家庭訪問レッスンで、犬に何を教えているのかを飼い主さんに尋ねると「オスワリはできます!」とのことでした。
犬にオスワリをどのようなときにさせていますか?
と質問すると、おやつを与えるときにオスワリをさせているということでした。
それで、散歩中にオスワリを定期的にできるように練習をして下さいということになったのです。
ところが、散歩に出ようとして玄関の戸口のところでオスワリをさせようとしても、もうオスワリをしません。
「おやつがあるとできるんですけど…」と飼い主さん。
おやつがあってもできるオスワリが、おやつがないとできないのでは犬のしつけとはいえないのです。
犬の方は「オスワリとはおやつをもらうときにする合図」と覚えてしまったのかもしれませんね。
それで、もう一度「散歩中のオスワリ」の合図を新たに教えることになりました。
散歩中のオスワリの合図は、移動のときには私があなたをリードしていますよと伝える意味があります。
散歩中のオスワリの形は「座って見張る」の形ですが、飼い主側が犬に合図という形で要求をしたらそれに応えて下さいね、と伝えるのが散歩中のオスワリの合図です。
トレーニングを開始するまで散歩中のルールを伝えていなかったことと、飼い主と犬の関係性を伝えきれていなかったため、犬の方はなかなか役割交代に応じてくれませんでした。
リードでオスワリを伝える練習を私が最初にやってみて、次第にオスワリに応じるようになってから飼い主さんに交代しました。
今まで頑としてオスワリをしなかった犬ちゃんが、リードの合図に応じてオスワリをするようになりました。
リードはふんわりと持って、犬の体重が少し後ろにかかりように操作しているだけです。
リードのショックや首輪のチョークなどは不要です。
飼い主さんご家族も犬のオスワリの姿を見て、感動されていました。
リードを持っている飼い主本人は「犬と気持ちが通じ合った感じで心地よいです。」と言われていました。
その感覚を飼い主がリードで感じられるようになるということは、犬も同じような感覚をリードを通して感じているはずです。
オスワリの本当の目的と意味とやることの価値を知れば、毎日の散歩の練習にも楽しくなります。
できるようにさせる。
できることを繰り返すこと。
犬のしつけの基本を押さえて、練習頑張って下さい!