お預かりクラスに来ている犬たちと春の心地よい日差しの中で過ごす時間をもらいました。
自然の空気と音の中で、なんにもないただの山の中で、犬が草をかんだり、走ったり、寝ていたり、歩いたりしている姿を横目にみながら作業をするのが一番好きな時間です。
都会のマンションの生活で息苦しそうな犬も、お預かりの三日目くらいになるとようやく深呼吸をするようにゆるやかになっていくのが感じられます。
犬にボールをなげたり木々を投げたりすることもあるのですが、たいていの場合には草刈りしたり修理したり、山をウロウロと探索したり、蜂の巣箱をのぞきに行ったりする私の足元をついて回る犬たち。
ただそれだけのことだけど、かわいいと思ったり大切だと思ったりしています。
お預かりする犬の中にはかなり精神が病んでしまい、ワンワンワンと連続の吠えが止まらなかったり、人を見ると人から目線を外すことができないほど執着している犬もいます。
人との距離感がわからず近付くととびついたりキャンキャン吠えたりする犬もまた犬の精神が病んでいる状態です。
犬は人との関係をつくるのに1年間くらいはかかると思いますが、人の接し方が犬の習性にあわない場合にはたいてい人に対して「逃げる」姿勢を崩していません。
人に要求したり甘えたりキャンキャンいう犬ほど、フリーになると走り出しコントロールがききません。
そんな犬たちでも預かりクラスの3日目になると、少し変化が見られます。
多分自宅にもどったらすぐに元に戻ろうだろうなと思いつつも、少しでもその犬の精神の傷が癒されたのならよかったと思いつつ飼い主さんにお返しします。
大好きな犬だからすべての犬に幸せになって欲しいと思うのですが、都市環境はなかなかそれを許してくれません。
本当に気持ちが自由になった犬が、自ら人のグループに入って自ら従うようになるには3年がかかるでしょうか。
3という数字は山の形です。
お預かりクラス最低3日は預けてください、がグッドボーイハートのお願いです。
山の力を借りて、犬たちの心が少しでも自由になりますように。