ちょうど同じくらいの年頃の柴犬のオス犬くんたちをお預かりすることになりました。
子犬のころから預かりが重なるようになり、飼い主さんもお互いに相性が良い同年齢の犬なら合わせたいという気持ちがつながりました。
それぞれの飼い主さんから「○○くんがお預かりのときは声をかけてください!」とお声をいただくようになりました。
今回も2頭の犬くんたちは飼い主の申し合わせの中で2頭がいっしょに長期の「合宿」お預かりになりました。
2頭のオス犬たちは青年期でエネルギーも爆発的。
おいかっけっこしたり、じゃれあったり、おもちゃをとりあったり、がるがる言いながら一日中あきれるほどよく遊びます。
若くて元気な年齢ですから犬と犬が互いに関係性を深めながらこうしてよく走りよく遊ぶ時間を持てるのはすばらしいことです。
しかし、犬と犬がじゃれあっている光景がすべて良い結果になるとは限りません。
犬と犬がじゃれあうような激しい遊びは今やワンプロ(犬のプロレス)といわれるようになりドッグランでもよく見られるようになりました。
ドッグランで他の犬に追い回されるのが遊びだと思っていたけれど、いつの間にか他の犬に吠えるようになってしまった犬もたくさんいます。
多数で1頭の犬を追い回したりじゃれついたりするのは、遊びではなく弱いものに対する攻撃である場合もあります。
また規律なくただ犬たちを自由にさせることで発散させている飼い主が多いようですが、これは犬の遊び活動ではなくただのストレス行動です。
ストレス行動が重なれば毎日の生活の中には必ず問題が発生しています。
「犬と犬を遊ばせたい、走らせたい」と思うなら、犬が犬とよりよい関係を築くための時間として遊びを発展させているかどうか、慎重に見極めていく必要があります。
2頭の犬たちがどのようにコミュニケーションをとっているのか、どのように変化していくのかを預かり担当の私はずっと観察しています。
時にはすぐそばで、時にはすこし離れてみて、でも決定的なときには2頭の柴犬の若いオス犬に「止め!」と「フセ!」の合図で制止に入ります。
試合でいう審判のようなものですが、よい関係になればなるほど制止に入る回数は減ってきます。
犬たちも時間を通してお互いを知り信頼関係を高めていくのは犬と人の関係作りと変わりありません。
相性の良い犬はそう簡単に見つかるものでもありません。
だから出会いはいつも奇跡的なもの。
若い時代の遊び相手が見つかったらぜひ大切にして下さい。
一日中おやつをねだる必要もなく、人間にかまってということもなく、ドロドロになって遊ぶ柴犬たちを見て過ごしましたが、さすがに七山も冷えて来ました。
走って温かくなる犬たちがうらやましいです。