない犬たちとの合宿が始まりました。
「あなた誰?」「ここはどこ?」「お父さん、お母さんは?」
はなちゃんにとっては疑問だらけの預かり開始となり、なかなか警戒を解いてくれません。
ここは話のわかる犬同士でと、小鉄くんやバロンくんの手伝いも借りながら交渉を続けていきます。
小大将の柴犬の小鉄くんからしてもはなちゃんはお姉ちゃん犬です。
遠慮しながらの接触となりましたが、あまり積極的に関わることがなくガードの堅さが見受けられました。
連休にレッスンに来た女帝のゆいちゃんは弟分のチャメルくんにも参加してもらいました。
鼻高々にテリトリーを主張していたはなちゃんもゆいちゃんには少し尾を下げていました。
天候が良くてかなり時間を屋外で共に過ごせたことで、はなちゃんの行動は少しずつ変化してきました。
自宅付近や友達などで関わりを持たせられる犬が見つからなかったとのことでしたので、他の犬たちの関係については少し不安な部分もありました。
しかし、飼い主さんが真剣に育て上げられていましたので、拒絶や威嚇はなく、強く押しすぎることもなく、かといって逃げたり隠れるということもなく、自然と犬たちと関わるようになってきました。
最終日には、飼い主さんといっしょに尾歩山をトレッキングしました。
他の犬たちやプライベートクラスで参加した黒柴のななちゃんもいっしょにちょっとしたグループトレッキングができました。
トレッキングのあとは、散歩中のリードワークを実践で指導しました。
オンラインではなかなか伝わらなかったリードの使い方を、手取り足取りで実践していただくと、リードワークでの動きはとたんに美しい形に変わりました。
トレッキングクラスとリードワークの練習のために、飼い主さんと子供さんは日帰りで飛行機を利用して七山まで来て下さり、お父さんははなちゃんを車に乗せて長い道のりを名古屋へ向けて帰っていかれました。
はなちゃんの飼い主さんに「先生のところで学んで本当に良かったです。」と言っていただけたのですが、私の方こそ共に学ぶ機会をいただいて本当にうれしかったです。
実は、はなちゃんが到着するまでは、すごくがつがつとしたやばい柴犬を想像していました。
オンラインクラスでは映像があまり鮮明でなく、子犬のはちゃんの甘噛みに格闘するブレブレの激しい映像をみながら、相当やるやつなのかなと想像していたのです。
預かり希望が入った時には腕まくりするつもりで、どこからでもやってこいという気持ちではなちゃんが車から降りてくるのを見守りました。
ところが、車から降りて来たはなちゃんがとてもかわいらしいフォルムと表情の黒柴犬ちゃんだったため拍子抜けしてしまいました。
このタイプの柴犬ちゃんだったのねと、予定していたプランを変えてはなちゃんの預かりを模索しました。
名古屋から福岡までお預かりに来るなどと特別な経験をしたはなちゃんと飼い主さん、そしてそんなに遠くから七山まで犬と共に来て下さる飼い主さんと巡り合ったわたしたちグッドボーイハート。
何かの大きな力が巡り合いを決めているのだと思わざるを得ません。
福岡、佐賀、長崎と地域の飼い主さんとの出会いもまた大きな力によって実現されたことを忘れずに、大切にして共に学んで参ります。
はなちゃん、またいつか会えるといいな。