うちの犬は風に怯えるのですがどうしてこうなったのですか?
台風が無事に通過したようですが皆様ご無事だったでしょうか?
事故やケガはないように気を付けたいものですが、たまには自然の猛威を感じることは自分を謙虚にさせてくれます。
そんな自然の猛威、風や雷、大雨などに怯える犬が増えています。
他にも生物、特に攻撃してくる小さな飛ぶ虫たち、蜂、アブ、ブヨ(ブユ)などに過剰に攻撃したり逃走する犬も増えているようです。
自然から遠ざけて繁殖を繰り返した結果、犬が自然を体験することがなくなりその犬が産んが犬も、またその次の犬も、どんどん弱くなっていっているのかもしれません。
恐怖におびえる犬を見て「どうしてこんな風になったのだろう?」と考えることも大切です。
ただそこにはあまり応えはなく、もっと大切な質問は「今この犬が恐怖を克服するために身に着けることのできるものは何だろう?」なのです。
犬が怯えているときにあなたが飼い主としてすべきこととは
怖がる犬に多くの飼い主がすることは、犬をなだめたりさすったり抱き上げたりすることです。
まず、こうした犬にたいする行動は犬の不安をあおることになりますので絶対にしないでください。
なぜなら犬が恐怖を感じているというのは、犬が平常のモードからそうでないテンションの上下するモードへ移行しているときだからです。
大丈夫よ~とさすったりなでたりを繰り返す行動は、犬のテンションをさらに高めていきます。
声をかけてあげたいなら、静かに、ゆっくりと、ささやくように、でお願いします。
手をかけてあげたいならあなたの手を添えるくらいで十分です。
もしあなたが怯える犬の様子に不安を抱えているなら、絶対に触ってはいけません。
あなたの不安が犬に伝わり犬の不安は倍増します。
犬が怯えるときにさすったり触ったり抱きしめたりする人の多くは、自分の不安を解消したくて犬にそうしてしまうのです。
これは犬をますます恐怖を感じさせる行為であることを知ってください。
犬が恐怖を克服するために本当に学ぶべきこととは
風や雷などの自然現象に怯えを感じやすい犬が本当に学ぶべきこととは何でしょうか。
いろいろとあるけれど本質は犬の社会化の問題なのです。
犬の社会化という学びに対する誤解が多いようなので、改めて犬の社会化を考えてみましょう。
犬は行動を起こすときには群れ(集団)で行動します。
犬のことをあまり知らない方でも納得します。
つまりこれは犬の習性です。
個体が結束して集団で行動するときに犬は本当の強さを知ることができます。
犬は個体ではとても弱い動物なのです。
それは人とあまり変わりません。
社会的なコミュニケーションを発達させた動物や生物は、社会的な集団で戦うためにその能力を発達させてきました。
特にオス犬の場合はこの結束した集団力を発揮します。
オス犬の特徴ある習性として以下の二つの行動をあげます。
1 自分の群れを外敵から守るために行動すること
2 狩りのために外敵と戦いながら移動すること
どちらも結束した群れ(集団)こそが力があることを犬たちの血は知っています。
犬と犬の本当の社会化は、犬と犬が対面して対立することではなく、集団で他の敵に対して結束できるかどうかなのです。
トレッキングクラスでオス犬たちが結束
この日、トレッキングクラスには3頭のオス犬くんたちが集合しました。
大小さまざま、犬種さまざま、お互いに暮らしている環境も違います。
ただ今日はグッドボーイハートのトレッキングクラス。
お互いに結束してひとつの集団であることが自分にとって価値があるということをこの犬たちは学んでいます。
逃げるのだったら個(ピン)の方が得
戦うのだったら群れ(集団)の方が得
弱いオス犬は前者の方を選ぶでしょう。
社会性が高まってきたオス犬なら飼い主を捨て置いたりはしません。
そうなると選ぶのは後者のみ、つまり社会的に結束した集団に入ることです。
オスの集団は山形を築くように積みあげられるために、上下という序列が必要になります。
序列を受け入れることはさらに大きな社会化の課題です。
※犬が生涯を通して学ぶべきこととは犬の習性を発達させること。