梅雨の晴れ間なのでしょうが、長い晴れ間が続いていて犬たちも心地よい時間を過ごせているようです。
最近、訪問レッスンに伺ったご家庭で手作りの犬小屋や犬の休憩小屋を見せていただきました。
マンションのテラスに設置されたヒノキ素材のすのこを器用に組み合わせた小屋を犬ちゃんは気に入っているらしく、レッスンの途中でも小屋に入って休む姿を見ることできました。
別のご家庭では、手作りの犬小屋が仮設置状態で犬ちゃんにとってはお試し住居といった様子を拝見できました。
こちらの小屋の方は塗りたてのペンキの匂いに反応して若干の警戒を示している犬ちゃんに「イメージと違う」と試行錯誤する飼い主さんの姿もありました。
こうして居心地の良い犬の居場所を自分の住まいの中に提供しようと工夫したり時間を割いたりすることこそ、まさに犬と暮らす楽しみのひとつではないかと思うのです。
相手の立場にたって、どうやったら犬が心地よい時間を持てるのだろうと考えること。
犬にとって必要な空間とはどのようなものなのだろうかと考えること。
そうすることが、結局は「犬ってどんな動物なんだろう」と考えるきっかけを与えてくれます。
この空間づくりによる犬の安定は、おやつやおもちゃを与えて犬を喜ばせることとは根本的な違いあります。
心地よい時間は犬だけのものであり、飼い主がその場所で犬が得られる満足を奪うことはできません。
そしてその犬の心地の良さを犬を遠くからみながら「気持ちが良さそうだな」と感じてうれしくなる程度です。
そういえば、私も中学生のときに柴犬が家にやってきたときに、スヌーピーのあの赤い屋根の小屋の中に入ることを願って、父の知人に頼んで手作りの小屋を作ってもらいました。
その赤い屋根の小屋に犬が寝る姿を見ることはなかったので、犬小屋としては今一つだったのでしょう。
犬の訓練士となった今では当時の私に教えてあげたいことがたくさんあります。
犬には犬として過ごす時間が必要なのです。
風のとおる場所、ひとりになれるスペース、太陽にあたりながらの日向ぼっこ。
大切な時間をみなさんのご家庭でどのように過ごすのか考えることを楽しんで下さい。