普段は七山のトレッキングやお預かりやプライベートクラスで犬と犬の社会性について学ぶクラスを開催しています。
今回は特別に車を持っていない生徒さんたちのために、福岡の事務所スペースを利用して犬と犬がおちついて対面できるかどうかのテストとその方法について説明するクラスを開催しました。
お預かりの犬ちゃんたちと同じくらいのサイズや年齢の犬ちゃんたちだったのですが、それぞれにもう社会的に自信のない状態になりつつあったのでその様子についても説明しました。
実際に犬の行動をみながら説明するのはかなりハードルが高いのですが、生徒さんたちが熱心に観察していてくださるので大切なことをいくつかは学んでいただけました。
グッドボーイハートでの犬のしつけは、家庭訪問トレーニングクラスを中心にしてはじまります。
その理由は「しつけの基本は家庭にあり」というところからきています。
人の子供のしつけも同じようですが、人としての態度を学校の先生にいろいろと注文を付けることでは改善されません。
人としての態度は家庭の中で身に着けられるものだからです。
人の子供であれば、一緒に生活していてゴハンを食べさせてもらって住まいも与えられてそして愛情いっぱい育ててくださる親に対して傍若無人な態度をしたり、暴言を吐いたり、暴力を振るような状態になっているものを、学校教育でどうのこうのというのは無責任です。
犬も同じようにご家庭内でいうことをきかない、わがまま、甘えが許されているキュンキュンと鼻をならすような状態であることがそもそもの問題です。
犬と人は動物として全く異なるためいろいろと違いはあるのですが、こうしてテリトリーを共有して過ごすことができるのは、どこかに似ている部分があるからです。
その最も似ている部分というのが、社会手的構造です。
犬という動物は群れという社会的なグループに所属する習性を持ちます。
そのグループ内では役割分担が必要で、誰が主導権を握り誰がそれに従うのかを決めていきます。
この主導権がうまく取れていないと、他人、つまり他の人や犬に対して吠えたり飛びついたり怯えたりするようになるのです。
こうした犬の社会的な対象となる「人」や「犬」に対する恐怖行動や興奮行動を罰を与えて止めさせることはできません。
グループ内の社会的な立場がわかるようになると、積極的なコミュニケーションは取れないとしても、怯えや恐怖を抱くことなく相手を観察することができるようになります。
まずはここからスタートなのですが、いずれにしても飼い主と犬との関係が影響をしているわけですから自分次第というところです。
飼い主さんの理想と現実は少し遠くても、現実に近い理想には確実に近づいていきます。