毎月トレッキングクラスを受講しにきている犬ちゃんといっしょにトレッキングをしました。
もう数年この七山で犬ちゃんの姿を見ているので、少しずつ変わる山の景色といっしょに犬ちゃんの成長も見てきました。
少しの時間だと変わったような変わらないような犬の行動も、長い月日の中でみるとずいぶんと変わったな、大人になったのだなと感じられるようになります。
犬と人は一緒に暮らしているのに流れている時間の幅がずいぶん違います。
若かった犬があっという間に年を取ってしまうことも仕方ありません。
犬は3才で30才くらいの大人なのに、人は3年経つてやっと仕事ができるようになるくらいなのです。
人が毎日をだらだらと過ごしているうちに犬はアッという間に成犬になり、中年になり、そしてシニア犬になっていきます。
犬は人の7倍の速さで生涯を生きていきます。
犬にとっては当たり前の時間が、人にとっては足りないと思ってしまう。
犬は10年しか活動期間がないのです。
その10年の間のどのくらいの犬としての社会的な時間があるのでしょうか。
週に1回でも月に1回でも、ゼロではありません。
トレッキングに来てくれた犬ちゃんは毎週のように飼い主さんと山歩きに出かけているそうです。
若いときは歩けたところが難しくなってきた。
前よりも探索して堂々と歩けるようになった。
尾歩山ではこれまでできあかった排泄が適切にできるようになり飼い主さんとの距離感も良い感じになってきました。
時間をかけてできるようになったことこそ、本当の成長だと思います。
時間をかける価値のあることなら結果ではなく経過に価値があります。
かけた時間の分だけ犬にとっては価値のある時間だったということになります。
だとしたら飼い主にとっても価値のある時間であったはずです。
こうして過ごした時間は記憶に深く残り思い出の日々となっていきます。
犬とのトレッキングはそんな時間になりえるのです。
共有する場所、共有する時間、そして共有する感覚。
共感とはそんなことではないだろうかと犬ちゃんと飼い主さんをみながら感じました。