ブログの更新が遅れてすみません。
今年は本をよむ時間を作ることを自分のテーマとして課しており、植物の種という生命を育てる時間も増えてしまったので、頭の中で書いたブログが表に出る機会がありません。
少しずつ更新していきますので気長にお待ちください。
さて最近の話題ですが、カウンセリングの時にこの言葉を聞くことが普通になってきました。
「ユーチューブを見て勉強したんです。」
「ユーチューブでやっているとおりに教えてみましたがうまくいきません…。」
「ユーチューブの通りにやっているのに、こんな風になってしまって…。」
昔なら「“かしこい子犬の育て方”という本を読んでやってみましたがうまくいきません。」だったのが、情報の仕入れ先がYou Tubeになっただけなのですが本のころとは少し様子が違う感じなのです。
書籍は出すまでに時間もお金もかかります。
たとえば“子犬のしつけ方”という本を出版するならそれなりの資料が必要だったり、経験のある先生が執筆したり、編集局が膨大な情報をまとめたりして本をつくります。
いくつもの検問を経て本が出版されても、本を買おうという人の手にわたるのはごく一部です。
有料ですし書店に出向いて探さなければいけません。
だったらドッグスクールに通っても同じかと考えて、本を読む前にしつけ方の相談に来られた方もたくさんいます。
ところがYou Tubeは、「タダ=無料」だし、検索したらすぐに出てくるし、検索しなくても「これどうですか?」と向こうから情報を送ってくれます。
動画なので文章を読んで理解するよりも早くそのままの動きが伝わりますし、すぐに犬に試してみることができます。
動画は新しいものが次々と公開されます。
動画は深い理解がなくとも、見て入れば真似して簡単にできそうなこともあります。
むしろ、動画提供者としては、たくさんの方に動画を見てもらうためにだれでもが簡単にまねできそうなことを動画として配信されるでしょう。
サービスの基本姿勢としては当たり前のことですが、その内容がすべての犬に必要なことであるとは限りません。
必要どころか犬によっては、成長を阻害したり、社会性を後退させるなどの不利益を被ることもあります。
しかし、飼い主側にはその判断ができません。
むしろ単純なハードルをジャンプさせる芸のようなものをまねさせることの方が犬へのダメージは少ないのです。
犬の成長と発達にかかわる、ハウストレーニングやトイレトレーニング、日々の接し方や散歩のさせ方、自宅環境の整え方などを動画で一律に伝えようとしても難しいものがあります。
動画配信には対話がなく、飼い主さんの理解を深めることには限界があるからです。
私がなかなか動画配信サービスに踏み切れないのもここに意味があります。
SNSを活用できなければ時代遅れと捨てられそうですが、やはり私は飼い主さんと向き合って話し合いながらいっしょに犬を育てていきたいのです。
オンラインクラスであっても、飼い主さんと情報を交換しながらできるだけ身近に感じられるように取り組みたいのです。
もしかしたらYouTubeでも犬の真実を伝えている番組はあるかもしれません。
動画を見て学ぶなら、深く深く考えてそれが犬に与える影響まで考えた上で、実践するかどうかを決めて下さい。
犬は忘れやすい動物だと思われていますが、犬も傷つきますし再学習には時間がかかります。
You Tubeで犬のしつけ方を学んだけどうまくいかなかったとかいっていない気がするという飼い主さんは、今すぐに直接どこかに家庭犬スクールで話を聞いてみてください。
ドッグトレーナーも家庭犬インストラクターも急激に増えたのです。
まだまだみんな学びながら成長しているはずです。
飼い主さんのたくさんの疑問や質問が、私たちを成長させてくれます。
だからたくさんの質問をぶつけてください。
そのことで私を含めた犬のしつけのプロが成長していくことを期待してほしいのです。