犬が他の犬に対して、また人に対して左右に横跳びする往復とびの状態を繰り返すのを見たことがあると思います。
前脚を地面につけるように低く保つ姿勢は「プレイボウ」=(あそびのお辞儀)を名付けられて有名になりました。
この名前が付けられた理由は、犬が遊び最中にこの姿勢を繰り返すことがたくさんあるからです。
人の世界の遊びというと何の意味もないとか時間つぶしのようにとられてしまうこともあるかもしれませんが、犬の習性で身に着けた遊びとは犬が現時点でもしくは生涯にわたり必要なことが優先的に行われています。
犬がするこの横跳びジャンプも単に遊ぼうと誘っているわけではありません。
犬の人に対する行動は対する人が上手く返していかなければコミュニケーションは独特のものになってしまいます。
例えば犬が人の前で横跳びをしたときにおやつを与えることを繰り返せば、犬は人の前で横跳びをしておやつを引き出すでしょう。
また犬が人の前で横跳びをしたときにボールを持ってきて遊び相手をすれば、犬は人とボール遊びをするために同じように人の前で横跳びをするようになるでしょう。
こうして犬の行動は本来のものから人に対してどのようにするのかという別のコミュニケーションの形に変わっていきます。
ですから犬そのものを理解したければ、犬が横跳びをしたときに対する他の犬はどのようにするのかと観察したり考えたりする方が本来の意味はわかります。
若い犬にありがちはこの横跳びを1歳前後の2頭の犬たちがしていたとします。
ある犬が他の犬の前で横跳びをすると、若い相手の犬もまず同じように横跳びをするでしょう。
相手の横跳びコミュニケーションに応じるという形で陣取り合戦が開始されます。
お互いの陣地を守れることが確認されると、脚を止めて鼻先の臭いを嗅ぎあいます。
それで終わることもあれば、さらに相手の陰部や尻部の臭いをとることでより相手のことを知ろうとします。
相手がそれを許さなければそれまででやんわりとお互いに離れていく終了パターンは散歩中にリードがついたまま顔を突き合わせる犬たちによってみられる光景です。
リードがない状態であれば再びジャンプが始まるか、どちらかの犬が逃走を図りそれを他の犬が追い回すのか、コミュニケーションが対立に発展する可能性も十分にあります。
犬が飛び跳ねているときにはいつも遊んでいる、いつも楽しそうにしていると考えるのはあまりにも見方が浅いのではないでしょうか。
犬たちも彼らの中で社会活動を送る機能を備えているけれど、人の作った社会がそれを許さないためギクシャクしたコミュニケーションが続いていると考えると気の毒な気持ちになります。
グッドボーイハートのブログでは何度も繰り返していいますが、社会関係というのは知らない犬同士をただ合わせる形で成り立つものではありません。
犬たちの社会生活は今危機的な状態なのですが、気づいて改善&改革できることがあれば私たちは協力して実現できることはやっていきたいと思います。