急にお預かりになってしまった犬ちゃんを連れて大濠公園まで出かけ、他の生徒さんとイヌちゃんを待ちました。
私の方から仕掛けた「初デートレッスン」です。
仕掛けは思いつきではなく経過があります。
数ヶ月前にこの犬ちゃんと犬くんをグッドボーイハート七山でお預かりしたことがあります。
2頭の犬ちゃんたちは初対面。
犬くんの方は初のお預かりで環境になじみつつある途中でした。
そこに犬ちゃんが預かり到着で合流したのです。
犬くんの方ははじめて女のコと同じ空間で長らく時間を過ごすことになりました。
犬ちゃんの方は幼い性質でどんなワンちゃんにも相手をしてほしいアピールを低い姿勢でアピールするようなコです。
はじめは戸惑う犬くんですが、女のコの臭いをふりまかれたのに少し男心が芽生えてきたのでしょうか、すごく遠巻きに臭いとりをしながらほんの少しずつ向きあう時間ができてきました。
お話が盛り上がり始めたところでの犬くんの帰宅時間となりました。
この様子をさらに遠くから眺めていた私が、この初デートのお散歩練習会を思いついたのです。
本来なら男子から申し込みするデートの設定ですが、今回は仲人変わりの私が両方の飼い主さんに提案しました。
預かり犬ちゃんの飼い主さんもお預かりのお写真を見ていたので、あの犬くんとだったらと快く承諾してくださいました。
そして迎えた当日の大濠公園の現場です。
過去にあったことのある犬ちゃんと犬くん、飼い主さんとしては「覚えているのかしら」というのがはじめの疑問でしょう。
なんらかの関わりを持った犬についてほとんどの犬は覚えているものです。
ただ時間の経過と共に脳の情報や消去されていきますし、人と同じように忘れやすい脳というのもありますので確実とは言えません。
良い感情を抱いているものが残っていれば、より良い再会となります。
会う場所は過ごし方によって全然違うということです。
大濠公園で対面した犬ちゃんたち、お互いに和やかに臭いとりを交わしあいながらゆっくりといっしょに並んでのお散歩となりました。
散歩中は危険なのでカメラ撮影はできなかったのですが、お互いに横にいても相手を恐れることもなく競うこともなく飼い主さんのリードのもとにゆっくりと散歩を進めていきました。
途中のベンチで休憩し飼い主さんと犬くんの状態についてお話中も、犬ちゃんの方は近くの臭いが気になりくんくんとしていましたが、犬くんの方は周囲を見張っていたりしてなんとなく良い感じにはなりました。
大濠公園のカフェでお茶をしているところ、リードを長くして犬の後ろをついて走る人がすごい勢いで近付いてきそうになりました。
あまり近くになるときは割って入ろうと思ったのですが、犬くんの方が「ワン」と一声威嚇。
そもそも目的を失ったのか走ってきた犬と人はコースを変えて通り過ぎました。
犬ちゃんを犬くんが守るような感じになり、男前をさらに一段とあげていました。
犬と犬が関わるということを、飛びつきあったりあまがみしあったりプロレスしたりすることだけだと思ってしまうと関わらせ方を誤ってしまうこともあります。
同じ空間にいる、目の前にいる、お互いに興奮を下げていくというただ単純なことの繰り返しは人にとっては単調でつまらないものかもしれません。
でも大切なこのことを、大人の犬に近付く年齢、それは2才くらいからですがそのころからは気を付けてつくっていってあげてください。