春だからお天気の乱れのあることは仕方のないこと。
でも週末のトレッキングクラスに雨が降るのはちょっと避けてほしいところです。
だけど雨にかぶってしまいました。
せっかく成長期の子犬ちゃんがトレッキングクラスに来てくれたのだから、せっかく飼い主さんが遠くから七山に足を運んでくださったのだから少しでも楽しく過ごしていただきたいという気持ちだけで頑張るしかありません。
子犬の成長期には散歩に出てもなかなか公園で排泄ができないことがあります。
公園で排泄するというのは、自分のにおいを置くことで他の犬に自分の存在を知ってもらうこと。
「我ここにあり」を宣言するのですから、まだその準備ができていない子犬は警戒して排泄を外ではしません。
七山に起こしいただいたときに排泄をしないで帰ってしまうこともあります。
子犬でなくとも成犬であっても、内向的な行動パターンとして現れるのです。
今回はじめてのトレッキングクラスを体験してくれた犬ちゃんもまだ散歩中に公園で排泄をすることができていませんでした。
トレッキングの前に預かり場になっているお庭で環境を確認させて行動を観察すると、すぐに排泄をする気持ちがあることがわかりました。
無事に排尿と排便を済ませて犬は少しスッキリして安心を得た表情になります。
雨がなかなか降りやまないので雨具を着て尾歩山へと歩き始めます。
子犬ちゃんは臭いとり行動の連続ではじめての現場での探索行動の開始しました。
犬が臭いをとりながら歩いていると、何を臭っているのだろうと想像するしかありません。
きっとその犬の脳内はものすごい情報処理に追われていて、脳が活性化しているのでしょう。
いつものちょっと頼りない表情の子犬ちゃんが、なぜかたくましく見えてしまうのです。
雨の日でも里山への動物活動は活発になりがちです。
雨の日は人の活動が抑えられることを、動物たちは知っているのかもしれません。
雨足の音で獣の気配が聞き取りにくくなるので、こんな日はなんども犬の方を確認して犬の感知能力に頼ってしまいます。
でも今日は子犬ちゃんしかいない。
子犬ちゃんにはなかなか難しいことですが、それでも犬ですから人の能力など比べようがありません。
山を歩くことを楽しいと感じられるかどうかは、山にいるときのその動物の脳が開かれるかどうか、ただそれだけです。
犬も人も同じ動物です。
でも人の方は犬と少し違います。
山を歩いているときに脳が活性化するかどうか、人によっては個体差が激しいようです。
自然とつながるツールのようなものが引き出されやすいタイプの人と、あまりにも奥にしまいすぎて自分が動物であることすら思い出せない人の差は歴然としています。
犬が人と暮らすときに、どちらのタイプの人と共にいることが楽しく幸せであると感じられるでしょうか。
犬はいつでもはだしで山を歩ける裸族なのです。
共感性が発揮できやすいのは、前者の方でしょう。
だから、トレッキングに来てくださった飼い主さんが「気持ちがいい」「楽しい」と感じて下さるとすごく嬉しくなってしまうのです。
よかったね。あなたの飼い主さんはきっといつかあなたと深い関係になってくれるその素質を十分に持っていると犬に知らせてあげたくなります。
私から助言されなくてもそのことを一番わかっているのは犬の方です。
特別な時間を過ごしてこの日はゆっくりと休めたでしょうか。
また都会での厳しい生活が待っています。
でも、次の山行きを楽しみにしているのは、犬だけでなく飼い主さんもいっしょになりました。
そんな時間が信頼関係を築き上げていくということです。