毎日毎日ずっと犬のことやトレーニングクラスのことなどを考え続けていて自分でもときどき気持ちがおかしくなるのではないかと思うほど行き詰まり過ぎるほど考えてしまいます。
その理由はもちろんグッドボーイハートで出会うすべての飼い主さんに犬との幸せな生活を送っていただきたいという願いからくるのですが、同時にその願いは人にとってに幸せだけでなく、犬にとっての幸せが前提なのだという私のこだわりが原因です。
犬のしつけといってもあくまで人側にたってやってしまうのであればこんなに簡単なことはありません。
でも自分としてはどうしても飼い主さんに犬のことを理解していただくことが一番の目的で、問題の解決はその先にしかないのです。
犬のことを理解してもらうためにはまず自分が犬のことを知る必要があります。
ここにはそれほどの時間を費やさないのですが、その犬の行動が飼い主のどのような生活や接し方や状態から生まれてくるのかを知るにはかなりの時間が必要になります。
レッスンには時間と回数という制限付きなので話を聞き出すのにも限界があります。
また普通の飼い主さんは犬に問題があるのであって自分には問題がないと思うのは当たり前のことです。
犬の行動に影響を与えている自分のことを飼い主が自主的に考えられるようになるには二つの要素が必要です。
一つ目は根気です。
根気というのは何をするにも大切なので犬のしつけに限ったことではありません。
犬のしつけでいう根気とはいろんな意味での根気です。
宿題としてお願いしたことを根気強くできるのか。
私の説明していることを根気強く耳を傾むけて聞いて下さるのか。
理解できなければ根気強く私とも向き合って下さるのか。
それは犬と根気強く向き合う姿勢ともつながっています。
次に学びの姿勢です。
これは私が最も大切にしていることです。
絶対に犬という動物から学ぶという気持ちを持ち続けること。
学ぶというのは犬に従うとか犬のいいなりになるということではありません。
あくまで学ぶ。いつも犬の行動を気持ちを観察と考察をつかって限りなく考えています。
でも日常的に犬と暮らしているのは飼い主さんです。だから飼い主自身が犬の行動と気持ちを観察&考察する学びの姿勢がない限り犬との関係性に変化を起こすことはできません。
そしてトレーニングクラスを受けられるということは何かを学んでいるのだという姿勢を持っていただくことが必要です。
それはインストラクターである私の言いなりになってくださいということではありません。
むしろ分からないことは質問していただきたいです。
ただ本当に理解するには数年を必要とすることがあります。
だからトレーニングの仕組みをある程度把握したらあとはやってみる、できないことはできないと報告していただく起きていることを正直に認めていただくこのことがクラスを順調に進めていきます。
根気も学びの姿勢もどちらも犬との関係性の基盤をつくるものです。
この二つをもっていなければ飼い主として犬と向き合うことなどできません。
自分の思い通りに犬を飼うことなどできないとちゃんと理解して、根気強く向き合う、付き合う、学ぶ。
この姿勢さえあれば難しい局面も乗り越えていきます。
これはこの20年以上私がドッグトレーニングで飼い主さんたちとお付き合いして分かったことです。
わたしも生徒さんたちから学んでいます。
もちろん上手くいかないことだってあります。
そんなときにも「次はこうしよう」と必ず学ぶようにしています。
相手がこうだったからできなかった、犬がこうだったから仕方ないと思うことはありません。
同時にできなかった自分を認め、こんどはできるようになりたいと思うようにしています。
これを繰り返してグッドボーイハートは今年で21年目です。
21という数字は節目の年です。
いろいろと考える機会となりそうです。