九州で今年も災害が起きています。
自然の猛威に私たちは常に非力で戦うことばかりでは災害を免れることもできないと感じます。
私たちにできることは何だろう、自然と自分を切り離すことはできない。
だとしたらもっと自然を日々体感して知ることしかないのではと考えます。
自分にできることは本当に大したことではありません。
それでもやっていれば自然という存在が自分にとって何であるかにいつか気づくのではないかと思って犬と山を歩いています。
この唐津市七山の山は雨が足りないほどでした。
今日も犬たちとゆっくりゆっくりと山歩きの時間を持ちました。
犬との山歩きというと、犬が山を走り回ったり崖を飛んだりすることを想像されるでしょうか。
全くそんな風景はありません。
人が山を歩くとき私たちはどうやって歩いているのでしょうか。
一歩一歩ゆっくりと進む。それが山歩きの本来の姿なのです。
犬も同じように、ゆっくりゆっくりと歩みを進めます。
一歩進めば臭いをとり、さらに一歩進めば臭いをとる。
こうして自分の本当に身近な環境を自分自身で確かめて、そして一歩を前に出す。
実はこの活動こそ社会化というものです。
環境に適応して反応するというのは、環境がいきなり変化することばかりではないのです。
一歩進むと環境が変わる、一歩進むと環境が変わる、この連続です。
犬の頭の中には、ひとつ前の環境と、今の環境、そして次の一歩の環境が広がります。
似ているけど少し違う、似ているけど少し違う。
こうやって社会化を進めているわけです。
山を歩くときに犬が臭いを捕るのは野生動物を追うためではありません。
犬の真の社会化の時間、それは犬がゆっくりと飼い主と歩くことからです。
小さな時間ですが大切にしてくださる飼い主さんと共に、厳しい季節ですができるだけトレッキングクラス続けてまいります。