クラス紹介の写真がいつも山での風景になります。
受け持ちしているクラスの大半は家庭訪問トレーニングクラスですが、トレーニングクラスのときには行動を再確認するために動画を撮影するくらいで、写真を撮る機会がありません。
生徒さんたちのお写真はラインやメールで送っていただきときどきご紹介させていただきますが、そう度々お願いすることもできず。
写真が山と犬の風景に偏るもっと大切な理由は、山にいる犬の表情の変化をお伝えしたいからです。
犬の中には生涯を通してアスファルトや人工的な公園しかしらない犬もいるでしょう。
たまに自然の中に連れていかれても整備されたドッグランや平坦な土地、囲われた広場に開放されるくらいでしょうか。
山を歩くチャンスをもらえる犬は一握りしかいません。
最近では山どころか散歩にも出ていない犬が以外に多いことを知り驚いています。
20年前なら「散歩がうまくできないんです。」というトレーニングのご相談を受けることはもっと多かったのに、最近では「トイレができないんです。」というご相談の方が多いのも納得します。
山で過ごしている犬の表情は一度山に来たくらいではわかりません。
山という環境が犬の脳に働きかけて、犬の脳の中で何かが開き始めたときに犬の中に確固たる深い安心が生まれるような感じです。
それは私たち人間にも言えることです。
山に来て騒いだりバーベキューばかりしているとわからないことも、ただ山を背にして普通に過ごす時間を長くつくればつくるほど、自分はとても小さな存在に思えてきていろんなこともそんなに大したことではないように思えるようになります。
そんな人間の一部を感じることも、犬にとっては何か影響があるのかもしれません。
人はあまりにも犬に強くなりすぎました。
厳しい環境の中で管理監督しなければ動物が落ち着かなくなってしまったからでしょうが、根本的にいろいろと考えて変えていく勇気が求められていると思います。