梅雨時期のお預かりクラスでしたが、まとまった雨とまとまった曇りの時間で休憩と活動を繰り返して上手く調整できました。
お預かりクラスから帰宅した犬ちゃんたちが自宅でどう過ごしているのかいつも気になるところです。
今回はタイミングよくお預かりクラス直後に数頭の犬ちゃんの家庭訪問レッスンに伺うことができました。
まだお預かりモードが続く中で、今このタイミングでココとココを強化したいという気持ちが強くなり飼い主さんに対してついプレッシャーをかけてしまいます。
しかし案外このプレッシャーに答えようとして下さる飼い主さんが多いので驚きです。
日々熱心にレッスンを受けている飼い主さんたちは、犬の行動観察能力が高まっています。
飼い主の観察能力が磨かれているため、お預かりクラスから帰宅した犬が「いつもと何か違う」ことに気づかれるようです。
「クレートに入ったあとの吠えが減った」
「以前よりベッドに上がるようになった」
「リードの引っ張りが少し緩い」
などなど、犬によってその行動の変化は様々です。
犬たちもお預かりクラスで若干の行動の変化が起きているですから、冷静になればそれを見ることができるのです。
お預かりクラスは単純にいえば、いつもと違う環境で過ごしたというだけのことです。
その中には空間の使い方、テリトリーに関して、人の接し方、自然環境など様々な刺激があります。
与えられた環境と同時に失った環境というのがあります。
それが飼い主という存在なのです。
お預かりクラスでは「飼い主という存在を失った犬」の行動を見ることができるのです。
そのときはじめて、飼い主が犬にどれだけの影響を与えていたのかを見ることができます。
犬の飼い主に対する執着が強ければ強いほど、失ったときの行動の不安定さは大きい。
犬の飼い主に対する依存や甘えが強ければ強いほど、また失ったときの行動の不安定さは大きいのです。
それは振り子の触れるように、大きく逆側にバランスを崩すという形で表れてきます。
一旦バランスを崩したように思えるときに、はじめてバランスを取り戻そうとします。
その取り戻し方をサポートしているのがお預かりクラス時につくっている環境、そして管理、接し方です。
お預かりクラスの後に預ける前と全く同じようにいきなり犬との距離を近づけてしまうと犬は以前よりももっと不安定になってしまいます。
客観的に考えればわかるようなこの原理も、犬に対する感情が先走ってしまうと何も見えなくなってしまいます。
犬に対する愛情は過ぎれば何も見えなくなります。
犬を育てることのできる環境とはあくまで犬を客観的にみる目を持ち続けることです。
飼い主として一番難しいこと。
でも飼い主として一番大切なことです。